【毎日更新企画】人生最後の3台を選ぶ:ルノー・トゥインゴS/モーガン・3ホイーラー/ルノー・カングー(佐野弘宗) 【人生最後に乗るならこの3台/佐野弘宗編】偉大なる下駄グルマ、それがルノー・トゥインゴS。正規輸入してくれてありがとう!
- 2020/07/12
-
MotorFan編集部

ルノーを3台乗り継ぐなど、ルノーをこよなく愛する佐野弘宗さん。選んでくれた3台のうち2台がやっぱりルノー車。トゥインゴSは非力なエンジン+マニュアルトランスミッションという、いかにも通好みの1台だ。
TEXT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
1台目:ルノー・トゥインゴS
「運転の基本を日常で実感できるのが最大の美点」

トゥインゴの基本はただのゲタグルマ。ハードウェアのデキもまあ普通。とくに安価な「S」はエンジン性能も控えめで、本国でも5MTの用意しかない...のだが、そんなクルマが正規輸入されることに大感謝である。
パワーは低いが車重も軽いので、きちんと運転すれば困るほど遅くはない。ただ、エンジンのパワーバンドを外すととたんにパンチが鈍るし、タイヤが細くて前軸付近も軽いので、ターンインで明確に荷重移動しないとパリッと曲がらない。そして、ステアリングを切りすぎると失速してしまう。
...こうした運転の基本は軽からスーパーカーまで一緒である。ただ、そのときの自分の運転の成否というか機微を、ワインディングやサーキットを飛ばさずとも、それこそ交差点や市街地などのごく日常で実感できるのが、この低性能トゥインゴ最大の美点である。そして、すべての運転がピタリと決まったときの、後ろから蹴り出される快感のトランクションは、希少なRRレイアウトゆえだ。
2台目:モーガン・3ホイーラー
「玄関を踏み出した瞬間から刺激的」

現代の普通のスーパーカー(?)で刺激的体験を味わうのは、もはやクローズドのサーキットでしか不可能...というか、サーキットに持ち込んだところで、私程度のウデと度胸では限界性能を本当に味わえる自信はない。最新のスーパーカーはそれくらいスゴイ。
しかし、3ホイーラーは見たまんま、いや見た目以上に、玄関を踏み出した瞬間から刺激的である。このクルマは70年ほど前までのモーガン黎明期の姿を現代に伝えるクルマではあるのだが、古い設計図や部品をそのまま使った再生産モノではないことだけは、お断りしておきたい。現代の3ホイーラーは、キモとなるビジュアルやレイアウトこそ古典だが、ゼロから新設計されて2011年にデビューした現代の3ホイーラーでもあるのだ。
3台目:ルノー・カングー
「箱みたいな姿なのに、なぜ嬉々として走れるんだろう」

カングーは今も昔も「背高グルマはこうやって走らせるべし」という教科書のようなクルマである。カングーには本当に数えきれないほどの試乗をさせていただいているが、今でも乗るたびに「ただの箱みたいな姿なのに、なぜに、こんなに正確に安定して、かつ快適、そして嬉々として走るのか」と感心する。
最近、カングーの宿敵となるシトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターの国内導入が発表された。これらはカングーより約10年も設計が新しいので、各部の質感や使い勝手、居住性、安全性、環境性能...のすべてでカングーを明確に上回る。しかし、ステアリングやシートから伝わってくる接地感、路面に吸いつくフラットな安定感など、シャシー性能だけはいまだにカングーに分があると思う。そこがカングーのすごさである。
■佐野弘宗(さの・ひろむね)
カー・マガジンやオート・エクスプレスなどの専門誌編集記者を経て独立し、自動車系ウェブサイトや専門誌、週刊誌などのクルマ記事で活動。自家用車はルノーを3台連続で乗り継ぎ中。
『人生最後に乗るならこの3台』は毎日更新です
あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)
世界の自動車がすべてわかる! 創刊11年目を迎え、ますます内容を充実させました。 日本で売っていないモデルやブランドも完全網羅!
コロナ禍により例年よりも発売が遅れてご心配をおかけいたしましたが、6月25日(木)に発売されました。全国の書店、Amazon、三栄販売サイトなどでお買い求めください。
発売日:6月25日(木)
価格:1864円+税
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
最新自動車テクノロジーレポート2021

鍵は机上でのシミュレーションと実車の走行テストの間にある...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【SMT】解析モデル作成の効率向上と機能拡充でよりパワフルに
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【不二越】カーハイドロリクス&軸受:油圧制御で培われた技...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【シェフラー】コア技術を最大限に生かす次世代技術への取り組み
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【アンシス】電動化への数々の課題を解決する設計·開発プロセ...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー
水平対向と星型とロータリーエンジン特集

1.8ℓ直噴リーンバーンターボ! 次期スバル・レヴォーグから始...
- 2020/05/15
- コラム・連載記事

いま再びマツダの水素ロータリーエンジンへの期待「REは水素...
- 2020/08/24
- コラム・連載記事
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
ステージごとにみっちり計測! これが本当の実燃費
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
ルノー・キャプチャーで一気に1200km走ってリアルな燃費を計っ...
- PR
- 2021/03/31
- インプレッション

〈ホンダ・シビック タイプR & ルノー・メガーヌR.S.カップで妻...
- 2019/06/22
- インプレッション
ディーゼルと4WDで実燃費はどうなる? フォルクスワーゲン・パ...
- 2019/11/16
- インプレッション
意外? 予想通り? フォルクスワーゲン・アルテオンで250km走...
- 2019/11/12
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報

ルノー カングー
1.6
中古価格 73万円

ルノー カングー
クルール
中古価格 119.8万円

ルノー カングー
ゼン
中古価格 245万円

ルノー カングー
リミテッド ディーゼル MT
中古価格 399.8万円

ルノー カングー
クルール
中古価格 154.9万円

ルノー トゥインゴ
インテンス キャンバストップ
中古価格 158万円