新型センチュリーに繋がるDNAを探る 初代センチュリーに見るトヨタの高級車への意気込み デザイン編
- 2018/07/06
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CAR STYLING編集部 松永 大演

超高級車のトヨタ・センチュリーがフルモデルチェンジを受けて登場。その新型に繋がるDNAを探るというテーマのもとに、前回は初代センチュリーのメカニズムを紹介した。今回はデザインについて見てみよう。


初代センチュリーに見るトヨタの高級車への意気込み メカニズム編
初代センチュリーは発表当時から、そのスタイリングについては新しさを感じられないと評されていた。センチュリーの発表は1967年となるが、その2年前に日産よりプレジデントが登場。こちらはピニンファリーナデザインで、欧州車の先端を行くような洗練された形が特徴だった。(しかしながら、プレステージセダンとしての威厳がなく、後に大きくリファインされるが…)
プレジデント発表から2年後に登場したのが、トヨタ・センチュリー。当時のフロントデザインの特徴はヘッドライト一体型。大きな枠の中にヘッドライトとラジエターグリルが収まるスタイルだ。それ以前のヘッドライトが突出し、グリルが独立した形状から、空気抵抗の少ないローノーズな形状となってきていたのが当時のトレンドだった。
プレジデントはある種そうした流れに乗りながら、わかりやすい新しさを表現したともいえる。しかしセンチュリーは、あえてのグリルが独立した造形。異形角形ヘッドライト部分は後方にスラントする超の付くほど意欲的な造形であるものの、フェンダーとグリルの別れたような形状は古風にも見えたようだ。
トヨタとしては、1962年に発表されている2代目クラウンからまさにそうした流れに乗っており、大きな進化を果たしていた。センチュリーの発表同年に登場した3代目クラウンでは、さらにトレンドを一歩進めたデザインを披露した。…というくらいに、トヨタデザインとしては、もちろんトレンドは熟知していた。それだけにセンチュリーのデザインについては、一般のトレンドとは流れを異にする狙いだったといえるだろう。
メカニズムで数多くのトライアルを行なっているように、デザインにおいても革新を生み出そうとしたようだ。
しかし、プレステージセダンにとって必要とされる「格式」は、「斬新」や「刷新」といったキーワードから生み出すのは極めてリスキーだ。
そんなこともあり、センチュリーのデザインはクラシックとモダンを融合させている。今の視点で見るならば、かなり攻めたデザインと言えるだろう。

例えばフロントグリルは大きな直立した造形だが、その左右のヘッドライトはスラントさせて空力性能を重視する姿勢を主張。また大きなラジエターグリルは、ロールス-ロイスやメルセデス・ベンツのようでもあるが、それ自体が独立した形を持っていない。つまり、両車がラジエターグリルを見ればすぐ分かるほどの独自の造形なのに対して、センチュリーではあえてその存在を誇示していない。このあたりに、既存のプレステージセダンに対する抵抗が感じられる。
サイドビューでは、無理にひねりを効かせない、フロントからリヤへの一文字の流れが印象的。その中に据えられたキャビンも必要にして十分。後席のプライバーシも保たれる、太いCミラーも魅力的。全長や幅の広い3ナンバー専用ボディであることもあり、広い室内を確保しながらも伸びやかさも魅力。そして長いトランクエリアが、伸びやかさをさらに印象付けている。

そしてリヤビューは左右端を後方に伸ばした、欧米トレンドに則ったスタイル。さらにウインカーは3つのライトが並び、ウインカーを作動させると内側から外側に向けて順番に点滅する方式を日本で最初に採用した。(その後、ローレルや510ブルーバードが採用)
実はこのスタイルは、のちにウインカーが橙色に指定されるとなくなっていった。また、左右の張り出したリヤスタイルも、途中のマイナーチェンジで一般的なフラットな造形へと修正されていった。
しかしながら、2代目、3代目と受け継がれる中でも、全体的なセンチュリー・スタイルは堅持され、とりわけフロント&リヤビューでは一目見てもセンチュリーと分かる形が出来上がってきた。
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