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連載コラム「酷道を奔り、険道を往く」Vol.9 落ちたら死ぬ!!『最凶酷道───国道157号線で温見峠を越える(酷道険道:福井県/岐阜県)』ジープ・レネゲード

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カーブミラーがない......

ガードレールのない区間が延々と続き、視線の先には奈落の底が......。なるほど、「落ちたら死ぬ」の看板も単なる脅しではなさそうだ。夜中に走ったらどうなるのだろう?
 走り出してからしばらくしてふと気づいたのだが、この道には総じてガードレールがない。究極に危なそうな場所にはブロック状のコンクリート(メイン画像参照)が設けられているが、当たったらかなり痛そうだ。

 それでも崖から落ちるよりはマシだろうけど、意外と低いので勢いよく突っ込んだら乗り越えてしまうかもしれない。ときおり現れる小さな橋にも欄干がなく、さすがに危険ということでロープが張られていたりするが、 それだって金属を束ねたワイヤーではなく、ただの縄である。

 橋の幅を示す目印に過ぎず、クルマが突っ込んだら間違いなく転落防止の用を為さない。携帯電話はずっと圏外のままであり、何かあったら助けを呼ぶのは困難を極めるだろう。

 そしてなにより、カーブミラーがないことに閉口させられる。カーブの先が見えなければ、見通しの悪い交差点と同じ。カーブの度に一時停止......とまではいかないまでも、それに近いほどの減速を強いられる。だからちっとも前に進まない。

 これまでいくつかの酷道険道を走破してきたが、実際のところ言うほどストレスを感じたことはなかった。自分のスキルや適性に変な自信を持ちつつあったのだが、それは多分にカーブミラーの存在に助けられていたというわけだ。

 そして関東の酷道険道は、カーブミラーがとても充実していたという事実にもここで気づかされたわけである。

 ......ただ、ここまで書いておいてなんだが、カーブミラーはともかく、ガードレールがないことに筆者は個人的には悪い感情を抱かない。我が国は無粋なガードレールに溢れ、その多くが美しい景観を損ねている。

 安全であることはもちろん大切だが、できるだけ自然に近い姿を残し、そこを通る人間が細心の注意を払うべきという考え方も必要ではないか。欄干がなく、一見すると危険極まりない沈下橋が多く見られる高知県の四万十川を訪れたときにも、その成熟した思想に共感を覚えたが、今回もそれに近い感情を抱いた。

 麻那姫湖を過ぎてから1時間半ほど、撮影を挟まなければおそらく1時間弱ほどで温見(ぬくみ)峠に到着する。福井県と岐阜県の県境に位置する峠だが、付近にはとくに峠の名を表すものは見当たらず、福井県大野市に入ることを示す看板が岐阜県側に向けて掲げられているだけだ。眺望も特筆すべきところはなく、ここでひと息つく、という雰囲気でもない。

 温見峠を越えて岐阜県側に入ると、ググッと道幅が広がり、すれ違いも容易になる。「なんだ、もう酷道は終わりか」などと拍子抜けしたのも束の間、しばらくすると再び道は狭隘さを増して酷道らしい姿に戻った。

 あの一瞬の道の広がりはなんだったのか? ともあれ、最凶の酷道があっけなく終わってしまうなんて早計もいいところで、ここからが長いこと長いこと! 崖にへばりついたような細い道を延々と続き、走っても走ってもゴールに辿り着く── つまりフツーの二車線道路が現れる気配がない。携帯電話は依然として圏外である。

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