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高回転高馬力と低回転高トルク、高い環境性能を兼ね備えた「SKYACTIV-D 2.2」を初設定 【コスパ抜群! 一世代前の狙い目モデル】初代マツダCX-5(KE系)…新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」(スカイアクティブ・テクノロジー)を満載したCセグメントクロスオーバーSUV

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初代マツダCX-5(2012年2月発売モデル)

中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。

また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。

そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。

今回は、一代にしてマツダの年間販売台数の1/4を占めるモデルに成長した、CセグメントのクロスオーバーSUV「CX-5」の初代、KE系をご紹介しよう。

TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●マツダ

目次開く

【2012年2月16日発表・発売】ニューモデル

【2012年12月12日発表・発売】一部改良、追加モデル

【2013年9月19日発表・10月17日発売】一部改良、追加モデル、特別仕様車

【2014年11月20日発表・2015年1月7日発売】マイナーチェンジ

初代マツダCX-5のスケルトンボディ

初代マツダCX-5の誕生が意味するのは、単なる新規車種の追加だけに留まらない。2007年にマツダが打ち出した技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を具現化する技術として2010年10月に公表した新世代の技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」(スカイアクティブ・テクノロジー)と、全車種一括企画に基づいた「コモンアーキテクチャー構想」と「フレキシブル生産構想」を核とする「モノ造り革新」を、初めて全面的に採用したモデルであり、マツダ自身のフルモデルチェンジを意味するからだ。

SKYACTIV-D 2.2の透視図
SKYACTIV-D 2.2のエンジン性能曲線

そんなCX-5のなかでも特に注目を集めた新技術は「SKYACTIV-D 2.2」、SH-VPTS型2.2L直列4気筒直噴ディーゼルターボエンジンだろう。ディーゼルながら14.0:1という低圧縮比を実現したこのエンジンは、175ps/4500rpmの高回転高馬力に420Nm/2000rpmの低回転高トルクを両立しつつ、JC08モード燃費はFF車で18.6km/L、4WD車で18.0km/Lという低燃費と、尿素SCR(選択式触媒還元)システムなしでポスト新長期規制をクリアする環境性能も兼ね備えている。

SKYACTIV-G 2.0の透視図
SKYACTIV-G 2.0のエンジン性能曲線

SKYACTIV-DRIVEのカットモデル
なお、2012年2月デビュー当時の日本仕様にはそのほか、155or154ps/6000rpm&196or195Nm/4000rpmを発する「SKYACTIV-G 2.0」PE-VPS型2.0L直列4気筒直噴ガソリンNAエンジンを設定。トランスミッションは全車とも、新開発の6速AT「SKYACTIV-DRIVE」だ。

SKYACTIV-BODY
SKYACTIV-CHASSIS

また、骨格を直線的かつ連続的に配置した「SKYACTIV-BODY」、フロントがストラット式、リヤがマルチリンク式のサスペンションで構成された「SKYACTIV-CHASSIS」は、それまでのマツダ車に共通する、どこか頼りなくオーバーステアが強い傾向から一転して、弱アンダーステアで安定感のあるハンドリングをもたらすようになったのも、大きな進化の一つだろう。

魂動デザインを採用したリヤまわり
上質かつ機能的に設計された運転席まわり
本革を採用したXD Lパッケージの前後シート

4:2:4分割可倒式シートの中央を倒した状態のラゲッジルーム
そして内外装にも新しいデザインテーマ、「魂動(こどう)-SOUL OF MOTION」が初めて全面的に採用された。それにより、上質かつスポーティなテイストが一段と強まっているのも、「新世代商品群」第一弾を象徴するポイントと言えるだろう。

では、そんな初代CX-5がどのように進化していったのか、モデルの変遷を以下に記す(価格はいずれも発表時点のもの(当時の税率における消費税込み))。

【2012年2月16日発表・発売】ニューモデル

初代マツダCX-5(2012年2月発売モデル)
2.0Lガソリン車には廉価グレード「20C」と標準グレード「20C」、2.2Lディーゼル車には標準グレード「XD(クロスディー)」と、19インチアルミホイールや本革シートを標準装備する上級グレード「XD Lパッケージ」を設定。トランスミッションは全車とも6速ATで、4WD車を「20C」以外のグレードに設定している。

各仕様の価格は下記の通り。

20C(FF)…205万円
20S(FF)…220万円
20S(4WD)…241万円
XD(FF)…258万円
XD(4WD)…279万円
XD Lパッケージ(FF)…298万円
XD Lパッケージ(4WD)…319万円

【2012年12月12日発表・発売】一部改良、追加モデル

新色のソウルレッドプレミアムメタリック
ドライバーの意思で変速タイミングをコントロールできるキックダウンスイッチを全車標準装備したほか、「SKYACTIV-G」の制御を改善し、JC08モード燃費を0.4km/L向上。「XD」と「XD Lパッケージ」に電動スライドガラスサンルーフをメーカーオプション設定した。

また、ボディカラーに新色の「ソウルレッドプレミアムメタリック」、「メテオグレーマイカ」、「ジェットブラックマイカ」を採用し、全7色設定とした。

なお、これに先立ち9月、2.0Lガソリン車の上級グレード「20S Lパッケージ」を追加している。

各仕様の価格は下記の通り。

20C(FF)…205万円
20S(FF)…220万円
20S(4WD)…241万円
20S Lパッケージ(FF)…254万7500円
20S Lパッケージ(4WD)…275万7500円
XD(FF)…258万円
XD(4WD)…279万円
XD Lパッケージ(FF)…298万円
XD Lパッケージ(4WD)…319万円

【2013年9月19日発表・10月17日発売】一部改良、追加モデル、特別仕様車

2013アニバーサリーのエクステリア
2013アニバーサリーのインテリア

FF車で188ps/5700rpmと250Nm/3250rpm、4WD車で184ps/5700rpmと245Nm/4000rpmを発する「SKYACTIV-G 2.5」PY-VPS型2.5L直列4気筒直噴ガソリンNAエンジンを追加設定。これに伴い、グレード構成を別表の通り整理した。

また、新構造のリヤダンパーを採用して乗り心地を改善。19インチアルミホイールをガソリン車にも設定したほか、「20C」を除く全車のアルミホイール色を深みのあるシルバーに変更した。

そのほか、ボディカラーに新色の「ディープクリスタルブルーマイカ」「ブルーリフレックスマイカ」を採用し、全8色設定に。ATシフトレバーとシフトベースのデザインを変更したほか、シフトブーツを新たに装着することで、内装の質感を高めている。

さらに、「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」を全車に標準装備し、「ハイビーム・コントロール・システム(HBC)」と「車線逸脱警報システム(LDWS)」を「25S Lパッケージ」と「XD Lパッケージ」にオプション設定。「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」の作動速度を約30km/h以上から約15km/h以上に変更するなど、予防安全装備も充実させた。

「XD Lパッケージ」と「25S Lパッケージ」をベースとした999台限定車の「2013アニバーサリー」は、専用のオフホワイト本革シート&ドアトリム、手塗りレッド加飾パネル、高輝度塗装19インチアルミホイールなどを標準装備し、内外装の質感を大幅に向上させた。

各仕様の価格は下記の通り。

20C(FF)…207万9000円
20S(FF)…222万6000円
25S(4WD)…253万500円
25S Lパッケージ(FF)…260万4000円
25S Lパッケージ(4WD)…281万4000円
25S 2013アニバーサリー(FF)…283万5000円
25S 2013アニバーサリー(4WD)…304万5000円
XD(FF)…260万4000円
XD(4WD)…281万4000円
XD Lパッケージ(FF)…298万2000円
XD Lパッケージ(4WD)…319万2000円
XD 2013アニバーサリー(FF)…321万3000円
XD 2013アニバーサリー(4WD)…342万3000円

【2014年11月20日発表・2015年1月7日発売】マイナーチェンジ

グリルとヘッドランプのデザインが変更されたフロントまわり
リヤまわりはコンビネーションランプの内部デザインを変更

外観では水平基調のフィンを持つフロントグリルを採用したほか、前後LEDランプの内部造形と、各「Lパッケージ」グレードに標準装備される19インチアルミホイールのデザインを変更した。ボディカラーは「ソニックシルバーメタリック」と「チタニウムフラッシュマイカ」を新たに設定し、全8色構成としている。

センターコンソールを中心に各部が見直された運転席まわり

インテリアは、 電動パーキングブレーキ(EPB)の全車標準装備に伴い、センターコンソールの造形を全面的に見直し、カップホルダーのアジャスター機能や小物入れを追加。シフトノブ前のオープンスペース、コンソールボックス、フロントドアポケットの容量を大幅に拡大した。

シートは前後とも掛け心地が改善。写真はピュアホワイト本革内装

また、フロントシートに高振動吸収ウレタンを採用し、リヤシートの座面長を拡大するなど、シートのホールド性を大幅に向上。各「Lパッケージ」グレードにピュアホワイト本革シートとマットヘアライン&サテンクロームメッキ加飾パネル、それ以外のグレードにグロスブロッククロスシートとライトヘアライン加飾パネルを採用した。

ALHの作動イメージ
さらに、スマートフォン連携コネクテッドシステム「マツダコネクト」を、コマンダーコントロールと合わせて全車標準装備。「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」、「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」、「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」、「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」、「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」、「スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)」、「AT誤発進抑制制御[後退時]」、「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を新たに設定するなど、予防安全技術「i-ACTIVSENSE」を大幅にに進化させている。

新世代4WDシステム

走りについても、新構造の前後ダンパーを採用し、フロントロアアームのブッシュ形状を変更することで、路面への追従性を向上したほか、高速時の車内騒音を約10%低減。ガソリン車には好みの走行モードに切り替えられる「ドライブセレクション」を、ディーゼル車には新世代4WDシステムを新たに採用するとともに低粘度PTO・リヤデフオイルを用いることで実用燃費を改善した。

また、このマイナーチェンジに伴いグレード構成を見直し、トリムレベルを「S」、「プロアクティブ」「Lパッケージ」の3段階としている。各仕様の価格は下記の通り。

20S(FF)…244万6200円
20Sプロアクティブ(FF)…254万8800円
25S(4WD)…267万3000円
25Sプロアクティブ(4WD)…277万3500円
25S Lパッケージ(FF)…287万2800円
25S Lパッケージ(4WD)…309万9600円
XD(FF)…283万5000円
XD(4WD)…306万1800円
XDプロアクティブ(FF)…293万7600円
XDプロアクティブ(4WD)…316万4400円
XD Lパッケージ(FF)…321万1600円
XD Lパッケージ(4WD)…348万8400円

■マツダCX-5 XD Lパッケージ(F-AWD)
全長×全幅×全高:4540×1840×1705mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1620kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:2188cc
最高出力:129kW(175ps)/4500rpm
最大トルク:420Nm/2000rpm
トランスミッション:6速T
サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:225/55R19 99V
乗車定員:5名
車両価格(当時):319万円

初代マツダCX-5(2012年2月発売モデル)

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