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マツダ MAZDA3ファストバック 新型情報|グレード/性能/新車・中古価格
マツダ 3 ファストバックの新型モデル情報を紹介します。マツダ 3 ファストバックの性能・装備や燃費・内装など特徴をまとめて解説。マツダ 3 ファストバック新型モデルのグレード一覧や新車・中古価格をチェックして購入の参考にしてください。
マツダ 3 ファストバック新型モデルの概要
マツダ 3 ファストバックは、ハッチバックボディを纏った同社の中核モデルのひとつ。マツダ 3の系統を遡っていくと、先代はアクセラで、源流は1960年代に誕生したファミリアとなる。どれもマツダを支えてきた主力モデルだ。
2019年のデビュー以来、マツダ 3 ファストバックは、車種追加や特別仕様車の発売、そして6度の改良などを経て、2024年11月には、新機種の「ブラックセレクション」などが登場している(発売は12月)。このページでは、新グレードを含めた最新仕様を中心に、マツダ 3 ファストバックの魅力を見ていこう。
パワーユニットは、1.5と2Lの直4ガソリン(スカイアクティブG)、1.8L直4ディーゼルターボ(スカイアクティブD)、そして、SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を実用化した新世代ユニット(スカイアクティブX)を搭載して登場した。2022年8月(発売は9月下旬以降)には、2LのスカイアクティブGが、マイルドハイブリッド仕様に進化。これによって、スカイアクティブXと合わせてマイルドハイブリッドは2タイプとなった。
特別仕様車を含めた最新モデルのグレード構成は、「スカイアクティブG 1.5」が5タイプ、「e-スカイアクティブG 2.0」が3タイプ、「スカイアクティブD 1.8」が4タイプ、「e-スカイアクティブX 2.0」が1タイプ。
代表的なグレードは、充実した安全装備が備わったコアグレードの「Sパッケージ系」、シートヒーターなどの快適装備を充実させた上質グレードの「ツーリング系」、レトロモダンの世界観をテーマにスポーティーさを融合した特別仕様車の「レトロスポーツエディション」のほか、2024年11月に追加された「ブラックセレクション系」や「iセレクション系」など。
駆動方式は「スカイアクティブG 1.5」がFFのみ、「e-スカイアクティブX 2.0」が4WDのみ、そのほかはFFと4WDを用意。トランスミッションは、全タイプに6速ATを搭載し、「e-スカイアクティブG 2.0」と「e-スカイアクティブX 2.0」には6速MTも設定している。
では、さっそく、マツダ 3 ファストバックの魅力を、最新のラインアップを中心に、デザインや実用性、走行性能などといったポイントごとに、確認していこう。
マツダ 3 ファストバックの外観・内装デザイン
マツダ 3 ファストバックは、「日常が鮮やかに輝くパーソナルカー」をコンセプトにセダンモデルとともにデビューした。まずは、「魂動デザイン」をさらに深化させた外観と、内装デザインの注目ポイントにスポットを当てて、マツダ 3 ファストバックの個性を見ていこう。
外観:シンプルなフォルムによる塊感
「色気のある塊」がテーマ。あえてキャラクターラインを使わず、美しく湾曲させたパネルのみでボディを構成するという新しいデザイン手法を取り入れている。
ヘッドライトは薄型デザイン。リアコンビランプは4灯の丸型ランプとし、立体的なアウターレンズで塊感を強調。また、力強いCピラーの造形でキャビンとボディがひとつの塊となっているような、独創的なリアデザインを創造した。ファストバックの名のとおり、ルーフからテールエンドにかけて傾斜を持たせたスポーティなフォルムも特徴だ。
セダンモデルとの個性を明確にするため、シグネチャーウイングにはスポーティさが際立つダークメタリック調塗装を採用したのも見逃せない。
内装:上質さや美しい仕立てに注目
コックピットは、ステアリングホイールと3眼メーター、左右のエアコンルーバーからなるシンメトリーな構成。同時にそれらがドライバーに正対する造形とすることで、ドライバーとクルマの一体感を向上させている。
インストルメントパネルの水平軸の中に、エアコンのコントロールパネルと助手席側ルーバーを一体化。ステアリングホイールのスポークを従来よりも細くするなど、あくまでシンプルな美しさを突き詰めたデザインが印象的だ。
シフトレバーまわりは、「2層成形シフトパネル」を採用。表層のカラークリア層と基材の黒いメタリック層の2層構造によって、光を受けると奥から模様が浮かび豊かな表情を見せるなど、ディテールまでこだわったデザインだ。
ブラックのレザー内装、ブラックのファブリック内装をラインアップ。さらにファストバック専用色としてバーガンディのレザーインテリアを設定している。
マツダ 3 ファストバックのサイズ・室内スペース
マツダ 3 ファストバックは、同社にとって幅広い層のユーザーに向けたモデル。5ドアハッチの実用的なボディスタイルを持ち、オールマイティに使えるモデルであることはイメージできるが、実際のサイズは取り回しに関係するだけに注目したいポイントだ。また、快適性や使い勝手を左右する室内スペースと、収納についてもチェックしていこう。
ボディサイズ:実用性とスタイリングを両立
全長4460㎜×全幅1795㎜×全高1440㎜のボディサイズを持つ3ナンバーモデル。全長と全幅をコンパクトカーのマツダ 2に比較すると380mm長く100mm幅広で、ひとまわり以上、マツダ 3 ファストバックが大きい。
他社のモデルと比較すると、カローラスポーツより85mm長く、伸びやかなスタイリングを持つことが分かる。シビックとの比較をしてみると、100mm短いので、シビックよりも扱いやすそうだ。
最小回転半径はシビックの5.7m、カローラスポーツの5.3mに対して、マツダ 3 ファストバック5.3mだから、シビックよりも数値が小さく、カローラスポーツの同じ数値に収めている。実用的な取り回し性能を、マツダ 3 ファストバックは獲得している。
室内スペース:心地よさと歓びをさらなる高次元へ
どんなシーンでも乗る人すべてに、クルマの楽しさと、心地よさに包まれる歓びを提供。乗る人の不快感をなくすことを目指し、タイヤからサスペンションそしてボディを通じて伝わる突き上げを滑らかに減衰させて、騒音や振動を減少させた。音の大きさだけでなく、伝わる時間や到来方向までもコントロールすることで、不快に感じない優れた静粛性も実現している。
ドライバーへの配慮もまたマツダらしい魅力で、シート構造やペダルレイアウト、そして調節機構も重視。ステアリングのテレスコピック量を従来より前後10mmずつ拡大するなど、思い通りに操作でき、運転に集中できるコックピットをつくり上げている。ステアリングからの持ち替えのしやすさとシフト操作のしやすさを追求し、シフト位置を決定しているが、そのためにカップホルダーをシフトレバーの前方へ配置している。
MTのシフトノブは、上面と左右の面をやや平らな形状にデザイン。しっかりとした節度感を持ち、操作時に次のポジションに吸い込まれていくかのような滑らかなフィーリングも手に入れている。
収納スペース:フロントコンソールは実用的
フロントカップホルダー(2つ)、ボトルホルダー付きドアポケット(前後、両側)、シートバックポケット(助手席)、オーバーヘッドライトサングラスホルダーを設置。
カップホルダーをシフトレバーの前に配置したことで、フロントコンソールのセンターアームレストの長さを先代モデル比で約2倍に延長。コンソール内は深さもある。ちなみにカップホルダーの前方はトレー状になっている。リアシートにもセンターアームレストを備え、そこに後席用カップホルダー(2つ)を設けている。
ラゲッジスペースは、荷室長840mm(後席使用時)、荷室幅1100mm、荷室高710mmで、リアゲートに傾斜はあるものの、実用をこなすスペースを確保。もちろん、リアシートは分割可倒式だ(6対4)。床下にサブトランクボックスも設置する。
マツダ 3 ファストバックの性能・燃費・装備
高い基本性能と、市街地などでの扱いやすさを両立させたマツダ 3 ファストバック。その走りの性能を引き上げるための進化や、ランニングコストに関連する燃費など、気になるポイントをチェックしていこう。合わせて、安全性能や、装備・機能についても見ていこう。
走行性能:進化を重ねるパワーユニット
デビュー当初のラインアップでは、1.5Lガソリン「スカイアクティブG 1.5」、2Lガソリン「スカイアクティブG 2.0」、1.8Lディーゼルターボ「スカイアクティブD 1.8」、そして、SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用し、モーターも組み合わせる新世代ユニット「e-スカイアクティブX 2.0」を搭載。
このうち、ディーゼルの「スカイアクティブD 1.8」は2020年11月(発売は2021年1月)の改良で出力アップとともに、幅広いシーンにおいてトルクフルな走りを強化。また、同タイミングで「e-スカイアクティブX 2.0」のSPCCIの燃焼制御を最適化し、最高出力と最大トルクもアップさせるなど進化させてきた。また、2022年8月(発売は9月下旬以降)の改良で、2Lガソリンがマイルドハイブリッド化して「e-スカイアクティブG 2.0」にレベルアップしている。
また、2021年10月(発売は11月下旬)の改良もまた走りの質感を高めるもので、まずは、吸排気エンジンサウンドの進化がある。吸気口やサイレンサーに手を加え、加速時のエンジンサウンドを強調。シフトアップごとに変速タイミングとサウンドの変化をシンクロさせて、リズムよく変速する気持ちよさを追求している。加えて、ATモデルでは、アクセルペダルの反力を上げ、操作感を明瞭にすることでクルマとの一体感を高める改良を行った。
新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」を採用。そのほか、G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)も全車に採用する。4WDモデルには、前後輪へのトルク配分を自動的に最適化する先進のAWDシステム(i-ACTIV AWD)を搭載した。
安全性能:改良でCTSの上限速度を拡大
最適なドライビング姿勢の構築のほか、Aピラーの細さや形状を最適化することで斜め前方視界の死角低減。ワイパーの払拭性能を高めるため、作動速度のコントロールを緻密に造り込むなど、安全・安心のコックピットづくりに根底から尽力している。
車内センターディスプレイ脇に設置した赤外線カメラによる「ドライバー・モニタリング」(メーカーセットオプション設定)、高速道路や自動車専用道路の渋滞時に運転疲労の軽減をサポートする「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」(上級モデルに標準装備)、「前側方接近車両検知(FCTA)」(一部グレードを除き標準)などを新たに設定してデビューしている。
2020年11月(発売は2021年1月)の改良では、クルージング&トラフィック・サポートの作動上限速度を高速域まで拡大。2023年4月(発売は6月上旬)には、AT誤発進抑制制御[前進時/後退時]を、従来の「車・壁などの障害物」に加えて「歩行者(前方)」も検知対象に。また、ドライバー・モニタリングに「わき見警報機能」を追加した。
燃費性能:SPCCI採用ユニットは16.7〜17.7km/L
最新モデルの燃費データを紹介すると、「スカイアクティブG 1.5」は圧縮比13.0の仕様で、WLTCモード燃費は、16.6km/Lを達成。6ATのみの設定だが、当初ラインアップしていた6MTでは17.8km/Lの性能を持っていた。
マイルドハイブリッド(Mハイブリッド)を採用する「e-スカイアクティブG 2.0」は、WLTCモード燃費は、6MTが17.5km/L、6ATが16.4km/L(4WDは15.8km/L)。デビュー時に搭載していた非ハイブリッドの「スカイアクティブG 2.0」では15.6km/Lだ(FF、AT)。
ディーゼルエンジンの実用燃費を追求した「スカイアクティブD 1.8」は、FFが21.2km/L、4WDが20.0km/L。デビュー時の仕様と比較して1.4km/L(FF)向上している。
SPCCI採用の「e-スカイアクティブX 2.0」は、6MTが17.7km/L、6ATが16.7km/LのWLTCモード燃費を持つ。4WDのみの設定で、「e-スカイアクティブG 2.0」の4WDと比較して、0.9km/Lの好燃費だ。
装備・機能:10.25インチのモニターを上級グレードに
最新モデルの装備内容は、ステアリングオーディオスイッチ、コマンダーコントロール、バックガイドモニター、インパネの合成皮革の表皮、ドアミラーのオート格納機能などは、廉価版の15Cにも標準装備。エアコンは15Cではマニュアルだが、その他の全車でオートタイプを装備する。センターディスプレイは、ロアグレードが8.8インチ、上級グレードは10.25インチ。8スピーカーのマツダハーモニックアコースティックスのオーディオは15Cにも装備し、一部の上級グレードではBOSEサウンドシステム(12スピーカー)を標準で備える。
運転席パワーシート、運転席&助手席シートヒーター、ステアリングヒーター、360度ビューモニター、アルミホイールなどは上級モデルに装備した。
シートは、15Sの「レザーツーリングセレクション」がブラックもしくはレッドのスムースレザー。合成皮革(テラコッタ)+レガーヌ(ブラック)のコンビシートは、特別仕様車の「レトロスポーツエディション」に標準装備している。
マツダ 3 ファストバックおすすめポイント要約
車種追加や特別仕様車の設定なども実施してきたマツダ 3 ファストバック。2024年11月に追加された「ブラックセレクション」、「iセレクション」、「レザーツーリングセレクション」は、装備が充実していたり内外装に特別な仕立てを施していたりと内容は異なるものの、注目したいグレードだ。また、レトロモダンのムードが魅力の「レトロスポーツエディション」も見逃せない存在だろう。
1.5Lの6MTモデルは、現在、ラインアップにないため、中古車でチェックしたい。そのほか、中古車では、100周年特別記念車や、ブラックトーンエディションなども検討してみると、多くの候補から気になる1台をチョイスできそうだ。
なお、2020年11月(発売は2021年1月)の改良でディーゼルの「スカイアクティブD 1.8」がリファインを受けたが、以前のモデルについてエンジンの制御プログラムを更新する「マツダ スピリット アップグレード D1.1」を導入(2021年9月)。最高出力が116ps/4000rpmから最新仕様の130ps/4000rpmにアップ(+14ps)でき、ディーゼルエンジンの強みであるパワフルな加速を持続的に発揮する仕様にアップデートできるものだ。