【連載】クルマに乗って「オイシイモノ」を食べに行こう! ⑤日産・新型スカイライン 400R 日産・新型スカイライン 400R「シャシーはエンジンより速いか?」スカG復活?400psで燃費は? アナログ派・ヒトシ君×助手75の言いたい放題本音インプレ
- 2019/11/01
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生江 凪子
アナログ派自動車評論家・瀬在仁志(ヒトシ君)が助手の75(ナコ)とともに、話題のクルマに乗ってオイシイモノを食べに行くという食いしん坊企画の第5弾。道中、感じたことや気がついたことを言いたい放題しつつ、最終的にはオイシイモノにありつくという企画。今回は、走る歓び派・ヒトシ君、大排気量万歳派・75も期待を寄せる、日産・新型スカイライン 400Rに乗り込みます。さて、大満足! となるか、はたまた?
講師:瀨在仁志(Hitoshi SEZAI)
助手:生江凪子(Naco NAMAE)

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伝説のスカG『箱スカ』復活! 日産・新型スカイライン 400R 試乗 400psのスペックだけではなく、走りもホンモノか?
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アナログ派自動車評論家ヒトシ君と助手の75のドライブ記事も早5回目。さて、今回の待ち合わせ場所は、横浜の日産グローバル本社です。朝9時15分に待ち合わせ。広報車の手配は75がしたようで、車種も聞かされていないヒトシ君は、ちゃんと手配できてるのかと一抹の不安を持ちながら集合場所へ到着。だが、時間になっても75の姿は見えない……。
ヒトシ君:もしもしモシモシ〜? オレ、ちゃんと5分前に2階の受付にいるよ!
助手75:あ〜、あ〜、いま、手続き中! 下きてください! 下!
相変わらず乱暴である。下、下、としか言わないで電話は切れた。広報車をピックアップする地下のことを言っているのだろう。だが、広報車は無事に借りる手続きができたらしい。一安心。
助手75:今日のクルマはスカイラインですよ!
ヒトシ君:ってことは、話題のプロパイロット2.0だな。アナログ派でも興味あるぞ。
助手75:違うっ(キッパリ)。クルマは馬力ですよ! パワー至上主義! ってことでスカイラン400Rですよ! 400馬力ですよ! よんひゃく!!!!!
ヒトシ君:400、400うるさいよ……。わかった。400psね。それより、じゃんけんしようぜ。

助手75:イエッス! 本日の議題! おとうふソフトクリーーーーーム!
ヒトシ君:メシじゃない……。まぁ、行きますか。
ふたりを乗せたスカイライン400Rは首都高神奈川線から横浜新道、保土ヶ谷バイパスを経て東名へ。車内は「馬力」の話題で盛り上がる。
助手75:400psってやっぱり特別よね。
ヒトシ君:正確には405psね。
助手75:(聞いてない)ああ懐かしいな、280ps自主規制時代。あの頃ワタシの人生暗かった♫

ヒトシ君:いくつだよ。藤圭子かよ。280ps自主規制は1989年のフェアレディZと、R32スカイラインGT-Rの頃の話だぞ。そう、そうだよね。国内で280psの自主規制を解いたのは、2004年だからね。そうそう。そうだね。
助手75:ワタシ、こう見えて昭和のオンナなので、「クルマはパワーがあってナンボじゃ」という価値観、根強いんですよ。 300psだと驚かないけど、やっぱり400馬力は特別ね〜。
ヒトシ君:いま国産でもっともパワフルなのは、いわずと知れたR35 GT-Rの600ps、次がホンダNSXの570ps、あ、NSXはモーターも載っているけどね。で、次がレクサスの5.0ℓV8の481ps(編集部註:RC Fとかに載っています)。で、レクサスLSの3.5ℓV6ツインターボの422ps。だから、このスカイライン400Rの405馬力は、第5位ってことね。こうして乗ってみると、このエンジン、いいわぁ。スムーズで軽く回る。マイナーチェンジ前のメルセデス・ベンツの2.0ℓ直4ターボなんて比べ物にならないほど、いい! 気に入った!
と、いきなりの高評価のヒトシ君の横で、やおらバッグからなにかを出す助手75。

ヒトシ君:出たな! 今日は早い……。
助手75:あのね、今日び、お金さえ積めば、いくらでもハイパワーなエンジンが載ってるクルマは手に入るわけよ。問題は、「い・く・ら・か」。いい? このスカイライン400Rは、562万5400円。562万5400÷405psで1万3890円なの。わかる? 1ps=1万3890円ね。計算するとね。
パチパチパチ……
NSXが4万7611円
レクサスIS Fが1万9696円
日産GT-Rが1万8997円。
400Rの1ps=1万3890円ってもう、バーゲンプライスよ! 400psオーバークラスではぶっちぎりでトップのコスパよ!
ヒトシ君:そうなのか。その計算にどれほどの意味があるのか、よくわからないが、クルマの魅力のひとつにエンジン、パワーがあることは間違いないってことがこのクルマに乗るとわかるね。
助手75:405psのハイパワーなのに、本当にスムーズで軽く回っている感じがする。荒々しい感じが全然ないのに、ハイパワーってなんかやっぱり新エンジンって感じね。
ヒトシ君:そうなんだ。このエンジンVR30DDTTっていうんだけど、日産の最新エンジンのひとつ。可変圧縮比のKR20DDETと並んで、日産を象徴するエンジンだね。そういえば、75、このエンジン型式の意味って知ってる?
助手75:30は3.0ℓ、20は2.0ℓってことでしょ? VRの「V」はV型よね。
ヒトシ君:そうだね。VRのVはV型。Rは、VQ型の次だからVRなのかR=Responseってことなのかはわからない。VR30の次のDは、DOHCのD、その次のDは直噴(Direct Injection)のD。最後のTTはターボが2基ってことね。
助手75:ふーん(心の中ではどうでもいいと思っている)
ヒトシ君:さらにいうとね、KRの方のKRは、「可変ratio」のことを意味してるんだ。ほら、可変圧縮比を「Variable Ratio」ってやると、「VR」になっちゃうじゃん。KR20の次のDDはこのエンジンと同じでDOHC直噴、次のEは電子制御インジェクションのE、つまりKR20は直噴とポート噴射を併用しているんだね。最後のTはターボが1基ってこと。
助手75:ふーん。まあいいや。
そうこうしているうちに400Rは、聖地アネスト岩田箱根ターンパイクへ到着。前日の雨のせいで路面はまだ濡れている。

ヒトシ君:よし、400psがどれほどのもんか、試してみよう。一応、オレ、アナログ派とはいえ、自動車評論家だから、今回の試乗のポイントは「シャシーはエンジンより速いか?」に置いてるってことを先に申し伝えておきます。
助手75:なんじゃそら? 突然口調が変わるし。
ヒトシ君:昔よくこういう言い方をしたんだよ。「パワフルなエンジンを載せるのは比較的簡単だけど、それにシャシーがついてくるか」ってこと。このスカイライン400Rのシャシーは日産のFR-Lプラットフォームっていう、長ーい歴史があるのを使っているわけ。つまりそんなに新しくないの。そのプラットフォームに400ps。しかも後輪2輪駆動なの。よし、じゃあやってみよう。
助手75:お、おうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅあれれナニこれ?
ターンパイクの上り。あたりにクルマは一台もいない。そこで一旦ストップしてアクセルを全開!すると、後輪は激しく空転したあと、クルマが左右に暴れようとする。そのままアクセルを踏み続けると強烈な加速が!
ヒトシ君:あそこで、びっくりしてアクセルを緩めると、クルマはどっかいっちゃうのよ。だから踏み続けるわけ。やっぱり400psはパワフルだね。で、やっぱりシャシーはちょっと古い。
助手75:ちょっとびっくりしましたわ、アタクシ(ドキドキ)
ヒトシ君:でさ、このクルマ、ステア・バイ・ワイヤーを採用しているの。つまり、このハンドルと前輪は機械的にはつながってないの(実際はフェイルセーフのためにステアリングからステアリングのラックバーへはシャフトが伸びている)。ステアリングの手応えは、モーターが作り出しているし、ほら、ハンドルの切角とクルマの曲がり方が同じじゃないでしょ?
助手75:ほんとだ。ステアリングの感覚はどうなの?
ヒトシ君:開発が進んだから、際立った違和感はないよ。でも、たとえば、すごく速いカンターステアを切ろうとすると、モーター制御がついてこないことがあるんだ。もちろん、サーキット走行とかの限界域だけどね。ステア・バイ・ワイヤーが自動運転にとって重要な技術であることは間違いないし、そこで日産が一日の長があるのもわかってるよ。でも、このある意味古典的な高出力FRセダンだったら、絶滅寸前の「油圧パワステ」の方が合ってたかもね。

助手75:でも、本当にエンジンは吹け上がりがいいし、気持ちいいわ〜。
ヒトシ君:そうなんだ。オレもいま、それ言おうと思ってたの。とにかく滑らか。ターボラグもほとんど感じない。これはターボがいいな。普通のターボチャージャーは、オーバーラン、回り過ぎを防ぐために、ほどほどのところでウェイストゲートを開けちゃうんだけど、このVR30DDTTのターボは、渦電流式の回転センサーをつけて回転数を監視してるんだ。だからギリギリのところまで回せるってわけ。レスポンスを重視するために、最近のエンジンでは常識になっているEGRも使わないっていうんだ。天晴れだな。
助手75:EGRッテナニ?訊くと長そうだから、やめとくね。あ、口に出しちゃった。
ヒトシ君:いやぁ、気持ちいい。本当にいいエンジンだ。
助手75:オナカスイタ。そろそろご飯食べようよ。ワタシは、ソフトクリームを確保したからお昼はラーメンでもいいよ。仕方ないから。ちなみに、ソフトクリーム反射炉の近くだから、遠くはダメよ。
ヒトシ君:お、いーねー。韮山か。韮山といえば、「一匹の鯨」だな。前から気になっていたんだ。
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