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【東京モーターショー速報】ニッパツ 自動車用「バネ」の深淵!

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ニッパツ代表取締役社長・茅本隆司氏

ニッパツは「今のクルマにも、これからのくるまにも、ニッパツ」をテーマに、現在、クルマに使われている「なくてはならないキーパーツ」とともに、環境対応を視野に入れた軽量化製品、自動運転を視野に入れて快適な空間を演出する製品の提案など、これからのクルマに役立つ製品・技術を紹介する。

自動車用懸架ばね、シート、内装、エンジン用部品、駆動用伝達部品の製造販売を事業の主体とするニッパツ。東京モーターショーへの出典にあたっては、ブースに向かって左側にいまのクルマに使われる部品、右側にこれからのクルマに役立つ製品として展示物を紹介している。

”いまのクルマ”展示ゾーンには、コイルばね/板ばね/スタビライザがいかにクルマの中で働いているのかを知ることができる作動モデル、ばねの開発力を応用した薄型サスペンションシート、各種の精密ばねなどを紹介。このほかにもニッパツが誇る世界トップシェアのHDD用サスペンション、吸音用ウレタンシート、金属ベースのプリント配線板など、多岐にわたる製品を並べている。

スタビライザの忠実〜中空厚肉〜中空薄肉の比較モデルでは、いかに軽量化が果たされてきたかを実物カットモデルで比べることができる。

樹脂ばねの展示。上と下段奥がCFRP製、下段手前がGFRP製。中段は従来構造の金属板ばね。
FSD中空スタビライザの断面。肉厚が変化している様子が見て取れる。

”これからのクルマ”ゾーンには樹脂製の板ばねやFSD中空スタビライザを展示している。

フィラーにガラス繊維やカーボン繊維を用いた樹脂ばねは、金属製の同種に比べて著しい軽量化を果たせるのが何よりのメリット。ばね定数のコントロールも厚みを自在に変えることで成立するため、製品にしやすい。バインダにはエポキシ樹脂を用いている。

課題のひとつが耐破壊性。割れてしまうことをいかに防ぐか、研究開発が重ねられている。もちろん繊維には長いものを用いているし、剛性を高くとりたいなら積層時の繊維方向にも工夫を凝らしている。

また、リサイクル性も無視できない課題のひとつである。説明してくれたエンジニア氏によれば、樹脂ばねの盛り上がりは30年ほど前にもあったという。そのときにリサイクルの観点から収束してしまったそれが再び脚光を浴びたのは、軽量化による低燃費性能向上のため。とはいえ、シボレーやボルボではすでに市販車に樹脂ばねを投入済みだ。今後も採用は増えていくことと思われる。

FSD中空スタビライザも、軽量化を図った開発品。FSDとはFully Stressed Designのこと。”いまのクルマ”ゾーンで確認できるように、スタビライザの曲げ応力は屈曲点に集中しがち。そこでストレスのかかりにくい直線部と、高い剛性を保ちたい屈曲部の肉厚を変化させることで、軽さを追い求めた。

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