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ZF 8HP Gen.4:矢継ぎ早に進化するZF 8HP 8速オートマチックトランスミッション さらなる多段化より電動化でCO2を削減する ZF 進化するトランスミッション 電動化時代も縦置き用ATの主役は8HP。BMWとFCAは採用決定!

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ZFの8速AT 第四世代(Gen.4)のPHEV仕様

ZFは、7月にドイツで行なわれた「ZF Global Technology Day 2019」で、8HPの第4世代(Gen.4)についての発表を行なった。すでにBMWとFCAから大口の受注を獲得しているGen.4の注目ポイントは「電動化」への対応だ。縦置きオートマチックトランスミッションのベンチマークと言える8HPがどう進化するのか、ドイツで取材した。

TEXT◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)FIGURE◎ZF

ドイツ・ドレスデン近郊で行なわれた「ZF Global Technology Day 2019」で、8HP Gen.4を解説するPatrick Gutmann (パトリック・グットマン)氏 (Head of System Architecture, Car Powertrain Technology=カーパワートレイン・テクノロジー事業部システム・アーキテクチャ責任者)。
 ドイツのメガサプライヤー、ZF社は、センサー、ステアリングシステム、シャシーシステム、そして近年では自動運転、MaaS分野にも力を入れている。とはいえ、もっとも知られているのは、トランスミッションだろう。
 縦置き用オートマチック・トランスミッションの「8HP」、横置き用の「9HP」そしてポルシェ911が採用するDCTの7速/8速のDCTなどを開発・製造している。なかでも、8HPはトランスミッション界のベンチマークと言えるほどの評価を受けている。BMWをはじめ、世界の名だたるプレミアムメーカーがZFの8HPを使う。

 その8HPが登場したのは、2008年だった。
 6速ATがもっともギヤ段数の多いトランスミッションだった時代に7速を持ち込んだのは03年のダイムラー(メルセデス・ベンツ)だった。06年にはアイシン・エィ・ダブリュが8速ATを開発、ジヤトコは7速、ZFが8速を相次いで開発した。現在、ダイムラーは9速、アイシン・エィ・ダブリュは10速ATを持っている。

名機8HP。こちらは、2011年登場のGen.2。レシオカバレッジは7.81。8HPの8はギヤ段数、Hはトルクコンバーター(トルコン内蔵油圧パワードライバー)、Pはプラネタリーギヤを意味する。

 9速、10速が登場しても縦置きATのベンチマークは、ZFの8HPだ。そのZFは、9速以上の多段化は不要といい、効率を上げ、レシオカバレッジ(1速のギヤ比を最ハイのギヤ比で割った数字)を拡げることで8HPを進化させてきた。

8HPのGen.2からGen.3への進化は、ずばり「レシオカバレッジの拡大」だった。7.0台から8.0台に入ったのだ。

2008年のGen.1のレシオカバレッジが「7.01」
2011年のGen.2が「7.81」
2018年に新型BMW3シリーズ、Z4/スープラから採用が始まったGen.3では、8速のまま8.20(8.594の仕様もある)までレシオカバレッジを広げてきた。

 18年にGen.3をデビューさせたばかりのZFが8HPをどう進化させるのかは、トランスミッションの将来がどうなるか、の道標となるだろう。さらなる多段化か、レシオカバレッジの拡大か。

 ZFが出した答えは、「電動化」だった。

 ZFが「4th Generation(Gen.4)」と呼ぶ次世代8HPは、名前通り4つのプラネタリーギヤセットを持つ8速ATだ。つまり、ギヤ段数は8速のまま。しかし、性能の向上幅は大きい。2022年に生産開始という8HP Gen.4の詳細を解説していこう。

8HP Gen.4は、「電動化」「統合化」「CO2削減」「フレキシビリティ」の4つのテーマのもとに開発している。なかでも「電動化」はGen.4のメインテーマである。
#ZF

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