VWゴルフ8 vs 新型アウディA3 デザイン比較 どっちが好み!?
- 2021/04/24
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CAR STYLING編集部 松永 大演
8世代目となる、ゴルフ8と新型アウディA3。ハッチバックの王道2台がまもなくガチンコ対決。どちらも大いに注目されるモデルだが、ここではそのデザインに注目してみよう。
半歩前進の堅実なゴルフデザイン
VWゴルフは、登場するたびに世の中のスタンダードを大きく引き上げてしまう高い技術力がある。ただし、ことデザインに関しては、ディテールは最先端なのだが全体の造形は大きな一歩ではなく「半歩進む」という進化の仕方をしているように見えて仕方がない。
そのために、歴代モデルを並べてみると緩やかな進化が目に見えてわかる。また、それは初代から基本をしっかりと抑えている証拠でもあるのだろう。つまり、変える必要がないのだ。
特にゴルフを常にゴルフらしく見せているのは、リヤピラーだ。リヤタイヤを支えるようにどっしりと太く伸びるピラーが特徴。いわば大黒柱と言えるもので、この安定感がゴルフの原点となっている。そしてフロントは横幅いっぱいのグリルにヘッドライトを納める形が基本形。そこから、ヘッドライトの大きさが進化し現代に至る。グリルやヘッドライトは技術の必然に従い、単にアイコンであることを堅持しない姿勢が潔く、必要のないサイズは持たないし、空力のために下に下げることも辞さない。必要最小限の表現に止めるが、そこでゴルフらしさを表現できているのは、まさにゴルフの基本に従ったデザインのなせる業だ。
直線基調のかっちりとした箱のイメージなのだが、モデルごとにやや横に広がる傾向は賛否の別れるところだ。
シックスライトながら、よりスポーティな造形を目指すA3
ところが、アウディには呪縛のように背負わされたデザインが伝統的に存在する。それがシックスライトのプロポーションだ。左右計6枚のウインドウをもつという意味で、Cピラーにサイドウインドウを持つ姿を常に継承している。4ドアセダンに伸びやかさをクーペ的なフォルムを印象づける反面、細いCピラーによって堂々とした印象を作りにくいというデメリットもある。
しかしそんな逆境をあえて持ちながら、A8などは独自のプレミアム性を生み出してきた。まさにアウディにはなくてはならないスタイルを確保したのだ。ある意味アウディは他車よりも限りある小さな面積のCピラーで、いかに上質な造形を作り上げるかを心底研究してきたメーカーでもある。
とはいえ、A3の5ドアハッチバックについて言うのならば、つねにある悩みはワゴンに見えやすいということだ。ゴルフやルノー・メガーヌ、プジョー308のような軽快さや、華やかさを持ちにくい、ちょっと生活感を感じやすいプロポーションとなりやすいという部分ある。
そこで今回の新型A3のキーとなったのが、歴史でもあるスポーツアイデンティティの継承だ。アウディのスポーツ性の発祥となる、フルタイム4WDのクアトロ技術によるラリーでの功績をデザインアイデアの中に取り込んだ。1980年に登場した3ドアハッチバックのクアトロはWRC(世界ラリー選手権)を席巻。さらに一歩進んで1982年にはショートホイールベース化しグループBのホモロゲモデルとして登場したスポーツクワトロが登場し、いくつかの進化を繰り返していった。新型A3は、アウディにとってスポーツハッチの原点となるこの一連のエボリューションモデルを参考とした。
スポーツクワトロは短かな全長に豊かなブリスターフェンダー、そしてエアインテークの追加されたボンネットなども特徴とした。これらのスポーツ要素を織り込みつつ、5ドアハッチバックとしての6ライトフォルムを融合させたのが新型A3スポーツバックだ。筋肉質のどっしりとした下半身と、小さく見せるキャビンによって、俊敏さとエレガントさを併せ持っている。
サイドビュー比較
ゴルフ、A3ともに伝統の継承を続けつつ、Cセグメントとしての進化が見受けられる。とはいえ圧倒的な質感向上を果たしているこの下のBセグメント、またBセグメント派生のSUVモデルに対して、どれだけのアドバンテージを示せるのか? それは質感なのか、ドライバビリティなのか、またして機能なのか。ここが両車の大きな課題として開発されたものと思う。是非とも実車で確認してみたい部分だ。
さて、あなたはどっちが好みでしょうか?
インパネ比較
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