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トヨタ・カローラツーリングとスバル・レヴォーグ、VWゴルフ ヴァリアント、ホンダ・シャトルを徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/12/07
  • ニューモデル速報
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数値で表現できる部分だけでなく、感受性領域に踏み込んだ

 今回はパワートレーンの魅力も四車四様だった。ツインクラッチ変速機を使うシャトルとゴルフの加減速マナーはなるほどキレがあり、VWの1.4ℓターボはトヨタのハイブリッドよりパンチにあふれる。また、ほどよく回生できる走行パターンであれば、ホンダの1.5ℓハイブリッドも通常の1.6〜1.8ℓを思わせる力感を見せる。スバルの1.6ℓターボは今回のカローラやゴルフより150㎏以上重いレヴォーグでは控えめ感があるもの、滑らかに回り切るエンジンと、アクセルを踏むほど嬉々として曲がる4WD制御はなんともエンスー。過酷な突き上げもドンと受け止めるボディ剛性といい、カローラと双璧のスポーティなドラポジといい、チャレンジングな山坂道でのレヴォーグは今もあのラリーカーの血統を感じさせる。

 現在のトヨタのクルマづくり(=TNGA)は重心高や燃費など数値で表現できる部分だけでなく、前記のシャシー開発も含めて人間の感受性領域に踏み込んだ「味づくり」でもこれまでのトヨタになかった開発に着手している。新型カローラでも、目線の安定感や接地感に加えて、これまでのトヨタでは味わえなかった高速直進性やハイブリッドの熟成極まるドライバビリティには、お世辞抜きで驚かされた。

 少なくとも現在の日本の公道で試すことができる(一部の高速道で実験的に実施中の)120㎞/hまでなら、新型カローラはドイツ車のゴルフより肩の力を抜いたままズバーンとまっすぐ走る。さらに、お馴染みの1.8ℓハイブリッドがこれまでにないほどの精度で右足指の微妙な力加減にドンピシャで反応するのは素直に素晴らしい。このパワートレーンがあればこそ、自慢のスポーツカーはだしの操縦安定性もさらに輝く……というものである。

 ただ、そういうCセグメントど真ん中にして低重心を標榜するGA-Cを土台としつつ、ホイールベースやリヤオーバーハングなど、センターピラー以後を日本専用に切り詰めた新型カローラツーリングでは、その特有の成り立ちが後席空間や荷室にハッキリ影響している。荷室空間が4台中でミニマムなのはひと目で明らかであり、後席空間はレッグルームこそゴルフと同等だがヘッドルームはゴルフに一歩ゆずり、結果的には、荷室も後席も4台中で最もタイトと言うほかない。

 これとは正反対に空間効率で他を圧倒するのが、自慢のセンタータンクレイアウトをフル活用したシャトルである。ボディ後半の低床設計とアップライトな乗員配置が特徴のシャトルは、今回は圧倒的に小さなボディサイズなのに荷室容量はゴルフに次ぐ二番手であり、後席空間の広さは、左右方向を除けば堂々たるトップに君臨する。さらに、内装にもフィットにない立派な専用センターコンソールを奢るなど、シャトルは上級のCセグメント需要に食い込めるクラスレス感が売りである。ほかの3台と正面から較べると、さすがに走行性能や内外装の質感は一歩か二歩ゆずっても、圧倒的な空間効率と手頃な価格によって「一周まわってシャトルで十分では?」と思わせてくれる商品力は侮れない。

 ただ、こうしてCセグメントを中心とした国内外の主力ワゴンと並べてみても、新型カローラの操縦安定性や微妙なドライビング操作にピタリ追従するドライバビリティにおいては、間違いなくトップといえる仕上がりである。もちろん、それでいてシャトルに大きく引けを取らない取り回し性能や、明らかに高価なゴルフやレヴォーグに匹敵する質感や装備など、カローラ伝統の商品力も健在ではある。緊急自動ブレーキの機能や性能、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストによる「半自動運転」の利便性や安定性でも、この分野で先行してきたスバルのアイサイトに、すでに追いつ(き、道路標識認識のなどの一部機能では追い抜)いたと言っていい。

 それにしても、これまでのトヨタ……特にカローラと言えば、走りは普通でも「価格や質感など、コストパフォーマンスと総合的な商品力」で勝負するクルマだったはずなのに、今回はなにより「走り」に魅了されたのだ。そんな新型カローラは、まさに歴史的カローラと言うほかない。

VOLKSWAGEN GOLF Variant TSI Highline Meister

ご存知、世界の自動車メーカーがベンチマークとする、全方位で隙のない仕上がりのワーゲン・ゴルフ。常に目標とされ、持てるすべての性能と特性が解析される。新型カローラの開発においても性能の比較対象として用いられた。

直列4気筒DOHC/1394㏄
最高出力:140㎰/4500-6000rpm
最大トルク:25.5㎏m/1500-3500rpm
車両本体価格:381万円
JC08モード燃費:17.3㎞/ℓ

HONDA SHUTTLE HYBRID Z Honda SENSING(FF)

4車の中で一番背が高く、ハイトワゴンの雰囲気を持つシャトルだが、SPORT HYBRID i-DCDと名付けられたシステ ムは1.5ℓi-VTECエンジン+7速デュアルクラッチミッションを搭載。その走りはHonda DNAによって活発そのものだ。

直列4気筒DOHC/1496㏄
エンジン最高出力:110㎰/6000rpm
エンジン最大トルク:13.7㎏m/5000rpm
モーター最高出力:29.5㎰
モーター最大トルク:16.3㎏m
車両本体価格:260万7000円

モーターファン別冊・ニューモデル速報 vol.589 新型カローラのすべて

世界基準の走りと先進感
グローバルTNGAプラットフォームと国内に最適化した専用ボディ
ドライビングインプレッション
ライバル車比較試乗
開発ストーリー
メカニズム詳密解説
デザインインタビュー
使い勝手徹底チェック
バイヤーズガイド
縮刷カタログ

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