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トランスアジア・クラシック2018リポート イスタンブールはやっぱりカオスだった! 【クラシック・ボルボで行くオランダから北京の旅 TAC2018 リポート第2回】

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アンカラからネヴシヒールに至る道中で立ち寄った古のキャラバンサライの跡。最も西で今も残っているかつての隊商宿の遺跡。

オランダから北京へ──。飛行機なら現実的だが、それがクルマなら? あるいはそれがクラシックカーなら? とてつもない現代のアドベンチャーに参加したジャーナリストのリアルタイムリポート。すでにツアーは6月30日にスタートしているが、ネット環境が確保できないので、原稿と写真が来たときの不定期連載となる。旅はすでに11日目を迎えトルコ・ドウバヤジットに到着している。
REPORT&PHOTO◎高平高輝(TAKAHIRA Koki)

本当のスタートはトルコ

セルビア・ベオグラードまでやってきた。アマゾンを現地の速度で快調に走らせる。

 4日間で2800kmほどを走ってイスタンブールに到着。ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアが向き合うこの都市がシルクロードの西の玄関口と言っていい。かつてコンスタンチノープルやビザンチウムと呼ばれたイスタンブールは、現在およそ1500万人の人口を抱えるトルコ最大の都市である。

セルビア・ブルガリア国境ではトルコに帰る車と一緒に大行列。それに比べればトルコ入国は比較的スムーズだった。

 EU未加入のセルビアを通り抜け、ブルガリアに入る国境ではパスポートチェックにたっぷり2時間はかかったが、それに比べればトルコに入る国境手続きは比較的スムーズ、と言っても1時間半はかかった。EU圏外の国なので、パスポートだけでなく、保険、カルネをチェックされ、トルコの高速道路用発信機付きカードなどを入手しなければならない。

 ブルガリア辺りから目に付くのは猛烈に先を急ぐアウディやBMWだ。今どき珍しく傍若無人にウィンカーを点滅させ、ハイビームを浴びせて飛ばしているが、それらは皆故郷へ帰るトルコ人ドライバーだというのがオランダ人の説明。「大抵黒っぽいアウディだ」と911カブリオレ(993)で参加しているベルギー人夫婦。「クラシックカーに対する敬意がない」と憤慨していた。オランダやドイツから走りっぱなしで2日間でトルコに帰るらしい。

我らがアマゾンも長距離ドライブに備えて砂さんが様々な準備をしてきた。予備の燃料タンクやオイル缶、できるだけの予備パーツ、スペア2本などを満載。
タイヤはダンロップのセミグラベル用(サイドウォールが強いが、高速では真っ直ぐ走らない!)に交換、実はダンパーもテインの特製品(おそらくクラシックカー用として初の別タンク式)に代えてある。
他の参加車もそれぞれに準備してきているようだが、距離を重ねるにつれて修理を受ける車が増えてきた。白い240エステートが積んでいるのは911用のスペア。

 大都市イスタンブールの郊外は高層マンションが林立し、街中を抜ける4車線の高速道路も東京並みに大渋滞、違うのは左右からグイグイ割り込んでくる地元のドライバーたちだ。イタリアやギリシャなど南欧を思い出させるカオスである。昔はこんなの慣れっこだったはずなのに、ドライバーの砂さんはなかなか馴染めない様子だが、これはまあ大都市だけなのでホーンを浴びせられても気にしないことにする。

イスタンブールを出発する際にはトルコの地元TV局の取材を受ける。ナンバーのRUをロシアだと勘違いする人多し。
長い上り坂や渋滞ではストップする車も少なくないが、何とかすべて修理して脱落者を出さないのが自慢だという。

この2人の女性がこのツアーのガイドでキーパーソン。左がマリカで右がマルティナ、マリカは自転車でオランダから北京まで走ったという兵だから頼もしい。別の機会にもっと詳しくお伝えする。
 イスタンブールではスタート後初めてのレストデイ(2泊する)があり、参加者の大半はブルーモスクなど市内の有名観光地を回るオプションツアーに出かけたが、メカニックたちには貴重なメンテナンス日となる。

 このツアーにはパーツと工具を満載した2台の240エステートのサービスカーと4人のメカニックが同行しており、トラブルに対応してくれる。実は我がアマゾンもイスタンブールからアンカラに至る途中でエンジンが何となくおかしくなり、ネヴシヒールでの次の休息日(カッパドキア観光のためここも2泊)に点検してもらったところ、3番シリンダーのタペット調整ナットが緩んでいることが判明。最初はポイントかプラグのせいで失火しているかと思ったのだが、早いうちに手当て出来てかえってラッキーだった。

 おかげで他のアマゾンが長い上り坂(標高2000m超の峠をいくつも超えた)でべーパーロックに苦しんでいるのに対し、我らがアマゾンは現在すこぶる快調である。11日目を迎えた今は、トルコ東部のドウバヤジット郊外のホテルで3度目のレストデイを迎えた。ノアの箱舟が大洪水の後にたどり着いたという伝説があるアララット山の麓に位置するこの町はイラン国境にも近く、明日はいよいよその国境を越える。要するにこれまでは序の口、これからが本格的なシルクロード・アドベンチャーである。

ご存知世界遺産カッパドキアの熱気球、最大150機も上がるという一大観光産業だ。

いざ出発!【クラシックカーで行くオランダから北京の旅 TAC2018 リポート第1回】

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