日産スカイラインのプロパイロット2.0は、エース級のテストドライバー並のドライブを味あわせてくれる 日産スカイライン+プロパイロット2.0:ハンズオフは付加価値。本質はプロ級のスムーズな運転制御技術
- 2019/09/21
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世良耕太

ハンズオフ(ハンドルから手を離す)を実現した先進運転支援技術プロパイロット2.0を搭載する新型日産スカイラインハイブリッド。試乗で感じたのは、ハンズオフそのものよりも、加減速も含めた車両制御技術の洗練だった。ジャーナリスト世良耕太がプロパイロット2.0を試した。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
印象深いのは前走車がいなくなったときの再加速
2019年7月16日に発表され、9月から発売が始まったスカイラインは、世界初の先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」を搭載しているのが、最大のセールスポイントだ。
セレナやリーフ、デイズなどが搭載しているプロパイロットは、高速道路の同一車線内でアクセル、ブレーキ、ハンドルの制御を自動で行なってくれる。機能がオンになっているとき、ハンドルから手を離すことは許されない。一定時間ハンドルから手を離すと、警告が発せられ、最終的には機能がオフになる。
プロパイロット 2.0はナビで目的地を設定していることが前提で、条件が揃えばハンドルから手を離す「ハンズオフ」が可能になる。この際、ドライバーは前方に視線を向けている必要があり、よそ見している時間が長いと、警告が発せられ、最終的にハンズオフの機能はオフになる。「ドライバーモニターシステム」と呼ぶ赤外線カメラで、ドライバーの様子を監視しているのだ。






プロパイロットとプロパイロット 2.0の相違は、後者が3D高精度地図データを利用し、360度センシングを行なっていることだ。これが、洗練された動きの土台になっている。例えば、従来のシステムでは高速道路で同一車線内の加減速と操舵をシステム任せにしているとき、こんな困ったシチュエーションに遭遇することがあった。
走行車線を走っていて前走車に追従走行していた際、前走車が車線変更していなくなって前ががら空きになった。そのときの車速は70km/h。設定車速は100km/hだったので、前走車がいなくなった途端、加速を始める。ところが、なかなか強烈な加速のため、右側レーンを走る車列を左レーン側から追い越す格好になってしまい、ばつの悪い思いをした──。
プロパイロット 2.0なら、そんなばつの悪い思いをしないで済む。360度センシングによって、周囲の状況を把握できているからだ。開発を通じてプロパイロット 2.0を10万キロ以上乗り込んだというエンジニア氏は次のように説明した。



「自車レーンだけでなく、隣のレーンまで把握しているので、右側レーンにいるクルマを抜いて加速するようなことはしません。加速を抑制します。それに、右側レーンを走っているときと、左側レーンを走っているときでは、ドライバーの意志の違いを考慮し、加速を変えています。そもそも、前走車がいなくなったときの再加速は、中間加速なのでそんなに要りません。一方で、ETCゲートを通過した際は、ある程度加速したいというドライバーの心理を尊重した加速にしています」
洗練された動きと感じた理由のひとつが、前走車がいなくなったときの再加速だ。「かなり気にしながらいろんなシーンを作っています」と、くだんのエンジニア氏は説明を続けた。
「先進運転支援技術が働いているとまわりに思われないよう、交通環境に溶け込むことをコンセプトに開発しています。それも、日本市場のなかで。こういうシーンではこう動くのが自然だよねと、議論しながら設定を決めています」
ACC(車速追従型オートクルーズ)付きのクルマに乗っていると、自分のクルマが頻繁にブレーキをかけて、後ろのクルマに迷惑をかけているのでは、と思うことがある。スカイラインならその心配は要らない。プロパイロット 2.0を搭載するスカイラインはハイブリッドで、50kW/290Nmのモーターを搭載している。
「周囲のクルマと協調させることを最重視していますので、減速時は比較的早い段階で(エンジンを停止させて)トルクオフして、モーターの回生で緩やかに減速させたりもしています。前後の動きともに、かなり成長していると思います」
メーターには自車と周囲の状況がグラフィックで表示され、自車のブレーキが点灯するとグラフィックの変化でわかる。ハンズオフ時も含めACCを機能させているとき、自車のブレーキ点灯がわかるのは安心感につながる。
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