Mazda3 スカイアクティブ-X マツダ３ 試乗！Mazda3 SKYACTIV-Xはエンジンの未来を切り拓いた！

• 2019/07/15

• MotorFan編集部

  

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電動化だけが正解ではない！ マツダのアプローチにエールを送る

　最高出力は180ps/6000rpm、最大トルクは224Nm/3000rpm。ちなみにスカイアクティブ-G2.0は122ps/6000rpm、213Nm/4000rpm、スカイアクティブ-D1.8は115ps/4000rpm、270Nm/1600-2600rpmだから、まさに両者の中間的なスペックだ。

　トルクは全般的に太く感じられるが、ディーゼルほど低回転からモリモリ感を強調するわけではなく、あくまで自然な感覚。それでもガソリンよりは低回転からグイッとくる力強さがあり、しかも高回転まで伸びやかに回って気持ちいい。

　何よりもうれしいのは太めのトルクが幅広い回転域でレスポンス良くデリバリーされることだ。ドライバビリティが抜群に良くなり、ゆえに走りの一体感が増す。マツダならではの人馬一体を促進するのに持ってこいのエンジンなのだ。

　ATが今どきにしては段数が少なめの6速のため、街中の交差点を曲がったあとの加速などでわずかにトルクが細めの回転域だったりすることもあり、やはり8速ぐらいあればより良くなりそうだと思う場面もあったが、それは今のところないものねだり。まったく新しいエンジンの良さを存分に味わうにはMTのほうが向いている。

　かようにフィーリングは素晴らしく、パフォーマンスも納得のスカイアクティブ-Xだが、燃費はスカイアクティブ-Gより優れているものの差は大きくはなく、スカイアクティブ-Dのほうが上回っている。安くはない車両価格も相まって、電卓を叩きながら検討するとちょっと手が出しづらいというのは事実だ。

　それでも大いに好感が持てて、多くの人に薦めたいと思わせるのは、新世代マツダが目指すナチュラルで一体感の高い走りにピタリとマッチングする特性、そして内燃機関でさらなる上を目指す心意気があるからだ。

　欧州のCO2規制は現在が130g/km、2021年が95g/km、そして2030年は60g/km以下とされているが、2018年の実績は全体で120.5g/km。実はここ2〜3年はディーゼルの販売減少とSUV人気によって増えてしまっているのが現状。

　企業別では、ディーゼル不人気によって漁父の利的にハイブリッドが好調のトヨタがトップで99.9g/100km。マツダはディーゼル不人気の影響が大きくて135.2g/100kmと苦しい状況であり、その他のメーカーも2021年目標さえ難しく、2030年目標は非現実的にも見える。だからこそ電動化が急務と言われているのだが、ルール的にはEV走行時はCO2排出量がゼロ（つまり発電時のCO2はカウントされない）という電動車にかなり有利なもので、それもいかがなものかと思えてしまうのだ。

　内燃機関を磨き上げて本質的なCO2削減を目指しつつ、適宜電動化も取り入れていくビルディングブロック方式をとるマツダの大義もひとつの見識ではあろう。だからこそ孤軍奮闘しているマツダにエールを送りたいのだ。

MAZDA 3 HachBack SKYACTIV-X（with M-Hybrid）※欧州仕様
全長×全幅×全高：4460×1795×1435mm
ホイールベース：2725mm
トレッド（前/後）：1570/1580mm
車両重量：───kg
エンジン形式：直列4気筒DOHCスーパーチャージャー（エアサプライ）
排気量：1998cc
圧縮比：16.3
最高出力：132kw〈180ps〉/6000rpm
最大トルク：224Nm/3000rpm
燃料タンク容量：51L
トランスミッション：6速MT or 6速AT
駆動方式：FF
サスペンション形式（前/後）：マクファーソンストラット/トーションビーム
WLTPモード燃費：17.2km/L（MT）or 15.9km/L（AT）
新NEDCモード燃費：22.2km/L（MT）or 18.9km/L（AT）
タイヤサイズ：215/45R18