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ダットサン・フェアレディ(1962)日本初の本格的スポーツカー【週刊モーターファン ・アーカイブ】

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日本で最初の量販スポーツカーが2代目フェアレディ。オープンボディを持ち、いかにもスポーツカーらしい外観に仕上げていた。エンジンも着実にパワーアップされている。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

解説●渡辺 陽一郎(60年代国産車のすべて より 2012年刊)

1967年3月に追加された2000ccモデルで、デタッチャブルトップを装着した状態。0-400m加速は、15.4秒をマーク。2ヶ月後に登場したトヨタ2000GTが15.9秒となった。どちらもこの当時としては驚異的に速いが、スペックを予測済みだった日産がトヨタをけん制した形になった。

初代フェアレディは、59年に登場したダットサンスポーツ1000の左ハンドル仕様が起源。従って日本のユーザーが最初に親しんだフェアレディは、62年に登場した2代目ともいえる。

シャシーは59年に登場した初代ブルーバードと共通で、2280mmのホイールベースも等しい。それでも下まわりのフレームはXメンバーで補強され、スポーツカーの走りに対応した。サスペンションはフロント側がダプルウイッシュポーン、リヤ側はリーフリジッドとオーソドックスなタイプになる。ボディはキャンバストップを備えたフルオープン。全長は3910mm、全幅は1490mmだから、初代ブルーバードと同程度の大きさだ。

1965年の1600ccとなったモデルのインテリア。メーターパネルの細かな目盛りが精緻なイメージを強調する。ラジオ、空調なども装備する。

車内レイアウトは実にユニーク。セパレートタイプのフロントシートの後部に、横向きに座る1人用のリヤシートを備えた。前向きに座ると足元空間を確保できないが、1人に限定して横向きに座れば空間効率が高い。乗車定員も3名であった。

インパネには180km/hまで目盛られたスピードメーター、6000rpmまでのタコメーターが装着され、ステアリングホイールは3本スポーク。スポーツカーらしい雰囲気を濃厚に漂わせていた。

エンジンは初代セドリックに用いられた直列4気筒1.5ℓOHV。SUシングルキャプレターを装着し、最高出力は71ps(5000rpm)、最大トルクは11.5kgm (3200rpm) であった。

1965年6月16日撮影の1600ccエンジン。やや重量のかさむ吸気側のキャブレターとバランスを取るべく、右側にバッテリーを配置。重量物をできるだけ後方にレイアウトしている。

63年にはマイナーチェンジ。SUツインキャプレターに変更し、最高出力を80ps(5600rpm)、最大トルクを12kgm(4000rpm)まで高める。65年にはシルビアと同タイプの1.6ℓを搭載。SUツインキャブレターも備わり、最高出力は90ps(6000rpm)、最大トルクは13.5kgm(4000rpm)になった。

ここまでの流れは穏当だが、67年に追加されたフェアレディ2000には驚いた。直列4気筒の2ℓシングルカムにソレックスツインキャブレターを装着。最高出力を145ps(6000rpm)、最大トルクを18kgm (4800rpm) に高めたからだ。ポルシェタイプの5速MTも備え、メーカー公表の最高速度は205km/h。停止状態から400mまでの発進加速は15.4秒になる。登場して5年後の最高出力は、発売時点の2倍以上。この時代の技術進歩とパワーアップには、すさまじい勢いがあった。

SPECIFICATIONS:Fairlady 1500 (1962)

〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:3910×1495×1275mm
ホイールベース:2280mm
トレッド前/後:1300/1300mm
車両重量:870kg
乗車定員:3人
〈エンジン〉
直列4気筒OHV
ボア×ストローク:80.0×74.0mm
総排気量:1488
圧縮比:8.0
最高出力:71ps/5000rpm
最大トルク:11.5kgm/3200rpm
燃料供給装置:SUタイプ
〈トランスミッション〉
4MT
〈駆動方式〉
RWD
〈ステアリング型式〉
ラック&ピニオン式
〈サスペンション〉
前・ダブルウイッシュボーン式、後・リジッド
〈ブレーキ〉
前・2リーディング式ドラム、後・リーディングトレーリング式ドラム
〈タイヤサイズ〉
5.60-13-4P
〈最高速度〉
150km/h
85.0万円

初代フェアレディ

戦後の国産スポーツカーの歴史は52年に登場したダットサンDC-3に始まり、59年にはダットサンスポーツヘ発展した。シャシーは戦後型のダットサンと共通。直列4気筒OHVの1ℓエンジンは、最裔出力が34ps (4400rpm)、最大トルクが6.6kgm (2400rpm)だ。サスペンションは前後ともにリーフリジッドであった。

このモデルの輸出仕様が初代フェアレディ。排気量を1.2ℓに拡大し、48psの最高出力と8.4kgmの最大トルクを得ていた。

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