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【BMW 2 Series Gran Coupé試乗会】 名前のややこしさはMAX!のBMW2シリーズグランクーペだがパッケージングも走りも最高だった

  • 2020/04/18
  • GENROQ編集部
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BMW 2 Series Gran Coupé

BMW初となるコンパクト4ドアクーペが登場した。FFベースとしたことで、広大な荷室と移住空間を実現。ヒットの予感大の本モデルの走りをじっくりと堪能してきた。

REPORT◉石井 昌道(ISHII Masamichi)
PHOTO◉BMW AG

※本記事は『GENROQ』2020年4月号の記事を再編集・再構成したものです。

 BMW2シリーズは2013年にそれまでの1シリーズクーペが上級移行するかたちで2シリーズクーペとして始まった。直後に加わったカブリオレも含めて旧1シリーズのプラットフォームがベースのFR系モデルだが、14年登場のアクティブツアラー、翌年のグランツアラーはBMWブランドとして初のFF系。かたや低全高なクーペ/カブリオレ、かたや背高なMPVとジャンルもまったく違うモデルが同じシリーズを名乗るので混乱するが、今回さらに新規で2シリーズグランクーペが加わった。こちらは低全高だがFF系となるからさらにややこしい。

 4シリーズにも設定されるグランクーペは、エレガントなルックスとある程度の実用性を両立させる必要があるため、コンパクトな2シリーズではスペース効率で有利なFF系が選択されたという。FR系のクーペに比べると後席のレッグスペースは33㎜延長され、ラゲッジ容量は40ℓ増やされた。

 クーペらしいなだらかなルーフラインではあるものの、身長180㎝程度の人でも後席のアクセスはまずまず良好で頭上も余裕がある。ピラー後方を細くしてエレガントに見せつつ、根元を太くして安定感と両立させるホフマイスターキンク、後方までウインドウを伸ばすことで流麗さを増す6ライトなどといったデザイン処理が功を奏しているのだ。

 BMWおよびMINIのFF系はUKLと呼ばれるプラットフォームを使ってきたが、昨年デビューした1シリーズはそれを発展させたFAARで2シリーズグランクーペも採用。メカニズムは1シリーズに近似していると言っていい。ボディサイズは全長4540×全幅1800×全高1430㎜。全幅とホイールベースは1シリーズと同様だ。

 今回ポルトガルで試乗したM235i xドライブがスポーティなモデルとして手を入れたメニューもM135ixドライブとほとんど同じだ。ボディはストラットタワーやサブフレーム周辺などに補強が入り、Mスポーツサスペンションは標準より10㎜ダウン、ダンパーは可変式を採用。パワートレインは2.0ℓ直4ターボ+8速ATとなる。

オプション設定される一体型ヘッドレスを備えたMスポーツシートはホールド性に優れる。
10.25インチのナビゲーションシステムと10.25インチディスプレイで構成されるBMWライブ・コックピット。

 ポルトガルは日本に比べると道路は荒れ放題で、90㎞/h程度で流れる郊外路などには時おり大きな穴が開いていてサスペンションが底付きすることもある。そんな環境で走らせてみてもM235i xドライブは想像するよりずっと乗り心地が良く、3シリーズのスタンダードモデルよりも快適なぐらいだ。スポーツモードを選択するとさすがに硬く、日常では使いたくないと思ったが、これがワインディングでは大いに武器になった。FFベースのAWDながらハンドリングにはBMWらしい正確性の高さやダイレクト感がある。ステアフィールはFRとまったく同じというわけにはいかないものの、雑味は最小限に抑えられていて、パワフルなモデルなのにトルクステアもほとんど気にならない。

 タイトコーナー立ち上がりでパワーをかけていってもアンダーステアには陥らず、フロントから引っ張りつつ強力なトラクションを見せつけて加速していった。滑りやすい路面でもアクセルを早いタイミングで、なおかつ深く踏み込んでいけるという点ではFRを超えている。好き嫌いはあるにしても、ハンドリングの実力では優位に立っているのだ。とくにウエットなどならその差が広がるだろう。FF系でもここまでスポーティに仕上げてくるのがBMWらしいところ。FRのBMWファンの人にも一度は試してもらいたい。

 エンジニアに話を聞いたところ、1シリーズと違って2シリーズはアメリカや中国でも販売するため乗り心地の改善には気を遣ったという。特にピッチング方向で揺すられることがないようスプリング&ダンパーを入念にセッティングし、バンプストップラバーはソフトタッチに。それでもコーナリング性能を確保するためにスタビライザーの効果を高める工夫をしたという。また、1シリーズで得た経験によって、乗り心地を改善しながらも運動性能は犠牲にせずにすんだそうだ。

 FFの220dはさらに乗り心地がよく、ハンドリングもまったく問題なかった。BMWに期待するスポーティさと快適性のバランスはハイレベル。日本でメインになる218iもおそらく同じような乗り味だろう。少し大きくなった3シリーズではなく、こちらをチョイスする都市生活者も増えそうだ。

 ちなみに2シリーズはすべてがFF化されるとは決まっていない。公式アナウンスはないがクーペ/カブリオレ、およびM2の次期モデルはFR系になる見込みが濃厚。BMWのコンパクトなFRが大好きだという人は期待していてよさそうだ。

FR系のクーペより40ℓ容量が増えたラゲッジルーム。荷物も搭載しやすく、日本での使い勝手もいいだろう。
M235は306㎰/450Nmを発生する2.0ℓ直4ターボを搭載する。0→100㎞/h加速4.9秒となかなかのパフォーマンスを誇る。

〈SPECIFICATIONS〉BMW M235i xドライブ グラン クーペ
■ボディサイズ:全長4540×全幅1800×全高1430㎜ 
ホイールベース:2670㎜ 
トレッド:Ⓕ1565 Ⓡ1560㎜ 
■車両重量:1645㎏ 
■エンジン:直列4気筒DOHCツインターボ 
総排気量:1998㏄ 
最高出力:225kW(306㎰)/5000rpm 
最大トルク:450Nm(45.9㎏m)
/1750~4500rpm 
■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:AWD 
■サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク 
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク ■
タイヤサイズ:Ⓕ&Ⓡ225/40R18 
■パフォーマンス 0→100㎞/h加速:4.9秒 
■環境性能(EU複合モード) 燃料消費率:7.16~6.7ℓ/100㎞ 
CO2排出量:162~153g/㎞ 
■車両本体価格:665万円

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