メルセデス・ベンツC220dステーションワゴンアバンギャルド/C200アバンギャルド試乗記 from editor's note 新型ベンツ・Cクラス/ワゴン試乗|ディーゼル、ガソリンBSGのパワートレインも充実の仕上がりだ
- 2019/01/06
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MotorFan編集部
1.5ℓターボの常識を覆したC200アバンギャルド

続いてセダンのC200アバンギャルドに試乗した。搭載される1.5ℓ直4ツインスクロールターボは単体で最高出力184ps、最大トルク284Nmを発生する。M264と呼ばれるこの新型エンジンは、始動した瞬間から滑らかさを感じる。可変バルブタイミングや新たに特許取得したという「CONISHAPE加工」などの新技術によって、エントリーグレードのC180に搭載される1.6ℓ直4ターボと比較して排気量で0.1ℓ少ないにもかかわらず最高出力で28ps、最大トルクで34Nm増加している。しかもこれにBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48Vシステムを組み合わせており、実際試乗した感じは特に低回転域で力強い。
BSGモーター(最高出力14ps、最大トルク160Nm)を併用することで、1.6ℓターボと比較するまでもないほどスムーズに目指した車速に達する。ちなみにBSGは加速はもちろん減速時にも1kWhのリチウムイオンバッテリーに回生可能で有用である。
新型直噴エンジンの回転フィールはさらさら回るといった印象で、エンジンそのもののリファインか、モーターのアシストか、あるいはその両方か、パワートレインの進化を嫌でも感じてしまう。当然アイドリングストップから発進時のマナーも滑らかで、これは大型スターターモーターによりエンジン再始動時の振動低減が奏功しているようだ。シームレスな加速フィールは、スムーズで素早い変速をアシストするBSGと、そもそも多段化された9速ATの効果があるだろう。なお停止状態からはことごとく2速で発進した。1速はよほどのエマージェンシー的な状況で使用するのだろうか、短い試乗時間では試せなかった。
試乗車に装着されたタイヤは、専用にチューニングされたコンチネンタル・スポーツコンタクト5(225/50R17 94W)。ランフラットではないので乗り心地はソフトで高級感がある。パンクしてもある程度走れるが、硬い乗り心地を持つランフラットに対する考え方は人によって異なる。これは万が一の時の安全性(あるいは走り続けられる利便性)を取るか、日常の乗り心地を取るかという話で、どちらが正解というモノではないと思う。ちなみに筆者は同価格でランフラットを選べるのならランフラットにしたい派だ。なお、別途試した18インチはやや硬さが感じられたのでランフラットをやめて安全性より快適性をとるなら17インチを選ぶべきだろう。
ステアリングのロック・トゥ・ロックは2.25回転で乗用車の割にクイックだ。それでいて最小回転半径は5.2mと小さいのだが、ステアリングに過敏なところはなく、横方向も非常に滑らかに操作できた。とはいえ、すべてが滑らかで快適だったわけではなくエンジンやトランスミッションの振動が、ごくまれにダイレクトに感じられる瞬間があった。この臓物感は加減速が続くような時には、不快な振動にもつながるので、これも個体差かどうか後日試してみたい。
総じて1.5ℓターボとは思えないほどのトルク感はまさに先進的だし、これからのプレミアムサルーンはこうあるべきなんだろうなと思わせた。ただし、そのプレミアム感は日常域までで、そこからさらにアクセルを踏み込んでいっても1.5ℓターボなりだったことも付け加えておこう。
メルセデス・ベンツC200アバンギャルド
■ボディサイズ:全長4690×全幅1810×全高1425mm ホイールベース:2840mm ■車両重量:1550kg ■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1496cc 最高出力:135kW(184ps)/5800〜6100rpm 最大トルク:280Nm(28.6kgm)/3000〜4000rpm ■トランスミッション:9速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:F4リンク Rマルチリンク ■ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク ■タイヤサイズ:225/50R17 ■価格:552万円
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