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トヨタ・ヤリスクロスとライバルを数値で比較。ホンダ・ヴェゼル/日産キックス/マツダCX-3のBセグSUV以外にも強敵多し!

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 トヨタC-HR、マツダCX-30、スバルXVはCセグメントに属するため、Bセグメントのヤリスクロスよりもはっきりと大きい。ホイールベースは100mm前後長く、その分、居住空間にも余裕がある。多人数で出かける場面が多いユーザーは、ヤリスクロスよりもこちらのクラスの方が有力な選択肢となるかもしれない。

 続いて、各車のパワートレーンと価格帯をチェックしてみる。

 ヤリスクロスのパワートレーンは2種類で、1.5ℓ直列3気筒(M15A-FKS)+ダイレクトシフトCVTと、1.5ℓ直列3気筒(M15A-FXE)+THSIIが用意される。価格は未発表だが、同じパワートレーンを採用するヤリスはガソリンモデル(CVT)が159万8000円〜、ハイブリッドモデルが199万8000円となっている。ヤリスクロスは、そこからどれくらいの価格が上乗せされるか興味深い。

M15A-FKSエンジン
M15A-FXEエンジン

 フィット クロスターとヴェゼルはそれぞれ1.5ℓ直4ハイブリッドを用意するが、システムがそれぞれ異なる。先代フィットをベースとするヴェゼルは1モーター式(i-DCD)なのに対して、フィット クロスターは2モーター式(i-MMD改めe:HEV)を採用する。

ヴェゼルのi-DCDハイブリッドシステム
新型フィットのe:HEV(以前はi-MMDという名称だった)ハイブリッドシステム

 クロスターを含む新型フィットで注目なのは4WDシステムだ。ヤリスクロスのハイブリッド4WD(E-Four)では、電気モーターが後輪を駆動する。コンパクトカーではこのモーターアシスト式4WDの採用例が多いが、新型フィットではハイブリッドモデルでもプロペラシャフトを用いた本格的な4WDシステムを搭載している。電気モーターよりも大きなトルクを高い速度域でも後輪に伝達できるのがメリットとなる。

新型フィットのビスカスカップリング式4WDシステム
ヤリスはリヤサスに新開発2リンク・ダブルウィッシュボーンを採用し、E-Fourの搭載が可能になった。このシステムはヤリスクロスにも採用される

 ヴェゼルは2019年1月に1.5ℓ直噴VTECターボの搭載グレード「ツーリング」をラインナップに加えた。最高出力172psと最大トルク220Nmを発揮し、コンパクトSUVらしからぬスポーティな走りが楽しめる。ヤリスクロスを含む他のBセグSUVとは一線を画す1台だ。

ヴェゼルに搭載される1.5ℓVTECターボエンジン
ヴェゼル・ツーリングは18インチアルミホイールを履く。ヤリスクロスのホイールも18インチと思われ、BセグSUVの上級グレードはこのサイズが定番になりそう

 キックスの北米仕様は、1.6ℓ直4+CVTを搭載する。ライバルの多くがハイブリッドもラインアップに用意しているのと比べると、ガソリンエンジン1本槍では劣勢な感は否めない。日本導入にあたってはe-POWER(1.2ℓ直3+モーター)が搭載される噂があるが、それが実現すれば、ヤリスクロスもうかうかしていられないかもしれない。

北米をはじめ、ブラジルや中国などで多くの国で販売されているキックス
ノートe-POWERに搭載されている1.2ℓ(HR12DE型)直3+モーター

 パワートレーンに関しては、CX-3の独自性が際立つ。2015年のデビュー当初は1.5ℓディーゼルターボのみが搭載されていたが、その後、2.0ℓガソリンがラインナップに加わり、さらにディーゼルエンジンが1.8ℓ版に換装された。1.5ℓガソリンorハイブリッドが中心の他車よりも上級志向なので止むを得ないのだが、CX-3は価格競争面でも劣勢を強いられていた感が否めない。

 そうした苦境を打開すべく、マツダはこの4月に1.5ℓガソリン車を追加している。価格は189万2000円~。1.5ℓガソリンを積むヴェゼルのスターティングプライスが211万円台なのと比較すると、かなりパンチのある価格と言えるのではないだろうか。1.5ℓガソリン車の存在は、CX-3の購入層の裾野を広げる一助になりそうだ。

2015年に発売が開始されたCX-3。現在に至る魔ふぇ、大小の改良が多数施されている
4月に追加された1.5ℓガソリンエンジン(スカイアクティブG)

 C-HR、CX-30、XVといったCセグメントSUV勢は、エンジンの排気量も大きくなり1.6ℓ〜2.0ℓが中心だ。ただ価格帯を見てみると、CX-30以外はBセグメントSUV勢とオーバーラップしているのがわかる。

 となると、ヤリスクロスはBセグメントSUVに一応カテゴライズされるものの、C-HRやXVといったCセグメントSUVとの競合も避けられないだろう。今秋のヤリスクロスの登場によって、コンパクトSUV同士の戦いは激化の一途を辿りそうだ。

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