ホンダNSXで東京〜北海道往復1500km走破! 旅行用の荷物は積めるのか? そして実燃費と意外な弱点
- 2019/09/14
- GENROQ編集部 永田 元輔
ミッドシップの国産スーパースポーツ、NSX。その走りは非常に評価が高いですが、このようなスーパースポーツカーで長距離ドライブって可能なんでしょうか? というわけでこの夏にNSXで東京から北海道往復というロングドライブを敢行してみました。果たして、どのような楽しさと苦労がそこに?
REPORT&PHOTO●永田元輔(NAGATA Gensuke/GENROQ編集長)
スポーツカーで旅行をする時にまず心配なのは、荷物がちゃんと載せられるのか、ということ。今回のNSXツーリングは2名(つまりフル乗車)だったのですが、とにかくNSXの室内は物を置く場所がない!シート背後もほぼスペースはゼロです。なので荷物は必然的にエンジン後ろのラゲッジスペースに入れることになります。
このラゲッジスペース、開口部は狭いですが、中は横幅がほぼ全幅ギリギリまで確保されているので、大型スポーツバック2個とリュックが難なく収まりました。もっとも、固いスーツケースだとちょっと厳しいかもしれませんが……。いずれにしても室内に財布と携帯より大きいものを持ち込む場合は、助手席の人間が抱えるか足元に置くしかありません。
東京を昼ごろ出発し仙台港まで走り、そこから苫小牧行きのフェリーに乗ることにしました。フェリーは19時40分発なので余裕があるかと思ったのですが、注意事項を読むと乗船の90分前までに手続きを済ませること、とあります。つまり18時10分には到着しなければいけません。ちょっと焦ったのですが、なんとか18時前に仙台港に到着することができました。それにしても高速でのNSX安定感はさすがです。全くストレスなく仙台まで1回だけの休憩で走ることができました。
フェリー乗船を待つクルマが停まっている広場にNSXを入れると、係のおじさんがすぐに「あっちの事務所の前で待機してください」とNSXをのけ者に。え?なんで?と思いつつ言われた通りに移動して事務所で手続きを行います。そこで窓口のお姉さんに
「あの〜そこで待機しろって言われたんですが」
「あ、車高低いですか?」
「はい、スポーツカーです」
するとお姉さん、ルームミラーに下げる乗船札に大きく「低」の字をマジックで書き込みました。なるほどね、そういうことか。
大人しく事務所前に停めたNSXの中で待機していると、程なくクルマの積み込みが始まりました。どんどんクルマがフェリーに吸い込まれ、待機車両が減っていきます。しかしNSXは放置プレイ状態。19時を過ぎ周囲も薄暗くなり、さすがに心配になってきました。ひょっとしてこのままNSXを置いて出航してしまうつもりなんじゃ。。。
また事務所に入って確認するも、いいからそのまま待ってろ、という返事。そうこうしているうちに後ろにエアロのついたZ32が同じように待機。仲間が増えてちょっと安心です。
ようやくおじさんがやってきて、乗船許可が出ました。わざわざ別にされたくらいだからスロープの段差が結構あるのかと不安だったのですが、思ったよりなだらかでした。一応斜めにアプローチしましたが、まっすぐ進入しても大丈夫そうなくらいです。
この日は南の方に台風もいて波が多少はあったようですが、太平洋フェリーの「きたかみ」は総トン数1万3694、全長192.5mの大型船だけあって、揺れもごくわずか。一晩ぐっすり眠って、苫小牧到着は翌日の11時。遅く乗船した分、下船の順番はかなり早いです。スロープも問題なくクリアし、北海道に上陸しました。この日の目的地は小樽。実は札幌に用事があったので、小樽に一泊して翌日札幌に向かいます。
用事を済ませたら夕方に札幌を出発し、次は函館に。せっかく北海道に来たのにも街中ばかり走っているような感じですが、色々用事を済ませなければならないので、しょうがありません。何しろ仙台でもひとつ用事があるのです。だから札幌から函館に向かって函館で一泊したら翌日はフェリーで青森に渡り、そこから東北道で仙台に向かう、というスケジュールです。
通常は札幌から函館だと道央自動車道を使うのが一般的ですが、距離的にはやや遠回りになってしまうのと高速より一般道を走りたかったので、230号を使って西に向かうことにしました。支笏湖や洞爺湖の横を抜けていくこのルートは美しい景色の中を適度なワインディングもあり、NSXで走るには最高のドライブウエイです。内浦湾まで出たら、豊浦ICから道央自動車道に乗って函館へ。4時間以上かかりましたが、NSXは実に快適でストレスもなく走れました。それにしても北海道はデカい。移動だけでこんなに時間がかかってしまうとは……。
濃霧で函館山からの夜景がほとんど見えなかった鬱憤を朝市の海鮮丼で晴らし、11時35分函館発のフェリーで青森に向かいます。今度のフェリーははるかに小さく、スロープもやや急です。緊張しましたが、誘導係のおじさんが下回りを見ていてくれて、問題なく乗船できました。
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