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ホンダ・クラリティPHEVをフォルクスワーゲン・パサートGTE ヴァリアント、トヨタ・プリウスPHV、三菱アウトラウンダーPHEVと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/08/09
  • ニューモデル速報
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唯一のSUV型PHEVアウトランダーの実力は?

 ライバル車として対決させるにはかなり毛色が違うことを承知で引き出したアウトランダーPHEVは、日本車では数少ない、というか唯一のSUVのPHEVである。後輪もモーターで駆動する4WDであることも他車とは異なる。リチウムイオン電池の電力量はプリウスやパサートよりも大きく12.0kWh、電動走行距離は60.8㎞である。

 昨年2月に行なわれたマイナーチェンジの際に追加された最上級グレード「Sエディション」はビルシュタイン製ダンパーや専用レザーシートなどを装備し、価格は478万9000円。エンジン始動を抑える「EVプライオリティモード」の追加や急速充電に要する時間を短縮(80%まで約30分→25分)したりといった改良が加えられた。

 実はすでに2.4ℓに拡大されたエンジンとより強力なモーターを組み合わせたバージョンアップ版が18年のジュネーブショーでお披露目されているが、今回の試乗車は従来のものとお断りしておく。ちなみに100V/200Vの普通充電に要する時間はそれぞれ約13時間/4時間だ。

 アウトランダーPHEVのパワートレーンは、87kW(118㎰)/4500rpmと186Nm(19.0㎏m)/4500rpmを生み出す2.0ℓ4気筒エンジンに前後2基(ともに82㎰)のモーターを組み合わせたもの。変速機は備わらず、ステアリングに付くパドルも実は回生ブレーキの強弱を切り換えるスイッチだ。

 それゆえアウトランダーPHEVはレンジエクステンダー付きEVに近いと言える。JC08モードでのハイブリッド燃費は19.2㎞/ℓ。他社のモーターを後輪駆動に使ういわゆる「e-4WD」は、雪の坂道発進などエマージェンシー用がほとんどだが、アウトランダーは後輪を駆動するモーターを積極的に利用するのが特徴で、1.9tもあるSUVとは思えないほど身軽にグイグイ走る。四輪の駆動力を適切に制御する三菱自慢のS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)の効果だろう。

 もっとも、設計年次が古い(プラットフォームは2005年デビューの初代の改良版)ことは隠しようがなく、乗り心地はややバタつくし、ドライバーズシートに座るとAピラーやウインドシールドの角度、四角い居住空間、高く立ち気味のダッシュボードの形状など、全体的に懐かしいというか古臭い雰囲気は否めない。それゆえにルーミーで扱いやすいと感じる人もいるだろうが、クラリティや欧州製とはだいぶ方向性が違う。

三菱アウトラウンダーPHEV Sエディション

前後のタイヤを別々のモーターで駆動することで、三菱が誇る車両運動統合制御システム「S-AWC」を電動で実現。現行モデルは2012年デビューとなるが、数年ごとにボディ剛性の向上やサスペンションのチューニング変更など、きめ細かな改良を続け、その商品力を維持している。

モーター+直列4気筒DOHC/1998㏄ 
モーター最高出力:82㎰/82㎰(エンジン:118㎰/4500rpm) 
モーター最大トルク:14.0㎏m/19.9㎏m(エンジン:19.0㎏m/4500rpm) 
ハイブリッドJC08モード燃費:19.2㎞/ℓ 
車両本体価格:478万9000円

燃費性能だけではないプラグインHVの魅力とは

 先行試乗会で配られた資料には、アコードPHEVに比べてクラリティPHEVのEV出力が3.3倍で、バッテリーエネルギーの使用容量も4倍に大幅に向上したという威勢のいいデータが並んでいた。だが、ホンダの環境対応車として専用設計されたクラリティと比べてはアコードがちょっと可哀想というか、クラリティPHEVにとっても不本意ではないだろうか。

 2モーター+1クラッチの「スポーツハイブリッドi-MMD」システムをベースにしたPHEVということは基本的に同じだが、何よりアコードPHEVは結局法人向けのリース販売に留まり、およそ3年間で300台弱しか売れずにいつの間にか姿を消してしまっている。それに対してクラリティPHEVは契約条件に縛られない、れっきとした市販モデルである。一般ユーザーが普通に買えるということだけで、ホンダの自信が伺えるのである。

 コンベンショナルな内燃エンジン車との価格差を燃料代の違いで取り戻すのがほぼ不可能であることはもう皆さんご存知だろう。先進性とともに上質でユニークであるからこそ、人は電気自動車やPHEVを選ぶのであって、経済性だけで選択できるレベル(コスト)にはまだ達していない。その価格を納得してもらうためには、維持コストだけでなくプラスアルファの魅力が必要である。

 例えばテスラが巧妙に先進性をアピールしているのはそれを重々承知しているからだ。その点、電動パワートレーン専用モデルのクラリティは独自性を主張できるし、今のホンダ車で一番滑らかでスムーズで静かと言っていい。テスラに対抗してホンダを応援したい人には、ちょっとお高いが間違いのない買い物である。

モーターファン別冊・ニューモデル速報 ニューモデル速報 Vol.573 ホンダ クラリティPHEVのすべて

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