【世界初試乗】マツダCX-30には大ヒットの予感しかない!|SUVレビュー
- 2019/07/15
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MotorFan編集部
180km/h巡航でも普通に会話できてしまう
それが最も高まったのはアウトバーンを疾走したときだ。80〜100km/h制限の工事区間と速度無制限区間が入り交じり、様々なタイプの荒れ方をした路面がコロコロと入れ替わるトリッキーな状況だったが、CX-30の乗り味は常に乗員に優しい。良路からザラザラ路面に乗り変わるとガー音ゴー音が一気に高まり、NVHがダメなクルマだと思わず顔をしかめてしまうほど不快になるが、CX-30は音量が低いうえにノイズの変化幅が少ないのでまったく耳障りではないのだ。
180km/h程度まで速度を上げても、声を張らずに普通に会話できてしまうほど静か。とくに地上高の高さが効いてロードノイズの低さは特筆モノだが、風切り音やエンジン音などとのバランスもいい。静粛性の高いクルマは、そのバランスが悪いと、一部のノイズが目立ってかえって気になるということもありがちだが、そんな心配はいらない。絶対的な静かさだけではなく、聞こえ方にも気を配って開発されているのだろう。
超高速域で快適なのは音関係だけではない。シャシー性能も見事でリラックスして運転できた。こういった状況ではステアリングのセンターのわかりやすさ、微舵による修正のしやすさなどが問われるが、CX-30は良く出来たドイツ車のようにビシッとしているわけではないものの、自然と直進性を保っていける素直なフィーリングだった。
シャシーやパワーステアリングの性能だけではなく、骨盤立てによってドライバーの能力を引き出すことなどが相まって、無意識のうちに上手に運転できているのだ。
路面から入力を受けると、Mazda3よりは大きく重い分、上下動も出がちになるが、これもまた自然な感覚で、無理にボディを落ち着かせようというそぶりもみせずにいつの間にやらスッと収束している。
どこにも硬さらしきものがないのに、芯がしっかりしていて超高速域でも乗員をリラックスさせられる。そんな雰囲気だ。どうしてこういう妙味のある動きになっているのか不思議だったが、エンジニアは前後の動き方が揃っているからだと教えてくれた。
例えば先代Mazda3(アクセラ)も性能としては優れていたが、前マクファーソンストラット、後マルチリンクの特性違いが感じられることがあるのに対して、あえて後トーションビームとした新型Mazda3およびCX-30は前後が同じように動くので、大きな入力で上下動したとしてもピッチング方向にズレがなく、快適で安心感があるのだという。
Mazda3に比べると、低速域で大きな凹凸を乗り越えていくとタイヤの大きさや重さを意識させられることもあるのだが、それでも不快さが抑え込まれているのはそういった特性のおかげもあるのだろう。
コーナーでも、無理にサスペンションが突っ張ることなくスルスルと素直にストロークしていきつつも、不安になるほどにはロールしない感覚で実に走りやすかった。新世代マツダの美点は、目を三角にしてぶっ飛ばしたときの楽しさだけではなく、どんな速度域でも身体に馴染む素直な感覚ゆえの人馬一体感であることを確信した。
Mazda3に比べるとCX-30は動きが少しづつ穏やかになるが、その動きのリズムがなんだか心地良くて心がホッとする。
新世代スカイアクティブ・ヴィークル・アーキテクチャーの旨味はMazda3のほうが濃厚だが、日常をともにする相棒としてはCX-30のほうが癒やし系で飽きがこないかもしれない。これはやはり、ヒットの予感が大なのだ。
MAZDA CX-30 SKYACTIV-G 2.0(with M-Hybrid)※欧州仕様
全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
ホイールベース:2655mm
トレッド(前/後):1565/1565mm
車両重量:───kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
排気量:1998cc
圧縮比:13.0
最高出力:90kw〈121ps〉/6000rpm
最大トルク:213Nm/4000rpm
燃料タンク容量:51L
トランスミッション:6速MT or 6速AT
駆動方式:FF
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
WLTPモード燃費:16.1km/L(MT)or 15.2km/L(AT)
新NEDCモード燃費:19.6km/L(MT)or 18.2km/L(AT)
タイヤサイズ:215/55R18
MAZDA CX-30 SKYACTIV-D 1.8 ※欧州仕様
全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
ホイールベース:2655mm
トレッド(前/後):1565/1565mm
車両重量:───kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量:1759cc
圧縮比:14.8
最高出力:85kw〈114ps〉/4000rpm
最大トルク:270Nm/1600-2600rpm
燃料タンク容量:51L
トランスミッション:6速MT or 6速AT
駆動方式:FF
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
WLTPモード燃費:19.6km/L(MT)or 16.7km/L(AT)
新NEDCモード燃費:22.7km/L(MT)or 20.0km/L(AT)
タイヤサイズ:215/55R18
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