Jeep Compass Snow Drive Impression from Editor's room 豪雪で視界ゼロ! ジープ・コンパスで真冬の北海道をひたすら走る〈JEEP COMPASS 雪上ドライブ〉
- 2019/02/24
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MotorFan編集部
最新のジープ・コンパスを駆り、厳寒の北海道でショートツーリングを行った。距離こそ250kmと“ショート”だが、豪雪地帯を貫き、ときにはホワイトアウトするほどの吹雪に見舞われるなど、雪国でない地域に住む人間にとってはなかなか過酷な行程だ。千歳から支笏湖周辺を巡る旅で、ジープのサバイバル性能を体感する。
TEXT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
エントリーモデルにこそ、ブランドの理念は表れる
1月下旬、厳寒の北海道を舞台に、豪雪地帯を貫くショートツーリングを行う機会を得た。千歳空港から支笏湖を経由し、洞爺湖の手前にある北湯沢という温泉街を往復するルートで、総走行距離は約250kmほどになる見込みだ。
確かに距離は短いが、ほぼ全行程に渡ってスノーコンディションとなっており、平均速度はかなり抑えられてしまうはず。雪道に不慣れな東京生まれ東京育ちの筆者にとって、ちょっとした冒険となることは間違いない。
車種はジープのラインナップの中で最もお手頃なコンパスを選んだ。レネゲードがエントリーモデルと認識していたが、最廉価グレード同士を比べると、前者が323万円、後者が355万円と、意外にもコンパスのほうが安い。
ラングラーがジープの最高峰であることはいうまでもないが、極限の状況下に於けるジープの底力を量り、ブランドとしてのフィロソフィを知るには、むしろ廉価モデルのほうが相応しいだろう。
千歳空港近くにある千歳モーターランドを出発し、国道36号線を北上する。市内はところどころ雪が溶けていてアスファルトが見える。しょっぱなからクルマがドロドロに汚れそうで、撮影を控えた我々にとってはかなり厳しい状況だ。氷点下なのに撮影現場で洗車などしたくない。
そんなわけで雪解け水を跳ね上げないようゆっくり走っていたのだが、大型トラックに抜かれざまに泥水を派手にぶっかけられた時点で諦めた。
日本市場におけるコンパスは全グレードとも2.4Lのガソリンユニットを搭載するが、唯一のAWDとなるリミテッドのみ9速ATと組み合わされる。変速マナーはすばらしく、市街地から高速道路に至るまで、ストレスを覚える場面は皆無だ。ジープの名が与えられているものの、良質なサルーンとしての役割も十分に果たしてくれるだろう。
恵庭から針路を西に取り、県道117号線に入るやいなや、路面がツルツルのアイスバーンになった。しかも片輪は完全なアイスバーン、もう片輪はうっすらと雪が乗ったアイスバーンという、かなり緊張を強いられる路面状況だ。
だが、試乗車が履いていたスタッドレスタイヤ「グッドイヤー・アイスナビSUV」のおかげもあって、コンパスはしっかりと路面を掴みながら歩を進めていく。もちろん無茶は禁物だが、グリップを失って姿勢を崩すような場面はなかった。
国道453号線に当たり、支笏湖を目指して南下する。このあたりの地理に詳しい人であれば、なぜコイツはわざわざ遠回りしているのだろうとお気づきになったかと思われるが、それはこの国道453号線のワインディングロードを堪能するためだ。
堪能と言っても公道なのだから、もちろんクローズドコースのようにドリフトの真似事をするわけにはいかない。ただ、速度こそ控え目でも、雪道なりの独特の“グリップ感”を手探りしながらコーナーをクリアしていく行為には、緊張感とともにどこか快感が伴う。
そんな目的をもって下りコーナーの続く国道453号線に臨んだのだが、そこで見せたコンパスの振る舞いはなかなかのものだった。
ここで我々のような平均的なドライバーが求めるものは、必ずしも卓越した悪路走破性であったり、WRCマシンのような圧倒的な速さではない。なるべく普段通りの平常心で運転ができて、路面がどうなっているのかわかることだ。それができれば安心感が高まり、前述のような「グリップを探る」運転が楽しめるのだ。
フラッグシップのラングラーでも感じたことだが、ジープの各モデルは必要なインフォメーションをいたずらに封じ込めない。もちろん不快なNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)は抑えているのだが、「なにがどうなっているのかわからないが、なんとなく大丈夫だ」とはならない。「状況が手に取るようにわかるから安心できる」のだ。それはエントリーモデルであるコンパスにもしっかり受け継がれている。
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