AUDI A7 Sportback S line 1st edition アウディA7 |A8とA7スポーツバックは見た目の印象以上にキャラクターが違う。A7は断然ドライバーズカーだ。
- 2018/12/31
-
世良耕太
初代A7スポーツバックは3.0ℓ・V6スーパーチャージャー過給エンジンを搭載していたが、新型は3.0ℓの排気量とV型6気筒のシリンダー配列・シリンダー数は同じで燃料噴射も同じ直噴だが、ターボチャージャーで過給する。Vバンクの内側が排気の「ホットV」なのはA8の4.0ℓ・V8と同じだが、V8がツインターボなのに対し、V6はシングルだ。
A8にも3.0ℓ・V6直噴ターボエンジン搭載グレードの設定はあるが、A8が8速ATを組み合わせるのに対し、A7スポーツバックは先代と同様、7速DCTを組み合わせる。トランスミッションが異なるせいばかりではないだろうが、エンジンの主張はA8よりも断然、A7スポーツバックのほうが強い。
A8の4.0ℓ・V8直噴ターボと比べてしまえば3.0ℓ・V6の排気量は4分の3(75%)だが、最高出力/最大トルクは250kW(340ps)/500Nmもあって、車両重量が1900kgであっても不満を述べたくなるようなレベルではない。なにしろ、S4やS5が積むエンジンである。それに48Vのマイルドハイブリッドシステムを加えたことにより、インテリジェントな振る舞いを身につけるようになった。どれだけインテリジェントかは、A8のレポートを参照されたい。(編注:これから記事を掲載します)
A8のレポートで触れていない機能をひとつだけつけ加えておくと、アイドリングストップ中に前のクルマが動き出すのを確認した場合は、ドライバーがブレーキペダルを踏んだままであってもエンジンは再始動する機能を備えている。フロントカメラと連携することで、実現した機能だ。
A8と同様にA7も、アウディの新しいユーザーインターフェイスを採用した。ステアリングの奥にある液晶ディスプレイにアナログメーターのようなグラフィックの速度計やエンジン回転計を表示するのは、すでにアウディの他のモデルで採用済み。この機能を新型A7も踏襲する。そのうえで、新型A7は(A8も)センターに設置する表示系もすべて液晶ディスプレイに切り替えた。インストルメントパネル上には10.1インチのアッパースクリーンを設置。センターコンソールには8.6インチのロワースクリーンを設置する。アッパーは主にナビ表示。ロワーはエアコン表示がデフォルトだ。
ナビの操作もエアコンの操作も「タッチ」で行なうのが基本である。従来はダイヤル式のコマンダーで行なったが、タッチ操作になったのでダイヤルやスイッチ類が排除され、センターコンソールはすっきりした。スクリーンの表示は黒と白を基調としたシンプルな色づかいで、シックである。ただ、使い勝手に関しては好みの分かれるところだろう。スマホのような直感的な操作を歓迎する人がいる一方で、ダイヤルコマンダーに手を固定して操作できる利便性をありがたがる人もいるに違いない。
また、旧ユーザーインターフェイスのアウディはナビのスクリーンが空調ルーバーの上にあったが、新ユーザーインターフェイスでは空調ルーバーの下に移動している。デザインを優先した結果なのか、視認性の面でユーザーフレンドリーとは言えない気がする。ナビがそんなに気になるなら目の前のスクリーンに映せばいいだろう、ということだろうか。
現時点での難は、システムの起動に時間がかかることだ。エンジン始動の際、システムが起動するまでに相当の時間を要する。「さっさと目的地を設定して出発したいんだけど」という状況では、もどかしい思いをするかもしれない。起動中の画面を見ていたら、機能拡張のアイコンが順番に表示されていくのをじぃーっと見守った、その昔のマック(Macintosh)を思い出した。
起動が遅いという声はアウディに上がっているはずで、遅かれ早かれ解消されるに違いない。アッパーのスクリーンもロワーのスクリーンも、タッチ操作をすると触感と音によるフィードバックがあり、どちらも強弱の調節が可能だ。ダイヤルコマンダーからタッチ操作へのユーザーインターフェイスの変更が使い勝手に与える影響は大きく、アウディは重大な決断をしたことになる。
アウディA7 Sportback S line 1st edition
■ボディ寸法
全長×全幅×全高:4970×1910×1415mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:1900kg
サスペンション:F/R5リンクダブルウィッシュボーン
駆動方式:AWD
■エンジン
形式:V型6気筒DOHCターボ
型式:DLZ型
排気量:2994cc
ボア×ストローク:84.5×89.0mm
圧縮比:11.2
最高出力:340ps(250kW)/5200-6400rpm
最大トルク:500Nm/1370-4500rpm
使用燃料:無鉛プレミアム
■トランスミッション
7速DC
■燃費
JC08モード燃費:12.3km/ℓ
価格○1161万円
- 前へ
- 2/2
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
アウディ A7スポーツバック
40TDIクワトロ HDマトリクスLEDヘッドライト アウディレーザーライト アシスタンスパッケ...
中古価格 517.6万円
アウディ A7スポーツバック
45 TFSI クワトロ Sラインパッケージ シートヒーター パワーシート トランクスルー フロ...
中古価格 594.5万円
アウディ A7スポーツバック
45TFSIクワトロ Sラインパッケージ ワンオーナ― 弊社買取 SLineパッケージ パノラマサ...
中古価格 675.6万円
アウディ A7スポーツバック
45TFSIクワトロ Sラインパッケージ ACC 純正メモリーナビ サラウンドビューモニター フ...
中古価格 781.9万円
アウディ A7スポーツバック
45TFSIクワトロ 4WD 衝突被害軽減ブレーキ アダプティブクルーズコントロール レーンキー...
中古価格 472万円
アウディ A7スポーツバック
55TFSIクワトロ デビューパッケージ 4WD HDマトリクス/Sline/カラーアンビライト...
中古価格 566万円