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日本一早い燃費計測! MAZDA3(マツダ3)SKYACTIV-Xの実燃費をガソリンやディーゼルと比べてみた〈試乗インプレッション〉

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いよいよマツダ3のスカイアクティブ-X搭載車に日本の道で試乗できることになった。果たしてSPCCI(火花点火制御圧縮着火)とはどんな走りをもたらすのか? 既存のガソリンやディーゼルと比べたらどうなのか? そして限られた試乗時間ながら、燃費も計測したので報告したい。

REPORT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)

意外なほど痛快な加速フィールとサウンド

 まず試乗する前に、マツダが開発した新技術「スカイアクティブーX」の概要をおさらいしておこう。

 スカイアクティブXとは、SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を世界で初めて実用化したエンジンで、簡単に言えばガソリンとディーゼルのイイトコ取りのようなものだ。通常のガソリンエンジンよりも燃料の薄い混合気を圧縮させ、スパークプラグによって膨張火球炎を作り、シリンダー内の混合気をさらに圧縮する。そして混合気が同時多発的に急激に燃焼する。スパークプラグで火球をつくる点はガソリンエンジンと共通で、同時多発的に素速く燃焼する点はディーゼルエンジンと共通だ。

 一般論として、火花点火は、伸びやかな加速や、排気ガスの浄化性に優れる。一方で圧縮着火のほうはより力強く、長くピストンを押し下げる。ディーゼルがトルクに優るのはこのためで、初期レスポンスや燃費もディーゼルに優位性がある。

 そんな両者の長所を両立させた革命的なエンジン……というのがスカイアクティブ-Xの謳い文句なのである。

 では実際にエンジンを掛けてみよう。アイドリング音は極めて静か……というか、一般的なガソリンエンジンと変わらない。少なくともディーゼルのようなガラガラ音は聞こえてこない。

 主にこれは、スカイアクティブ-Xのエンジンがカプセル状にカバーで覆われていることの恩恵だ。

 カプセル化の主たる目的はエンジンの保温対策だ。コールドスタート時はエンジンを暖めるために燃料を多く使うため、再始動時などの燃費にカプセル化は効くというわけだ。

 それが結果的に吸音効果ももたらしたというわけだ。

 走らせてみると、結構な快音を歌い上げることに驚いた。シフトチェンジ時の歯切れもよく、無駄なシフトチェンジを繰り返してしまう。

 そして、マイルドハイブリッドのアシストもあって発進時に背中を押されるような力強さを感じるにもかかわらず、高回転まで伸びやかに吹け上がるのも驚きだ。もう少し排気量の大きな自然吸気ユニットのような素直な加速感なのである。少なくともディーゼルとはまったく異なる加速フィールとサウンドだ。

「実はディーゼルに似たカリカリという音が発生しているのですが、カプセル化によって『聞かせたい音』だけを際立たせることができました」とは開発者の弁だ。

 だが、そういった官能的な部分には掛けられるコストも限られるのではないか?

「もちろん、気持ちのいいサウンドだけが目的であれば、これだけのことはできなかったかと思いますが、カプセル化の第一の目的は環境性能ですので予算も得やすく、それに乗じて(笑)徹底的に音質のチューニングもやってしまいました」

 マツダ3スカイアクティブ-Xには、ほかにも徹底した官能性の追求が見られ、とりわけ6速MTについては「そこまでやるか?」と言いたくなるような仕掛けが満載なのだが、それについてはまた改めてお伝えすることにしよう。

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 そして、先ほど「マイルドハイブリッドのアシストによる力強さ」と書いたが、開発者によれば、ガソリンエンジンと比較した場合の加速の力強さにもたらす貢献度は、モーターアシストが1割ほどで、スカイアクティブ-Xそのものが持つ低速トルクの太さが9割だという。

 それでは次ページでは、実際に計測した燃費をガソリンやディーゼルと比べてみよう。

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