NOKの最新テクノロジー:キーワードは「低フリクション化」 NOKのオイルシール「Le- μ' s」(レミューズ)に驚く。しかもオイルシールだけじゃない! フレキシブル基板、脳波用ゴム電極まで PR
- 2019/11/15
- Motor Fan illustrated編集部
NOKは国内初のオイルシールメーカーとして1941年に創業(「日本オイルシール工業」が同社の前身)。以来、その技術を磨き続けている老舗的存在だ。信頼性の高さはもちろん、さまざまな極限条件下での使用を可能とする高性能なシール部材を手がけており、その用途は自動車だけにとどまらず、数多くの分野に広がっている。キーワードは「低フリクション化」である。NOKの最新テクノロジーをレポートしよう。
低フリクション技術を駆使した「Le- μ' s」(レミューズ)
NOKは、自動車業界において高まるエネルギー効率向上という要求に応えるべく、低フリクション化を図った製品を続々とリリースしている。言うのは簡単だが、もともと低フリクション化は、オイルシールにおいてもっとも重要な役目であるシール性と相反する関係となりやすいうえ、またそのシンプルな構造ゆえに改善の余地を見出すことも容易とは言い難い。同社では形状設計、材料技術に加え、コーティングやグリースなど全方位からのアプローチによりこれを実現。素材から設計製造まで、オイルシールに関わるほぼすべての技術を掌握する同社の知見によるものだ。
NOKが展開するLe-μ's(レミューズ)は、同社の低フリクション技術を使ったシール製品群のブランド名である。Le-μ's は、Low emission μ sealの頭文字をとったものだ。製品群は4つ。同社の社名の由来でもあるオイルシール、そしてシールリング、SP処理Oリング、回転・揺動用ロッドシールである。
自動車の低燃費化が進められるなか、シールにも一層の低フリクション化が求められている。NOKは、形状設計技術、表面機能設計技術、材料設計技術、グリース技術の4つの低フリクション技術を駆使して、シール性能を保持しつつ低フリクション化を実現した。主力のオイルシールを例に挙げると、電動化やモジュール化が進めば、オイルシールが使われる箇所は減るかもしれないが、使用される部品は小型化、軽量化され、軸の小径化とともに高回転化が進む。高回転時にフリクションが高いと熱を持ってしまう。また、クルマのシェアリングが拡大すれば、使用頻度、時間も大幅に増え耐久性の要求も高まると予想される。そこで必要になるのは、低フリクション化された高性能オイルシールなのだ。
複雑化するハーネスの代替手段=FPC(フレキシブル基板)
NOKがもうひとつの柱としているフレキシブル基板(FPC=Flexible printed circuits)の技術についても、現在製造中の車載用製品に加え、用途拡大が期待できる応用例として、触覚インターフェースを備えるグローブなどを展示。基軸とする技術を大切に育て、守りながら、その強みを生かすことで守備範囲を広げていく姿勢は、日本の技術屋集団らしい堅実さが窺えるものだ。
脳波用ゴム電極とポアセンサモジュール
脳波用ゴム電極
ポアセンサモジュール
東京モーターショーでとくに興味深かったのはNOKの新分野へのチャレンジだ。花粉から細菌、ウイルスのような、ごく微細な粒子を検出するためのセンサーモジュールや、人間の脳波などを皮膚に押し当てるだけで検出するためのゴム電極(商品名:Sotto)など。オイルシールとは大きくかけ離れているように思えるが、そこにはゴム配合技術や成形技術など、オイルシールで培った技術が応用されている。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebこれが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー