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Impression from Editor's room V60 T6 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION ボルボV60 T6 TWIN ENGINEのPHEV代は実質14.5万円…これをどう考えるか?

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 そこで、ボルボは主力となるV60に、T6 TWIN ENGINE AWD MOMENTUMを設定し、659万円という値付けをしてきた。従来から設定のあった最上級のT8 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTIONが829万円、次のT6 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTIONが759万円万円だったから、100万円安。エコカー減税その他が45.5万円ほどだというから、T5 の上級装備版T5 INSCRIPTIONの599万円との価格差が14.5万円となるわけだ。

 つまり、乱暴にいうと「装備をとるか、PHEVをとるか」という選択である。

バッテリーはクルマのセンターに。対衝突、そして重量配分的にも最適な位置だ。

 1充電消費電力量9.59kWhというリチウムイオンバッテリーは重量113kgで車両の中心、コンベの後輪駆動車ならセンタートンネルと呼ばれる部分に搭載されている。

 ERADと大容量バッテリーのおかげで、リヤのモーターだけで45.1km(カタログデータ)をEV走行できる。Pureモードは、125km/hまで対応する。HybridとSaveモードは65km/hまで、Off Roadは40km/hまでだ。

 AWDモードとPowerモードを選べば、175km/hまでモーターが常に接続、175km/hを超えると電動モーターの噛み合いが外れてエンジンのみの走行(つまりFF)になる。

 と書いても、フクザツで理解不能だろう。

 短時間の試乗で主に試したのは、Pureモードだ。ERADだけで走行するということは、要するに「後輪駆動車」になるということ。FWD/AWD/RWDという駆動方式を1台で体験できるというのも、このクルマの魅力(?)と言っていいだろう。

ラゲッジスペースは、とにかく余裕。
フロアを持ち上げると下はこうなっている。

 さて、そのPureモードだが、ERADの出力は87ps/240Nmだから、2050kgの車重(T5 MOMENTUMが1700kgで、スーパーチャージャーと70kgのERADと113kgのバッテリー、そしてPCUなどが350kgということだ)に対して、余裕があるわけではない。静かで滑らかに加速するけれど、やはり「重いなぁ」と感じる。

 エンジン+ERADとなれば、重い車重もなんのその。どんなシチュエーションでも思いのままに加速してくれる。

 それでいて、WLTCモード燃費が12.3km(仕様変更後は13.7km/ℓとなる模様だ)という、このサイズ、この重量にしては低燃費なのがセリングポイントになる。

シフトノブはクリスタル(オレフォス社製)。こういうところがニクい。

 とは言っても、燃費(燃料代)で価格差(同じ装備なら114.5万円!)を取り戻すのは不可能。通勤が往復30km程度、あるいは通勤先に充電設備があるなら往復60kmをガソリンをまったく使わないで走れるという優越感と燃料代の節約分(もし、ウィークデー通勤60km/日なら月1200kmになる。10.0km/ℓ、1ℓ=145円のハイオク燃料だったら120ℓ=17400円/月の節約になる。年間なら20万8000円。5年間なら104万4000円だ! むろん電気代はかかるがガソリン代よりはずっと安くすむはずだ)、テーフパイプエミッションがゼロで、直接的には空気を汚さないという気持ちの良さが、このT6 TWIN ENGINEの魅力となる。

 あ、そしてもちろん、最新ボルボの美しいデザインと素敵なインテリア、そんなに積むもの、ないよぉと言いたくなるほどのラゲッジ容量などは、コンベのパワートレーンのV60とまったく変わらない。

 それにしても「ヨンク」なのに、後輪がエンジンとつながっていないというのは、悪路走破性はどうなのだろう? 次の雪の季節には、ぜひスノードライブで試してみたいところだ。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式。
リヤサスペンションは、イングラル式。スプリングには、通常の金属ばねではなく、コンポジット製リーフスプリングを使う(緑色の部分)。ドイツ・ヘンケル社のウレタン系マトリックス樹脂LOCTITE MAX2が使われている。

V60 T6 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION
車両価格◎749万円(試乗車はオプション込みで808万1000円)

全長×全幅×全高:4760mm×1850mm×1435mm
ホイールベース:2780mm
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン式 R インテグラル式

エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ+スーパーチャージャー
エンジン型式:B4204T35
排気量:1968cc
ボア×ストローク:82.0mm×93.2mm
圧縮比:10.3
最高出力:253ps(187kW)/6000rpm
最大トルク:350Nm/1700-5000rpm
トランスミッション:8速AT
電気モーター:87ps(65kW)/240Nm
バッテリー:30Ah
充電:普通充電(200V/16A、2.5ー3.0時間)
駆動方式:全輪駆動(エンジン+モーター)
ステアリング:電動パワーステアリング
WLTC燃費:12.3km/ℓ
プラグインレンジ:45.1km(仕様変更後は48.2km)

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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