快適かつスポーティ! その走りの良さは助手席からでも分かる。 【連載】ポルシェ・カイエン 全解説⑤助手席インプレッション編
- 2017/10/11
-
MotorFan編集部
最終回となる今回は、”助手席インプレッション”。ポルシェのテストドライバーによる新型カイエンの走りは、進化を実感させ、リヤアクスルステアリングをはじめ、その機能の全貌を明らかにしてくれた。
REPORT◎山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
新型ポルシェ・カイエンのテクニカル・ワークショップは、ドイツのデュッセルドルフ近郊にある、日本のJAFに相当するADACが所有するテストコースで行われた。ポルシェがここを会場として選んだ理由は、助手席からではあるが、その走りを参加したメディアに体験させることにあった。コンパクトなハンドリングコースと、それに併設されるオフロードコースを使用しての同乗試乗だったため、残念ながらカイエンが誇る高速域での走りは体験することはできなかったものの、それでも3世代にわたる進化の中で、プレミアムSUVとして、そして何よりポルシェの4ドアスポーツのひとつのカタチとして魅力を高めてきたカイエンの最新像を楽しむことができた。
まず助手席へと迎え入れられたのは、ハンドリングコースでの走りを体験するために用意されたターボだった。大小さまざまなサイズのコーナーが連続し、途中にはウエットコンディションを作り出したセクションもあるコースは、助手席からでも十分に走りの質が高いことが確認できた。
印象的だったのは、新たに3チャンバーのエアサスペンションを採用したサスペンションが生み出す素晴らしい乗り心地で、それはまさに高級サルーン並みの快適さだった。キャビンは開放的な雰囲気で、前席、後席ともにその周囲には余裕のあるスペースがある。これならば長時間の移動も苦にはならないだろう。
最初のラップが終わると、カイエン・ターボは一気にペースアップした。サスペンションの動きはここでもナチュラルの一語に尽き、さらにリヤアクスルステアがコーナリング時のターンインを、よりクイックなものにしているのだろうということが想像できる。最終的にはスタビリティ・マネージメントなどのデバイスをキャンセルした状態での走りをポルシェのテストドライバーは楽しませてくれたが、シートポジションが高いことを除けば、新型カイエンの走りは、例えば4ドアサルーンのパナメーラなどとまったく変わらない、実にスポーティなものであることが分かった。
試乗車をターボから「カイエンS」へと乗り換えて次はオフロードコースへと向かう。カイエンSにはオプションでエアサスペンションを装着することも可能だが、試乗車はオーソドックスな金属スプリング仕様。乗り心地はそれまで乗っていたエアサスペンション仕様と比較しても、けっして悪いとは感じられない。オフロードコース内には、傾斜角が40度というヒルクライムのセクションもあったが、それでもカイエンSは抜群のトラクション性能と、車体コントロールを感じさせながら、いくつものセクションをクリアしていく。
オンロード・パフォーマンスとオフロード・パフォーマンスの両立。そしてそれぞれの中で相反するさまざまな性能を高次元でバランスさせてきた新型カイエン。21世紀にプレミアムSUVという新しい市場を築いたパイオニアは、想像していた以上に魅力的な存在へと進化を遂げたようだ。
SPECIFICATIONS
ポルシェ・カイエン・ターボ
■ボディサイズ:全長4926×全幅1983×全高1673㎜ ホイールベース:2895㎜ ■車両重量:2175㎏ ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3996cc ボア×ストローク:86×86㎜ 圧縮比:10.1 最高出力:404kW(550ps)/5750〜6000rpm 最大トルク:770Nm/1960〜4500rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:4WD ■サスペンション形式:F&Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F285/40ZR21(9.5J) R315/35ZR21(11J) ■パフォーマンス 最高速度:286km/h 0→100km/h加速:3.9秒(スポーツ・プラスモード時) ■環境性能(EU複合) CO2排出量:272〜267g/km 燃料消費量:11.9〜11.7ℓ/100km
SPECIFICATIONS
ポルシェ・カイエンS〈カイエン〉
■ボディサイズ:全長4918×全幅1983×全高1696㎜ ホイールベース:2895㎜ ■車両重量:2020〈1985〉㎏ ■エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ〈V型6気筒DOHCターボ〉 総排気量:2894〈2995〉cc 圧縮比:10.5〈11.2〉 最高出力:324kW(440ps)/5700〜6600rpm〈250kW(340ps)/5300〜6400rpm〉 最大トルク:550Nm/1800〜5500rpm〈450Nm/1340〜5300rpm〉 ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:4WD ■サスペンション形式:F&Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F255/55ZR19(8.5J) R275/50ZR19(9.5J) ■パフォーマンス 最高速度:265〈245〉km/h 0→100km/h加速:4.9〈5.9〉秒(スポーツ・プラスモード時) ■環境性能(EU複合) CO2排出量:213〜209〈209〜205〉g/km 燃料消費量:9.4〜9.2〈9.2〜9.0〉ℓ/100km
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
株式会社T2
自動運転トラック搬送システム
年収
700万円〜1600万円
勤務地 東京都中央区八丁堀3丁目10-3 JP-BASE京...
この求人を詳しく見る
自動運転車両による物流サービスの実現を目指す日系企業
ソリューション営業
年収
700万円〜1300万円
勤務地 東京都千代田区
この求人を詳しく見る
株式会社T2 自動運転トラック搬送システム
年収 | 700万円〜1600万円 |
---|---|
勤務地 | 東京都中央区八丁堀3丁目10-3 JP-BASE京... |
自動運転車両による物流サービスの実現を目指す日系企業 ソリューション営業
年収 | 700万円〜1300万円 |
---|---|
勤務地 | 東京都千代田区 |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
ポルシェ カイエン
プラチナエディション アダプティブエアサスペンション パノラマルーフシステム 21インチRSスパ...
中古価格 1073万円
ポルシェ カイエン
ベースグレード スポーツクロノPKG 正規D車 ベージュ革 シートヒーター PCMナビ全周カメラ...
中古価格 608.3万円
ポルシェ カイエン
プラチナエディション 禁煙車 4WD ガラスSR BOSE ハーフレザー パワーシート シートヒ...
中古価格 396.1万円
ポルシェ カイエン
S V6ツインターボ 後期型 右H 正規D車 スポーツクロノPKG 茶革 8Wayパワーシート ...
中古価格 348.7万円
ポルシェ カイエン
S シートヒーター/4WD
中古価格 239万円
ポルシェ カイエン
GTS GTSインテリア/パノラマルーフ/アダプティブエアサス/BOSEサラウンド/LEDマトリ...
中古価格 1709.6万円