日産・新型スカイライン 400R :手なずける醍醐味。これぞスポーツセダンだ! 伝説のスカG『箱スカ』復活! 日産・新型スカイライン 400R 試乗 400psのスペックだけではなく、走りもホンモノか?
- 2019/10/31
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MotorFan編集部
かつて、子どもたちの憧れであったFRと大パワーの組み合わせであるスポーツカーは、モーターショーなどでは人垣のできる大人気モデルだった。しかしいまどきそんな乱暴な方程式は通用しないのか、走って愉しいスポーツモデルは減少の一途をたどっている。だが、時代に逆行するかのように、古き良き時代のスポーツカーが復活した。日産・新型スカイラインだ。ラインモデルとしては初導入となったスポーツモデル、400Rに自動車評論家の瀨在仁志が試乗した。
TEXT:瀨在仁志(SEZAI Hitoshi) PHOTO:MF.jp
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いまのクルマは魅力的なのか
東京モーターショーがお台場の広い範囲で開催された。オリンピック開催に向けて東展示場が使えなかった苦肉の策のようだが、ひと駅分は確実に分散した会場の移動には参った。そうでなくたってヒューマンモーターショーと豊田社長が話しているように、CASEを中心としたコンセプトモデルが中心。デジタル世代の子どもたちにクルマへとつなげる機会を作ることは良いアイデアだが、肝心のクルマが遠い会場にあるようでは実感もわかないだろう。アナログ世代にとっても仮想社会のクルマよりも、目の前にある社会を走り回れそうな元気なクルマを見たかった。せめて仮想と現実を繋いでくれるような演出があれば、想像力も沸くってものだが、ドライバー不在のクルマに興味は抱けなかった。
そんな思いを吹っ切らせてくれたのが今回試乗したスカイライン400Rだった。2019年7月にビックマイナーチェンジを行なったスカイラインは、インフィニティから日産へと意匠替えを行ない、同時にスポーツモデルとしてRの名を冠したモデルを投入。以前にもNISMOからコンプリートモデルとして400Rの投入はあったものの、ラインモデルとしては初めてだ。
FR+大パワーに心が踊る
搭載されるエンジンはほかのターボモデルと同じ、3.0ℓV6ツインターボVR30DDTTながらも、その名が示すように304psから405psへとパワーアップした。3割以上の強化バージョンはカタログモデルとしては記憶にない。しかも、駆動システムはFR。R34までのGT-Rが280ps、R35の初代モデルで480psだったことを考えると、FRにこのパワーはただ者じゃあない。
確か、R32GT-Rが投入されたとき、エンジニアはリヤ駆動ではこのパワーを受け止められないから、フルタイム4WD化は避けられないと言っていた。もちろん30年も前のことだから当然の選択だったろう。だが、このFRのスカイライン、遡ってみれば源流は2001年にデビューしたV35型にある。優に20年近くも前のシャシーに405psのパワーを組み合わせたのだ。年々進化しているとはいえ、一輪あたり200psを受け持つ走りは想像するだけでも身震いがする。
単純には比較できないが4輪で駆動力を受け止めるGT-Rに換算すれば800psのパワーが与えられたようなもんだ。
ひと言で言えば現代によみがえるスカイラインGT-R。FRと大パワーの組み合わせは、スペックこそ子どもたちの憧れ、象徴だった古き良き時代のスポーツカーの証だ。モーターショーでは、こんなクルマこそが人垣のできるモデルだったが、いまじゃ、そんな乱暴な方程式は通用しないのか、どこにも見かけることはできなくなった。
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