マツダ「i-ELOOP」のしくみ。キャパシタを使って何をしているのか。
- 2019/07/28
-
世良耕太

キャパシタを使った燃費改善のマツダ流飛び道具「i-ELOOP」。なぜバッテリーではないのか、その構造とねらいとは。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)
キャパシタを採用した減速エネルギー回生システム、i-ELOOPは2012年11月に発売したアテンザから採用。2013年10月に発表したアクセラのSKYACTIV-G2.0、SKYACTIV-D2.2にも設定した。減速時のクルマの運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、再利用する技術だ。

ハイブリッドシステムで一般的に行なっている技術だが、モーターによる駆動力のアシストは行なわない。i-ELOOPは減速時にオルタネーターで発電した電力をキャパシタに蓄える。駆動時はオルタネーターを休止することでエンジンの負担を減らし、必要な電力はキャパシターから供給する仕組み。
減速時に効率良く電気を回収するため、12-25Vの可変電圧式オルタネーターと低抵抗電気二重層キャパシタ、DC/DCコンバーターを採用。アクセルをオフにした瞬間から、最大25Vの電圧で発電し、キャパシタを数秒で満充電にする。キャパシタに一時的に蓄えられた電力はDC/DCコンバーターで12Vに降圧し、直接エアコンやオーディオなどの電装品の電力として供給するほか、必要に応じてバッテリーの充電も行なう。
キャパシタ本体には日本ケミコン製の電気二重層型を採用。容量は25kJ(6.94Wh)。従来の電気二重層キャパシタの耐熱性は60°Cだったが、過酷な条件下でも安全に使用できるよう耐熱性を70°Cに高めている。これによりエンジンルーム内への搭載が可能になった。

|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費が劇...
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復...

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に洗練...
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこそ光...
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4とリフ...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?
