日産スカイラインGT-R(1969)峠の番長は決まった!【週刊モーターファン ・アーカイブ】
- 2021/04/29
-
MotorFan編集部
日本の名車は何かと問われた時、多くの人がスカイラインGT-Rを思い浮かべると思う。レーシングマシン「R380」のエンジンを移植したスパルタンな高性能車であった。
週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。
解説●渡辺 陽一郎(60年代国産車のすべて より 2012年刊)
スカイラインは国産GTカーの草分け的な存在。2代目は63年に登場し、64年には直列6気筒エンジンを搭載するロングノーズボディの2000GTを加えた。68年には3代目に発展。66年にスカイラインを生み出したプリンス自動車が日産と合併したのを受け、2000GTが搭載する直列6気筒エンジンも日産製のL型になった。
ここまでは一般的な流れだが、69年に際立ったスポーツモデルが加わる。それがスカイラインGT-Rだ。搭載されたS20型エンジンは、プリンス自動車の手掛けたレーシングマシン「R380」用に開発され、市販車向けに変更を施したタイプ。「レーシングマシンのエンジンを積んでいる」というだけで、クルマ好きの関心度は一気に高まった。
直列6気筒の2ℓDOHCは、性能をさらに高める4バルプのヘッドを持ち、キャブレターは三国製の3連装。最高出力は160ps(7000rpm)、最大トルクは18kgm(5600rpm)を誇る。この時点のスカイライン2000GTのエンジン性能は、120ps/17kgmだったから、最高出力は実に40psの上乗せだった。
そのほかのメカニズムも充実しており、トランスミッションはポルシェタイプの5速フルシンクロ。LSD(リミテッド・スリップ・デフ)を備え、フロントブレーキはディスクタイプになる。サスペンションはベースの2000GTと同じくフロント側がストラット、リヤ側がセミトレーリングアームの4輪独立懸架だが、専用のチューニングを受けた。
内装ではウッドのステアリングホイール、バケットタイプのシートが目を引く。その一方で快適装備は徹底的に省き、ヒーターや時計もオプション設定だ。凝った機能を採用しながら、車両重量はベースの2000GTと30kgしか違わない。わずか1120kgに抑えられ、硬派なスポーッセダンに仕上げた。
外観は高性能車では地味な仕上がり。ただし14インチタイヤを収めるためにホイールハウスは拡大され、リヤフェンダー部分の「サーフィンライン」と呼ばれる造形は途中でカットされている。一見すると普通のスカイラインセダンだが、高性能車のオーラは存分に放たれていた。
「羊の皮を被った狼」は、2代目スカイライン2000GTで用いられたフレーズだが、GT-Rにこそ相応しいように思う。
SPECIFICATIONS(Skyline GT-R 1969)
〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:4395×1610×1385mm
ホイールベース:2640mm
トレッド前/後:1370/1365mm
車両重量:1120kg
乗車定員:5人
〈エンジン〉
S20型 直列6気筒DOHC
ボア×ストローク:82.0×62.8mm
総排気量:1989cc
圧縮比:9.5
最高出力:160ps/7000rpm
最大トルク:18.0kgm/5600rpm
燃料供給装置:ソレックスN40PHH 3装
〈トランスミッション〉
5MT
〈駆動方式〉
RWD
〈ステアリング型式〉
ボールナット式
〈サスペンション〉
前・ストラット式、後・セミトレーニングアーム式
〈ブレーキ〉
前・ティスク、後・リ ーディングトレーリング式ドラム
〈タイヤサイズ〉
6.45(Hタイプ)-14-4PR
〈価格・当時〉
150.0万円(東海道地域店頭渡し)
2代目スカイラインに追加された2000GT
プリンスでは初代スカイラインを上級モデルに位置づけていたが、車種拡大で上級位置をグロリアに譲った。そのため2代目は小型化され、1.5ℓ4気筒エンジンを搭載。しかしレース参戦を踏まえ直6エンジンが搭載できるように、ロングノーズ化が図られたのが2000GT。このときからスカGは直6、といった暗黙の認識ができていった。ちなみに80年代、R30に搭載されたディーゼルエンジンも6気筒であったためにGTを名乗っていた。
モーターファン別冊 その他のシリーズ 60年代国産車のすべて
「00年代国産車のすべて」「90年代国産車のすべて」「80年代国産車のすべて」「70年代国産車のすべて」と10年刻みで製作してきた雑誌ですが、いよいよ60年代版の刊行です。60年代とは日本車がオリジナルに目覚めた時代といってもいいでしょう。トヨタ2000GTを頂点として、いすゞ117クーペや日産スカイラインGT-R、日野コンテッサ、日産ブルーバード410,510そして2代目、3代目コロナと、様々な名が生まれたのも60年代です。これらのクルマを60年代のモーターファン誌の写真と記事をベースとして紹介しています。知らなかった事実に出会えるかもしれません。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
日産 スカイライン
3.0 400R 当社社用車UP D0338 1オーナー Dレコ LEDヘッドランプ 車線逸脱警...
中古価格 498.6万円
日産 スカイライン
3.0 GT タイプP /本革シート/AVM/踏み間違い防止 衝突被害軽減ブレーキ LEDヘッド...
中古価格 294.5万円
日産 スカイライン
ハイブリッド GT タイプP 1オーナー/禁煙/BOSEサウンド/プロパイロット/レーンキープ/...
中古価格 268万円
日産 スカイライン
GT タイプP 禁煙 本革シ-ト 後側方検知 誤発進抑制 純正ナビ Bluetooth USB接...
中古価格 329.3万円
日産 スカイライン
GT タイプP 衝突被害軽減ブレーキ LEDヘッドライト クルコン Bカメラ ワンオーナー イン...
中古価格 346.8万円
日産 スカイライン
200GT-tタイプSP 禁煙車 サンルーフ 全周囲カメラ レーダークルーズ クリアランスソナー...
中古価格 215万円