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マツダ「i-ELOOP」のしくみ。キャパシタを使って何をしているのか。

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キャパシタを使った燃費改善のマツダ流飛び道具「i-ELOOP」。なぜバッテリーではないのか、その構造とねらいとは。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)

 キャパシタを採用した減速エネルギー回生システム、i-ELOOPは2012年11月に発売したアテンザから採用。2013年10月に発表したアクセラのSKYACTIV-G2.0、SKYACTIV-D2.2にも設定した。減速時のクルマの運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、再利用する技術だ。

 ハイブリッドシステムで一般的に行なっている技術だが、モーターによる駆動力のアシストは行なわない。i-ELOOPは減速時にオルタネーターで発電した電力をキャパシタに蓄える。駆動時はオルタネーターを休止することでエンジンの負担を減らし、必要な電力はキャパシターから供給する仕組み。

 減速時に効率良く電気を回収するため、12-25Vの可変電圧式オルタネーターと低抵抗電気二重層キャパシタ、DC/DCコンバーターを採用。アクセルをオフにした瞬間から、最大25Vの電圧で発電し、キャパシタを数秒で満充電にする。キャパシタに一時的に蓄えられた電力はDC/DCコンバーターで12Vに降圧し、直接エアコンやオーディオなどの電装品の電力として供給するほか、必要に応じてバッテリーの充電も行なう。

 キャパシタ本体には日本ケミコン製の電気二重層型を採用。容量は25kJ(6.94Wh)。従来の電気二重層キャパシタの耐熱性は60°Cだったが、過酷な条件下でも安全に使用できるよう耐熱性を70°Cに高めている。これによりエンジンルーム内への搭載が可能になった。

バッテリーは化学反応によって充放電を行なうのに対し、キャパシターは物理反応によって充放電を行なうため、素早く大量の電気を充放電でき、長時間使用しても劣化が非常に少ない特長を持つ。主要材料は活性炭であり、重金属や貴金属は使用しない。

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