MAZDA CX-30：これがど真ん中。ガソリンエンジンやMTの軽やかさもいい！マツダ標準オーディオもいい！

• 2019/11/09

• MotorFan編集部 鈴木慎一

  

ブックマークする

• 
• 
• 
• 
• 
• 
• 
  すべての写真を
  見る
  

自慢のオーディオは、本当にいい音だった

　試乗前に、「今回のCX-30は、マツダ３と同じくオーディオにも力を入れました。CDがあるので、ぜひ聴いてみてください」と言われた。

　前回、マツダ3をロングドライブした際は、オプションのBOSEサウンドシステムがついていた。マツダ×BOSEの組み合わせは筆者のなかでは評価が高い。マツダ３も良い音が楽しめた。

　CX-30はどうか？ 入れてあったのは、「BOSE」のサウンドチェック用のCDだった。だから、勘違いをしてしまった。てっきりBOSEサウンドシステムが載っているのだと。
　音源でCDを選びボリュームを上げる。「あれ？なんだから平板な音だな。これで良い音なの？」と思ってしまった。MENUからサウンドの設定を呼び出してみると、音質はまさにFLATになっていた。時間がなかったので、細かい設定はできなかったが、音質モードを「アドバンス」に、イコライザを「JAZZ」に、リスニングポジションを「運転席」に変更。すると、まったく別の音に変わった。「これはいい！」良い音になった！　さすが、BOSE。BOSEの音とはちょっと違うけど、素直で聴きやすいサウンドになった。

　すっかりBOSEだと思って聴いていたが、あとからスペック表を確かめてみると、これはマツダの標準オーディオ（=マツダ・ハーモニック・アコースティックス+8スピーカー）だったのだ。これなら、オーディオマニアでなければ、BOSEでなくても相当良い音を楽しめると感じた。

さて、90分間のショートドライブでの結論を出そう

　CX-30でSKYACTIV-G2.0とSKYACTIV-D1.8の価格差は27.5万円。FFとAWDの価格差は約24万円だ。ATとMTは同価格。

　短時間の試乗だったが、私がCX-30を買うなら、
SKYACTIV-G2.0／FFを選ぶ。価格は同じ20SPROACTIVE Touring Selectionグレードで273万3500円になる。CX-5やCX-8では、FFよりAWDのほうがNVや乗り味が良かった。CX-30もきっとFFよりAWDのほうが乗り味がいいかもしれない（比較試乗していないので、現時点ではわからない）。が、価格差を考えると、FFで充分だと思う。

　ガソリンエンジンの軽やかさをより味わうならMTを選ぶといい。おそらくCX-30のユーザーでMTを選ぶのは10%もいないと思うが、せっかくマツダが設定してくれているMTを積極的に選びたいと思う。
　美しいスタイルと上質なインテリア、ちょうどいいボディサイズのクロスオーバーがこの価格で手に入るのは、クロスオーバーを探す人には朗報になるだろう。

　 これで、マツダ３ファストバック（5ドアハッチバック）、マツダ３セダン、そしてこのCX-30の３車型が揃ったことになる。
　マツダ３ファストバックが、いままでならクーペがその役割を負っていたパーソナルな雰囲気を纏うスペシャルティカーとしてのポジションで、マツダ３がオーセンティックな味わいと佇まいのポジションだとしたら、このコンパクトクロスオーバーのCX-30こそが、ファミリーカーとしてのど真ん中に据えられる存在だといえる。

MAZDA CX-30 20SPROACTIVE Touring Selection
全長×全幅×全高：4395mm×1795mm×1540mm
ホイールベース：2655mm
車重：1460kg
サスペンション：Fマクファーソンストラット式Rトーションビーム式
駆動方式：AWD
エンジン
形式：2.0ℓ直列４気筒DOHC
型式：SKYACTIV-G2.0 PE-VPS
排気量：1997cc
ボア×ストローク：83.5×91.2mm
圧縮比：13.0
最高出力：156ps（115kW）/6000pm
最大トルク：199Nm/4000rpm
燃料供給：筒内燃料直接噴射（DI）
燃料：無鉛レギュラー
燃料タンク：51ℓ
燃費：WLTCモード燃費 15.6km/ℓ
　市街地モード 12.5km/ℓ
　郊外モード 15.9km/ℓ
　高速道路モード 17.2km/ℓ
トランスミッション：6速MT
車両本体価格：297万円
試乗車はオプション込みで305万6880円