6代目日産フェアレディZ(Z34)| 6速MTに「シンクロレブコントロール」を採用して操る楽しさとイージードライブを高次元で両立 【コスパ抜群! 一世代前の狙い目モデル】6代目日産フェアレディZ(Z34)…スカイラインクーペ譲りの3.7ℓ V6を搭載しつつホイールベースを100mm短縮して加速・旋回性能ともさらにアップ
- 2020/09/18
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遠藤正賢
中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。
また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回はやや気が早いが、2021年発売と目される新型のプロトタイプが9月16日に公開された、日産の大排気量FRスポーツカー「フェアレディZ」、その6代目・Z34型をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●日産自動車
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【2008年12月1日発表・発売】フルモデルチェンジ
【2009年6月22日発表・発売】追加モデル
【2009年9月18日発表・発売】追加モデル、一部改良、特別仕様車
【2010年11月9日発表・発売】一部改良
【2012年7月10日発表・7月18日発売】マイナーチェンジ
【2013年6月24日発表・発売】一部改良
【2014年7月23日発表・7月25日発売】マイナーチェンジ、一部改良
【2015年7月21日発表・発売】一部改良
【2016年8月9日発表・発売】一部改良
【2017年7月6日発表・発売】一部改良
【2018年3月19日発表・5月11日発売】特別仕様車
【2019年4月17日公開・5月24日発表・7月発売】特別仕様車
1969年にデビューした初代S30型よりフェアレディZは、欧州車に匹敵する高い運動性能と流麗なデザインを兼ね備えた、また高級車のパワートレーンやプラットフォームを巧みに活用することで手に届きやすい価格を実現した、大排気量FRスポーツカーとして生を受けた。その在り方は6代51年、また次世代の7代目にも、脈々と受け継がれている。
日産次期型フェアレディZ「フェアレディZ プロトタイプ」発表 V6ツインターボ+6MT!日産「Zカー」の伝統に則ったFRスポーツカー
日産はフェアレディZの次期型プロトタイプである「フェアレディZ プロトタイプ」をオンラインで発表した。
とはいえその出自もあり、時にピュアスポーツ、時にGT色の強いキャラクターを行き来しているのも事実。とりわけバブル経済真っ盛りの1989年に誕生した四代目Z32型は、ミッドシップカーと見紛うほどノーズの短いワンモーションフォルムが目を引く、スタイルコンシャスな高性能GTだった。
そのZ32型が2000年に販売を終了し、約2年のブランクを経て、2002年にフェアレディZは復活。「FM(フロントミッドシップ)パッケージ」を核とする新世代の「FR-Lプラットフォーム」をV35型スカイライン、M35型ステージアに続いて採用した5代目Z33型は、2シーターのクーペボディと3.5ℓ V6自然吸気エンジンがラインアップの中心に据えられ、走りの楽しさを重視したピュアスポーツ路線へシフトした。
それから約6年半後の2008年12月、フェアレディZは6代目となるZ34型にフルモデルチェンジ。336ps/7000rpm&365Nm/5200rpmを発するVQ37VHR型3.7ℓ V6自然吸気エンジンをV36型スカイラインクーペに続いて採用し、「FR-Lプラットフォーム」をZ33型より継続しつつ、全長を65mm、ホイールベースを100mm短縮し、全幅を30mm拡大。パワートレイン搭載位置を15mm下げ、ボディ外板にアルミニウム合金、骨格に高張力鋼板を多用することで、旋回性能と衝突安全性能を共に高めながら車重を同等レベルに抑えている。
また、ATを5速から7速に多段化。6速MTにはMTとして世界初となる、シフト操作時に自動的にエンジン回転を合わせる「シンクロレブコントロール」を採用して、操る楽しさとイージードライブを高次元で両立させた。
では、そんな6代目フェアレディZがどのように進化していったのか、モデルの変遷を以下に記す(価格はいずれも発表時点のもの(当時の税率における消費税込み))。
【2008年12月1日発表・発売】フルモデルチェンジ
先代Z33型と同様、デビュー当初はクーペのみで、ベーシックな標準仕様(6速MT:362万2500円、7速AT:372万7500円)、本革・スエード調ファブリック内装を採用した「バージョンT」(7速AT:399万円)、標準仕様をベースに19インチ鍛造アルミホイールや対向ピストンブレーキキャリパーなどを装着して走行性能を高めた「バージョンS」(6速MT:409万5000円)、バージョンTとバージョンSの魅力を兼ね備えた「バージョンST」(6速MT:435万7500円、7速AT:446万2500円)、計4グレードを設定。
【2009年6月22日発表・発売】追加モデル
オーテックジャパンが手掛けるコンプリートカー「バージョンニスモ」(6速MT:493万5000円、7速AT:504万円)を追加した。
専用設計の等長フルデュアルエキゾーストシステムおよびECUで最高出力を19ps高い355psに高めたほか、ボディに専用の補強パーツとヤマハ製パフォーマンスダンパーを追加し、ダウンフォース増大と空気抵抗低減を両立した専用のエアロボディを採用。それに合わせ、サスペンションとパワーステアリングの特性をチューニングした。インテリアも専用の表皮やステッチ色でレーシーなテイストを強めている。
【2009年9月18日発表・発売】追加モデル、一部改良、特別仕様車
オープンボディの「ロードスター」を追加。電動ソフトトップにはオートロック機構を備え、車外からのリモコン操作も可能にしたほか、空調システム内蔵のエアコンディショニングシートを採用して、快適性を高めている。
ソフトトップ色はブラックのほかボルドーを、内装は専用のボルドー本革を含む4種類を、ボディカラーは新色のプレミアムディープマルーンを含む7色を設定した。
またクーペ・ロードスターの両車に、地デジ内蔵HDD方式のカーウイングスナビ、Zエンブレム入りインテリジェントキーを採用している。
生誕40周年を記念した特別仕様車「40thアニバーサリー」は、クーペのバージョンSTをベースに、専用の記念刻印入りレッド本革シート、アルミホイール、40周年記念エンブレムなどを装着する、1年間の期間限定モデルとして発売された。
ラインアップは下記の通り。
<ロードスター>
標準仕様(6速MT):435万7500円
バージョンT(7速AT):483万円
バージョンST(6速MT):498万7500円
バージョンST(7速AT):509万2500円
<クーペ>
標準仕様(6速MT):364万3500円
標準仕様(7速AT):374万8500円
バージョンT(7速AT):401万1000円
バージョンS(6速MT):411万6000円
バージョンST(6速MT):437万8500円
バージョンST(7速AT):448万3500円
40thアニバーサリー(6速MT):448万3500円
40thアニバーサリー(7速AT):458万8500円
バージョンニスモ(6速MT):495万6000円
バージョンニスモ(7速AT):506万1000円
【2010年11月9日発表・発売】一部改良
ボディカラーに新色のダークメタルグレーを設定し全7色としたほか、エアコンのダイヤルスイッチの文字位置を変更。AT車にはシフトアップインジケーターを追加した。またバックビューモニターを、HDDカーウイングスナビとのセットでメーカーオプション設定した。
【2012年7月10日発表・7月18日発売】マイナーチェンジ
全車にLEDハイパーデイライトを装着した新形状のフロントバンパーを採用し、メーター内ディスプレイのベース部カラーをダークメタリックグレーに変更。ボディカラーに新色のプレミアムサンフレアオレンジとダークブルーを新たに設定し全8色とした。
また、バージョンSおよびSTに、ユーロチューンドサスペンションを採用し、ダンパー減衰力特性を変更することで、操縦安定性と乗り心地を同時に改善。ブレーキパッドを変更し耐フェード性を向上させたうえ、キャリパー色を赤に変更している。さらに、ダーククローム色の新デザイン19インチアルミホイールを、クーペのバージョンSおよびSTに標準装備、ロードスターのバージョンSTにオプション設定した。
一方、クーペの標準仕様とバージョンTには、ロードスターと同じ18インチアルミホイールを標準装備している。
バージョンニスモは、ECUのチューニングを変更し中回転域のトルクをアップ。タイヤの銘柄をブリヂストン・ポテンザRE-11に変更するとともに、ボディの補剛パーツを追加しブッシュ硬度も変更している。さらにブレーキのホースおよびフルードも変更し、ペダルタッチを改善した。
ラインアップは下記の通り。
<ロードスター>
標準仕様(6速MT):438万9000円
バージョンT(7速AT):486万1500円
バージョンST(6速MT):501万9000円
バージョンST(7速AT):512万4000円
<クーペ>
標準仕様(6速MT):367万5000円
標準仕様(7速AT):378万円
バージョンT(7速AT):404万2500円
バージョンS(6速MT):414万7500円
バージョンST(6速MT):441万円
バージョンST(7速AT):451万5000円
バージョンニスモ(6速MT):513万4500円
バージョンニスモ(7速AT):523万9500円
【2013年6月24日発表・発売】一部改良
バージョンニスモを「ニスモ」に名称変更するとともに、内外装に赤のアクセントを入れ、赤いセンターマークを配置した本革・アルカンターラ巻きの専用ステアリングホイールを採用。エアロパーツおよびアルミホイールの色をダークグレーに変更した。価格は6速MT車が521万8000円、7速AT車が532万3500円。
【2014年7月23日発表・7月25日発売】マイナーチェンジ、一部改良
ニスモをマイナーチェンジしエクステリアデザインを一新したほか、室内に専用チューンのレカロ製セミバケットシートを装着。また従来は持ち込み登録する架装車両扱いだったが、このマイナーチェンジより型式登録されたカタログモデルに昇格した。
また、標準仕様のMT車にシンクロレブコントロールを標準装備したほか、18インチアルミホイールの色をガンメタリックに変更。バージョンTおよびSTのBOSEサウンドシステムをメーカーオプション化する一方、クーペの標準仕様およびバージョンTにパンク修理キットを標準装備した。
なお、これに先立つ5月22日、ロードスターの日本仕様の生産を、9月末受注分をもって終了することを発表している。
ラインアップは下記の通り。
<ロードスター>
標準仕様(6速MT):456万6240円
バージョンT(7速AT):486万1500円
バージョンST(6速MT):508万5720円
バージョンST(7速AT):519万3720円
<クーペ>
標準仕様(6速MT):383万1840円
標準仕様(7速AT):390万9600円
バージョンT(7速AT):408万1320円
バージョンS(6速MT):426万6000円
バージョンST(6速MT):443万7720円
バージョンST(7速AT):454万5720円
ニスモ(6速MT):562万6800円
ニスモ(7速AT):573万4800円
【2015年7月21日発表・発売】一部改良
Boseサウンドシステムに、新たにアクティブ・サウンド・コントロールおよびアクティブ・ノイズ・コントロールを追加。ボディカラーのダークブルーをオーロラフレアブルーパールに変更した。
【2016年8月9日発表・発売】一部改良
バージョンSTおよびニスモにカーウイングスナビ、Boseサウンドシステム、アクティブ・サウンド・コントロール、アクティブ・ノイズ・コントロールを、バージョンSにカーウイングスナビを標準装備。ボディカラーのプレミアムサンフレアオレンジをプレミアムアルティメイトイエローに変更した。ラインアップは下記の通り。
<クーペ>
標準仕様(6速MT):383万1840円
標準仕様(7速AT):390万9600円
バージョンT(7速AT):463万9680円
バージョンS(6速MT):465万2640円
バージョンST(6速MT):499万6080円
バージョンST(7速AT):510万4080円
ニスモ(6速MT):618万5160円
ニスモ(7速AT):629万3160円
【2017年7月6日発表・発売】一部改良
ヘッドランプやリヤコンビランプの輪郭をブラックハウジングで強調し、アウトサイドドアハンドルやリヤバンパー下部をブラックに変更。19インチ鍛造アルミホイールをブラック塗装&切削光輝加工に変更した。また、ボディカラーに新色のカーマインレッドを設定した。
走りについては、アクセルペダルとスロットルバルブ開度の特性を変更し、アクセルペダル中間開度でのトルクを高めつつ、高回転時のトルク低下量を抑えている。
また、6速MTにエクセディ製高効率クラッチを採用して、クラッチペダル踏力を軽減するとともに半クラッチ時のコントロール性を改善。さらに合わせガラスの中間膜に遮音層を挟み遮音性を向上させたフロントガラスを装着して、静粛性をアップさせた。
ニスモには、ダンロップSPスポーツMAXX GT600を新たに採用し、転がり抵抗を20%低減。実用燃費を改善しつつ50km/h走行時のロードノイズを1db下げている。ラインアップは下記の通り。
<クーペ>
標準仕様(6速MT):390万7440円
標準仕様(7速AT):398万5200円
バージョンT(7速AT):471万5280円
バージョンS(6速MT):476万640円
バージョンST(6速MT):510万4080円
バージョンST(7速AT):521万2080円
ニスモ(6速MT):629万3160円
ニスモ(7速AT):640万1160円
【2018年3月19日発表・5月11日発売】特別仕様車
標準仕様をベースに、北米で愛された1977年の「280Zスペシャルデコレーションパッケージ(ZZZap)」のデザインをリメイクし、内外装をイエロー(ボディカラーはプレミアムアルティメイトイエローのほか3色設定あり)とブラックでコーディネートした「ヘリテージエディション」(6速MT:408万240円、7速AT:415万8000円)を設定した。
【2019年4月17日公開・5月24日発表・7月発売】特別仕様車
標準仕様をベースに、1970年にアメリカのSCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)のレースで優勝した「Datsun 240Z BRE」のデザインを新たな形で再現した「50thアニバーサリー」(6速MT:458万8920円、7速AT:466万6680円)を、2020年3月末までの期間限定モデルとして発売した。
ボディカラーはブリリアントホワイトパール&バイブラントレッドと、ブリリアントシルバー&ダイヤモンドブラックを設定。フロントフェンダーにステッカー、リヤに50周年記念バッジ、ホイールリムにレッドラインを追加した19インチアルミホイールを装着している。
室内も、50周年記念ロゴと専用ステッチが施されたパワーシートのほか、センターストライプを施したアルカンターラ表皮のステアリングホイール、専用キッキングプレート、専用カラーのシフトノブでコーディネートした。
■日産フェアレディZバージョンST(FR)*2008年12月発表モデル
全長×全幅×全高:4250×1845×1315mm
ホイールベース:2550mm
車両重量:1530kg
エンジン形式:V型6気筒DOHC
総排気量:3696cc
最高出力:247kW(336ps)/7000rpm
最大トルク:365Nm/5200rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式 前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前/後:245/40R19 94W/275/35R19 96W
乗車定員:2名
車両価格(当時):435万7500円
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