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プジョー508SW ディーゼル搭載のフレンチDセグ・ワゴンの実力をマツダのMAZDA6ワゴンと比べてみる | プジョー508SW GT BlueHDi

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 さて、乗り出してみよう。エンジンをかけるとインパネ内に、「AdBlueを補充してください。あと2100km」という表示が出た。搭載する2.0ℓBlueHDi(DW10型)は、尿素SCRシステムを搭載している。だからAdBlue(尿素水)が必要になるわけだ。
 エンジンを比べてみよう。

プジョー508

プジョー508 エンジン形式:2.0ℓ直4ディーゼルターボ エンジン型式:BlueHDi(DW10) 排気量:1997cc ボア×ストローク:85.0mm×88.0mm 圧縮比:16.7 最高出力:177ps/3750rpm 最大トルク:400Nm/2000rpm
ご興味ある人は少ないと思いますが、これがエンジンカバー
裏側はこうなっている。同じエンジンを積む308SWのものより凝った造りだ

プジョー508
エンジン形式:2.0ℓ直4ディーゼルターボ
エンジン型式:BlueHDI(DW10)
排気量:1997cc
ボア×ストローク:85.0mm×88.0mm
圧縮比:16.7
最高出力:177ps/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm

Mazda6Wagon
エンジン形式:2.2ℓ直4ディーゼルターボ
エンジン型式:SKYACTIV-D2.2
排気量:2188cc
ボア×ストローク:86.0mm×94.2mm
圧縮比:14.4
最高出力:190ps/4500rpm
最大トルク:450Nm/2000rpm

ついでに
BMW320d(F30)
エンジン形式:2.0ℓ直4ディーゼルターボ
エンジン型式:B47
排気量:1995cc
ボア×ストローク:84.0mm×90.0mm
圧縮比:16.5
最高出力:190ps/4000rpm
最大トルク:400Nm/1750-2500rpm

 508のBlueHDiの177psとMAZDA6の190psのパワーの差を感じることはない。最大トルクの400Nm(508)と450Nm(Mazda6)の50Nmは、車重がほぼ同じ(508が1670kg、Mazda6ワゴンが1680kg)だから、やはり力強さはMazda6の方が少し上。
 とはいえ、508が積むBlueHDi(DW10型)のデビューは1998年。以来、さまざまな改良が加えられて2020年も第一線にいて、ライバルと遜色ないパワースペックとフィールを生み出しているのだから、大したものだ。きっと基本設計がとてもしっかりしているのだろう、

 エンジンよりも注目はトランスミッションだ。508はアイシン・エィ・ダブリュ製8速ATを使う。6速も含めてPSAはATはアイシン製と決めているから両社の協力関係も深い。変速ショックもないし、シフトスケジュールもとても緻密に制御されていて、まったく不満はない。

100km/h巡航だと7速。スピードメーターは反時計回り
 ただし、100km/h巡航では8速には入らない。パドルで8速に入れると100km/hで約1400rpm7速で1600rpm(メーター読みで)だ。8速に入るのは105km/hより高いスピード域。日本で普通に走っている分には7速までを使う感じだ。
 MAZDA6は、6速AT。6速を使い切れるので、508に対してのディスアドバンテージはさほどでもない、320dはZF 8HP(8速AT)。
 トランスミッションの洗練度は(個人的感想では)、
BMW320d(8HP)→508(アイシン製EAT8)→MAZDA6(マツダ内製6AT)である。

給油口はキャップレスタイプ。これは給油の際、手が汚れることもなく意外と便利だ。
 今回400kmほど走ってみた。高速道路5:一般道5ほどの比率で燃費は15.3km/ℓだった。モード燃費は
WLTCモード燃費:16.9km/ℓ
 市街地モード 12.9km/ℓ
 郊外モード 16.4km/ℓ
 高速道路モード 20.1km/ℓ
だから、達成率は90.5%。
 市街地:11.7km/ℓ
 郊外路:14.8km/ℓ
 高速道路:18.2km/ℓ
 がモード燃費の90.5%である。走っていても、この数字通りの感覚(というか燃費計を見ていて)だ。高速道路を90km/h+αほどの速度で巡航しているのが、もっとも気持ちの良い速度域だった。その走り方なら20km/ℓを超えるだろう。

MAZDA6ワゴンは
WLTCモード燃費:17.8km/ℓ
 市街地モード 13.9km/ℓ
 郊外モード 17.6km/ℓ
 高速道路モード 20.8km/ℓ
 である。燃費に関しては、若干マツダに分があるように感じた。

 身長175cmの筆者がドライビングポジションをとってから後席に座ってみる。膝周りにはこぶし1個分+αの余裕がある。ただし、全高が低いため当然室内高も低く、後席も広々、という感じではない。これは荷室も同じで、幅も奥行きも充分だが、高さ方向がさほどでもないから、容量も大したことはないのかと思ったら

508SW:530ℓ(通常時)1780ℓ(後席を倒した状態)
MAZDA6:506ℓ(通常時)1648ℓ(後席を倒した状態)

 と508の方が容量がかなり大きい。

プジョー508SW
MAZDA6ワゴン

 508は、セダン(ファストバック)よりもSWの方が売れているらしい。その理由は、後席の頭上スペースがSWの方がルーミーであることが第一のようだ。が、ワゴンとしてのユーティリティの高さも選ばれる理由なのだろう。また、低くシャープなボディラインも、いい意味で「ステーションワゴンらしくない」ということもあるのだろう。

 プジョー508、パワートレーン、先進運転支援システムなどのハードウェアも、乗り心地も、とても気に入った。デザインについては、本当に個人の趣味の世界だからなんとも言えないが、ないものねだりを承知でいえば、508のハードウェアにかつてのプジョー405のようなスタイルのボディが載っていたら、きっと乗り換えます。

 508を買うなら、SWでなくセダン(身もふたもないが、広い荷室が必要なライフスタイルでないので)を、ディーゼルでなくてガソリンのエントリーモデルを選ぶ……ような気がする。エントリーモデルの508 Allureなら424万7000円。今回の試乗車508SWの最上級グレードGT BlueHDi(526万6000円)より、100万円もプライスタグが軽いから。そしてエントリーグレードでも、プジョーの良さはきっちり感じられる……はずだから、である。

プジョー508SW GT BlueHDi
全長×全幅×全高:4790mm×1860mm×1420mm
ホイールベース:2800mm
車重:1670kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rマルチリンク式
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
エンジン型式:BLUE HDI
排気量:1997cc
ボア×ストローク:85.0mm×88.0mm
圧縮比:16.7
最高出力:177ps(130kW)/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm
過給機:ターボチャージャー
使用燃料:軽油
燃料タンク容量:55ℓ

WLTCモード燃費:16.9km/ℓ
 市街地モード 12.9km/ℓ
 郊外モード 16.4km/ℓ
 高速道路モード 20.1km/ℓ
車両価格○526万6000円

プジョー508SW 「一見クールで、その実ホット。そして、とことん乗員にやさしい」| プジョー508SW GT BlueHDi

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