総額380万円で30数台の中古車を乗り継ぐ男の新連載!「我が中古車人生に一片の悔いナシ!!」 嗚呼、楽しきかな中古車ライフ 第14回:スタイリングが購入の決め手になった唯一のクルマ XJ140オペルティグラ編(その1)
- 2018/09/24
- HYPER REV編集部 廣嶋 健太郎
ハイパーレブ/ManiaxCars編集長のケン太郎す。
これまで『OPTION』や『R30&R31 Magazine』なんかでも書いてきたけど、
運転免許証を取得して30年弱、国産車を中心に、
中古車ひとすじ30ン台を乗り継いできた立場から、
その楽しさや思うことなんかをツラツラと書いていきたい。
今回はカミさんの足グルマとして、
ヒロシマ家に初めて導入されたドイツ車、初代オペルティグラだ。
これまで身銭を切って購入(タダなのも数台あったけど、笑)、維持してきた30数台の中古車を改めて思い返してみる。
「なにを基準にそのクルマを買ったか」というと、一番は間違いなく購入価格の安さだ。これまでの経験から、相変わらず世間一般でまかり通ってるであろう「安い中古車は壊れる」という概念が、オレにはまるでない。だから、ヒトケタ万円の中古車を買うことに対して抵抗感もなければ不安感も皆無だ。
逆に、中古車に対して「年式は新しいし、そこそこの値段もするから壊れないだろう」ともし思ってるひとがいるとしたら、それはなんの根拠もない幻想だってことを言っておきたい。
その上で、中古車購入時にオレが気にするのは、そのクルマならではの個性があるかどうかってこと。それも、搭載されるエンジンを中心としてメカニズム的に見どころがあるか、もしくはグレード的にちょっと変わってるのを選ぶ傾向が強いと自己分析する。
たとえば、初めて買ったDR30スカイラインRSターボ。そのボンネットの下に収まるFJ20ターボは80年代初頭に勃発したパワーウォーズをけん引し、結果的にシルビアやガゼールにも搭載されたけど、そもそもがDR30専用として設計されたモノ。4気筒ながらS20以来となる4バルブDOHCヘッドを載せ、当時大きな話題を集めた。
他にも、世界初の量産型ツインチャージドエンジン、MA09ERT搭載のEK10マーチスーパーターボとか、デュアルレンジ5速MTを採用したスバル初のMTフルタイム4WDモデル、レオーネRX-Ⅱそれもセダンとか、国産初となる量産リヤミッドシップ車AW11 MR2の前期型NAノーマルルーフとか、550ccの2気筒スーパーチャージャーにECVTが組み合わされたレックスVXスーパーチャージャーとか。
また、変わったグレードってことなら、B12サニースーパーサルーンNISMOやCA1アコードエアロデッキ1.8LXあたりが該当するだろう。
そんなオレ基準で中古車を選び、乗り継いできた中で1台だけ例外がある。
それが、オペルティグラ。
これだけはスタイリングに惚れ込んで購入に踏み切った唯一のクルマなのだ。
マーチ? それともヴィータ? いや、待てよ…
それまでカミさんはオートザムキャロルに乗ってたんだけど、軽自動車だと(3速ATってこともあって)高速道路で実家に帰ったりするのがたいへんだし、荷物ももうちょい積めるクルマがいいってことで、次期FXは1.3ℓクラスのコンパクトカーに照準を定めた。
その時、真っ先に候補に挙がったのがK11マーチの1.3ℓモデルだった。当時、EK10の面倒を見てもらうのに浦和のマルホランドにちょくちょく出入りしてたからK11は身近に感じてたし、代表の倉本さんにも相談した。
K11は、たしかにいいクルマだ。でも、当たり前すぎてちょっと芸がないな…と、選んでおきながらいまひとつ乗り気にならなかったのも事実。クルマ好きは変なこだわりが邪魔をして、こういうとこで二の足を踏んでしまうのがダメだ(笑)。
そんなK11と並んで候補に浮上してきたのがオペルヴィータ。乱暴な言い方をすればドイツ版マーチみたいなもんで、折しもキムタク&常盤貴子主演のTVドラマ『ビューティフルライフ』に登場したことをキッカケに、赤いヴィータがバカ売れした数年後というタイミングもあって、中古車のタマ数が多く価格もこなれていた。
しかし、そこで新たな悩みが出てくることになった。
安く上げるなら断然K11マーチで、手に入れてから軽くイジる楽しみもあるけど、いかんせん芸がなさすぎる。
一方、ヒロシマ家初のドイツ車としてヴィータを買うのはアリだけど、だったら安く買えるK11マーチでいいんじゃないか。
はたから見ればどうでもいいことなんだけど、マジで1週間くらいオレの中ではそんな堂々巡りが続いていた。
そんな最中、一応、輸入車をメインに扱う雑誌の編集者もちょっと経験してるオレは、あることを思い出した。「たしかヴィータをベースとした2ドアクーペがあったんじゃなかったっけ?」と。調べてみると…そうそう、ティグラだよティグラ!
コンパクトカーなのにスポーティカー然としたスタイリング。ひと目見て、その姿にすっかりヤラレてしまった。2+2だけど、ふたりのこどももまだ小さいから、家族で乗るにも問題ないだろ。基本設計はヴィータと同じだから、万が一トラブってもパーツに困ることはなさそうだし。
よし、ティグラを買おう!
そうと決まれば、行動あるのみ。ネットで中古車情報を検索すると、大田区のなんとかっていう中古車屋に3台の出物があることを突き止め、速攻で電話。その週末、さっそくカミさんとその中古車屋に足を運ぶことにした。
赤、青、黄色…どれにする?
ワクワクしながら中古車屋を訪れると、マグマレッド、パイナップルイエロー、セラミックブルーと、3台のティグラがお出迎え~。年式や走行距離までは覚えてないけど、乗り出し価格は3台ともそう変わらず、数万円の違いしかなかったと記憶してる。
つうか、実車を前にしてそのカッコよさを実感! 塊感があって、ノーズからルーフにかけてのラインやBピラーの独特な形状、意外にもボリューム感があるリヤフェンダーなど巧みにデザインされてることを思い知る。
前席は無段階のシートリフター付きで、一番下まで下げればオレが乗ってもヘッドクリアランスは余裕。足を前に投げ出し気味のポジションはスポーティカーのそれだ。+2の後席は身長160cmまでのひとしか乗れないけど、小学生のこどもが乗る分には問題ナシ。ラゲッジルームは深さがあるんで、容量的には十分だろう。家族で使う4人乗りとして過不足はない。
で、とりあえず3台それぞれに試乗。この時、オレはスピード違反の累積で90日免停(講習受けて短縮されたけど)を食らってる最中だったんで、カミさんがステアリングを握ることに。というか、普段はカミさんが乗ることになるんだから、3台を乗り比べてもらって気に入ったのを買えばいいか、と。
オレはティグラのイメージとしてパイナップルイエローかな…と思ってたけど、色あせしそうだったんで考えを改める。それはマグマレッドも同じだ。
ただ、おそらく他のクルマじゃ選ばない色だけに、ティグラでそのへんの色を乗っておくのもアリなんじゃない? と思いつつ、結局は一番おとなしいセラミックブルーに決めた。というか、それだけ唯一オプションのチルト&スライド電動サンルーフがついてたんで消去法で残ったってのが正しい。オレもカミさんもタバコを吸うんで、サンルーフが決め手になったわけだ。
車検10ヵ月付き、走行4万5000kmのティグラ。乗り出し価格は52万円で、これまで乗り継いできた中古車の中でトップ3に入る高額車両だ(笑)。
こうしてヒロシマ家へとやってきたティグラは、ナリはちいさくてもさすがドイツ車。コンパクトカーとは思えないほどボディやステアリングの剛性感が高く、ブレーキペダルのタッチなんかもえらくカッチリしてて、国産コンパクトとはまるで別モノであることを実感した。普段オレが乗ってるのがボディなんてペナペナなEK10だったから、余計にそう思ったのかもしれない。
なにより驚いたのが高速道路での走りだ。車重は1050kgしかないのに、地面にビタッと張り付いたような安定感を見せてくれる。それもスピードレンジが上がるほどに安定していくような感じで、たったの90psしかないのにメーター読みでキッチリ○○○km/h(自主規制)まで出たのを確認して、「さすがアウトバーンの国で生まれたクルマだ!」な~んて勝手に納得もした。
と、カミさんの足グルマとして毎日の買い物に、家族でのドライブに活躍しまくりなティグラだったんだけど、実はコイツが結構な“金食い虫”に化けちゃったりするんだな~。
話が長くなりそうなんで、続きは次回ということで!
第13回:L141GW パジェロ ワイドメタルトップワゴン スーパーXL-W編
第5回:HR31スカイラインGTSツインカム24VターボNISMO編
ランサーV6にエテルナサヴァにディグニティに…と、
本誌でしか見られないミツビシ車多数(笑)。
トラックマニア必見のUDサングレイトも、
北海道は帯広で実働車を取材!
買わないと損するよ~。
全144ページ、税込1500円。
マニアのための変態グルマ本が独立季刊化。
創刊号は『バブルマツダ』特集だ。
5チャンネル時代の魅惑のモデル(!?)がてんこ盛り!!
ペルソナvsユーノス300、レーザーvsファミリアNEOなど、
なんの参考にもならない比較試乗は必見だ(笑)。
全144ページ、税込1500円。
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