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【最高に運転が楽しいクルマ|ポルシェ911(964)】ダウンヒルで理想のラインをトレースできたとき、心底感動した!(青山尚暉)

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輸入車からミニバン、そしてドッグライフやハワイ事情まで幅広い知識とともに活躍する青山尚暉さんが選んだ「運転が楽しいクルマ」は、メルセデス・ベンツ500SL、ユーノス・ロードスター、ポルシェ911(964)の3台。特に911は、八ヶ岳の峠道でフラット6のエンジン音を背中で聴きながらみずすましのように走り抜けた記憶が忘れられないという。

TEXT●青山尚暉(AOYAMA Naoki)

免許をとってから今までの約40年間、自動車専門誌の仕事にかかわってきたことから、様々な国内外の新車を試乗し、また、30台以上の愛車を乗り継いできた。その間、「運転が楽しかったクルマ」は100台以上に及んでいる。

しかしだ。心底、運転していることが楽しいと感じられる要素は、クルマそのものだけじゃないと思っている。その時代、時代の空気感、シチュエーション、誰と乗っていたか、何をしていたか...などなど。そこで過去に遡り、本当に感動した場面を思い出してみた。

1台目:メルセデス・ベンツ500SL「星空の下、八ヶ岳の峠道を駆けた夢のような思い出」

まずは1980年代中半である。当時、『GENROQ(スーパーカー月刊誌)』の編集の仕事に携わっていたボクは、ある日仕事で、R107、3代目メルセデス・ベンツ500SLのステアリングを握り、夜の八ヶ岳を、夜空に飛び込むような感覚でクルージングしていた。

漆黒の闇の中、最高のワインディングロード駆け抜けていると、オープントップの頭上には満天の星空。そのとき、生まれて初めて、星の降る、キラキラした音が聞こえたような気がしたのである(そんな記事を書いた記憶が...)。

500SLの優雅さ、絶大なる安心感に包まれたエクスクルーシブなドライブフィールがもたらす、運転する幸福感にしびれた経験だ。正確に言えば、運転する楽しさもさることながら、星空の下、メルセデスベンツ500SLで八ヶ岳のワインディングロードをドライブする夢心地な気分に、今でも記憶に残る「最高」を感じたのである。

3代目のメルセデス・ベンツSL(R107)は1971年に登場。着脱可能なハードトップ/ソフトトップを備えたオープンスポーツカーで、500SLは5.0LのV8エンジンを搭載していた。

2台目:ユーノス・ロードスター「飛ばしても飛ばさなくても、最高に気持ち良い」

もう1台もオープンモデルだ。1989年にデビューした日本のクルマ好き、若者を熱狂させた1台、手ごろな価格だったライトウェイトオープン2シーターのユーノス・ロードスターである。

ロードスターではミニサーキットを駆け回ったり、いろいろな体験をさせてもらったのだが、記憶に残るのは、モーターファン別冊『ユーノス・ロードスターのすべて』のフォトエッセイの撮影のため、伊豆高原を訪れた時のことだ。伊豆スカイラインで幌を上げ、天と地のはざまで、まさに人馬一体のドライビングを堪能した体験は、若かりし時代のボクにとって、ある意味、史上最高に運転が楽しく感じられた瞬間だった。クルマから下りたくないと心底思ったのもこのときだ。

運転で気持ちいい汗をかき、クールダウンするために海沿いの国道135号線をゆったりと流す...。幌を上げたユーノス・ロードスターは、飛ばしても、飛ばさなくても、最高に気持ち良さ溢れる身近なオープンスポーツカーだった。

本企画でその名前が上がることが最も多い、ユーノス・ロードスター。
ン十年前(!?)に撮影された、青山尚暉さんとユーノス・ロードスターのツーショット。

3台目:ポルシェ911(964)「いつかはポルシェ。クルマ好きなら誰もがそう夢見る時代があった」

ベスト3の最期を飾る、記憶に残る史上最高に運転が楽しかった(と記憶している)クルマは、964型ポルシェ911カレラ2である。

時は1992年。911は大きなマイナーチェンジを実施し、サイドミラーがエアロタイプのミラー(通称「ターボミラー」)に変更された頃だ。輸入車専門誌の仕事で、これまた八ヶ岳周辺のワインディングロードを激走。今では考えられない全幅1660mm!!というナローなボディサイズだから、道幅の狭い山道をみずすましのように飛ばすにも最高だった。

背後から聞こえてくる空冷フラット6の咆哮、サウンドに感動しつつ、4輪の路面とのコンタクト感をさぐりながらダウンヒルを思いきり楽しみ、理想のラインをトレースできたとき、「心底、スポーツカーっていいな、911は最高だ!!」と、若造ながら感じたものだった。

当時、クルマ好きのオヤジの常套句が「いつかはポルシェ」。そんな夢、希望ある時代だったのである。その頃の911が今、世界的に価格高騰しているのも、分かるような気がしている。

3代目のポルシェ911となる、1989年に登場した964型。四輪駆動のカレラ4(後輪駆動はカレラ2)が初めてラインナップに加わったのが話題となった。92年にはマイナーチェンジを行い、ミラーが砲弾型のスタイリッシュな形状に変更された。

すいません、番外編もあります。

ずいぶん前のことだが、GMの翌年モデルの試乗でアメリカを訪れ、5.7LV8エンジンを積むC5型コルベットに乗り、アリゾナのスリリングなワインディングロードを激走したときだ。まさにクルマとの、ステアリングとの戦い。まさにスポーツ。気持ちいい汗をかいて基地のホテルに戻ってきたとき、同乗していたアメリカ人の開発陣に「ファンタスティックドライビング!!」とお褒め(多分)いただいた。それもまた、最高にファンタスティックな運転の楽しさを満喫できた経験だった。

まぁ、あのアメリカ先住民、偉大な冒険家、西部開拓時代を想起させるアリゾナの大自然の中の道を飛ばせば、どんなクルマでも最高に楽しいんでしょうけどね、きっと。

1997年に登場した、5代目のシボレー・コルベットがC5だ。トランスアクスルレイアウトの採用などにより、スポーツカーとしての資質がこの世代から大幅に高まった。

『最高に運転が楽しいクルマ・ベスト3』は毎日更新です!

クルマ好きにとって、クルマ選びの際に大きな基準となるのは、
「運転が楽しいかどうか」ではないでしょうか。

とはいえ、何をもって運転が楽しいと思うかは、人それぞれ。「とにかく速い」「速くないけど、エンジンが気持ち良い」「足周りが絶品」などなど、運転を楽しく感じさせる要素は様々です。

本企画では、自動車評論家・業界関係者の方々に、これまで試乗したクルマの中から「運転が楽しかった!」と思うクルマのベスト3を挙げてもらいます。

どんなクルマが楽しかったか。なぜ楽しいと感じたのか。それぞれの見解をご堪能ください。

明日の更新もお楽しみに!

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