アウディTTS海外試乗記 from editor's room 新型アウディTTでマン島TTのフルコースを走った!【Audi TT 生誕20周年特別企画その1】
- 2018/07/22
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MotorFan編集部 小泉 建治
先導車はTTライダーの駆る1000ccスーパースポーツバイク!
いよいよクローズド区間での試乗がスタートする。コクピットに乗り込み、ドライブモードをダイナミックに切り替える。TTSのドライブモードは、エンジン特性、パワーステアリングのアシスト量、シフトチェンジスピードとタイミング、マグネティックライド・アダプティブダンパーコントロール、そしてエキゾーストノートなどを総合的に制御する。コンフォート、オート、ダイナミック、インディビデュアルの4モードが用意され、ダイナミックを選択すれば当然ながらすべてダイナミクス優先となる。インディビデュアルでは、各要素をそれぞれ任意に設定することができる。
先導車は、なんと地元のTTライダーが駆る新型ホンダCBR1000RRだ。おいおい、そんなの速すぎて先導車の意味がないじゃないか。仮に彼がペースを落としてくれたとしても、二輪と四輪ではブレーキングポイントもラインも違う。
と、案じていたら、CBR1000RRはスパーンとあっという間に視界の向こうに消え去ってしまった。どうやら先導車というより、コースのチェックと、沿道のマーシャルたちにセッション開始を伝える役を兼ねているようで、ラリーのゼロカーみたいな感じらしい。
で、本当のインストラクターは隊列の先頭のTTSに乗り込んだ。最高速度は90MPH(約145km/h)とされ、追い越しは禁止というレギュレーションだ。また、サーキットと同様に随所にコースマーシャルがいるから、フラッグを注意して見るように、とのこと。
MPHをそのままkm/hに置き換えたような速度感
先頭のインストラクター、二番手のイタリア人ジャーナリストに続いて発進する。せっかくのクローズドコースなので、マニュアルモードでレブリミットまで回し切ってシフトアップしていく。シフトアップ時に自動で一瞬スロットルを閉じる際の「ブバッ」という息継ぎ音がなんとも勇ましい。そして公道ではMT派の筆者も、こうしたクローズドコースでのハイペースドライビングとなると、やはりDCTの素速いシフトチェンジの魅力には抗えない。
そのまま全開加速を続けると、3速でレブリミットの6800rpmに当たるところで85MPH(約137km/h)に達した。ちなみに試乗車は現行モデルよりも最高出力で20ps、最大トルクで20Nmの向上を得た新パワーユニット(直列4気筒2.0Lターボ)に7速DCTを組み合わせているが、これはマーケットによって異なるそうで、日本仕様のスペックは現行モデルから変更されない見通しだ。
スピードが乗ってきたところで、いよいよマン島の山岳セクションらしいハイスピードコーナーが出現する。上限とされている90MPHを維持したまま突っ込んでいけてしまうコーナーもあるが、ガードレールなんてないから一瞬のミスで丘の向こうへ吹っ飛んで行ってしまう。
しかもクローズド状態とはいえ、ここは公道である。サーキットと大きく違うのは路面のカントで、排水性を考えてセンターライン付近が盛り上がり、両側の路肩に向かって下がっていく。つまり対向車がいないから存分にアウトインアウトのライン取りができるものの、センターラインを越えるとカントが変化するためにマシンの挙動に少なからず影響を与えてしまうのだ。もちろん常識的な速度で走っていればまったく問題はないはずだが、150km/h近くとなれば話は別だ。
さらに路面もサーキットのように滑らかではない。しかしマグネティックライドを備えたTTSの路面追従性は相変わらずで、どんなシチュエーションでも執拗に路面を捉え続ける。試乗車は255/35ZR20という大径ホイール&偏平タイヤを履いていたが、路面からのインフォメーションだけではなく、なんだか高荷重がかかったときのタイヤのたわみまでが伝わってくるようで、安心感がこの上ない。90MPHで走っていてもそれほどスピード感がなく、まるで90km/hくらいで走っている感覚だ。そう、マイルをそのままキロメートルに置き換えたような速度感なのだ。
アウトインアウトでグースネックを駆け上がる!

そう、一般車両はシャットアウトしていても、鉄道まではシャットアウトしていなかったのだ。でもこれはこれで名物だし、むしろ見られてよかった。シャットアウトしてくれなくてありがとう。ちなみに踏切に遮断機はない。マーシャルさんもありがとう。
踏切を過ぎても、相変わらず高速セクションが続く。だんだん速度感覚が麻痺してきたところで、急にタイトな左ヘアピンが現れた。逆走なのでわかりにくかったが、有名なグースネックである。となればラムジーヘアピンもすぐそこ。ブレーキングポイントが手前過ぎるイタリア人ジャーナリストとの間隔を空け、ラムジーヘアピンに向けて意気込んでいると、件のCBR1000RRがこちらを向いて待機している。ありゃ、ここが折り返しポイントでしたか。ヘアピンの中央でゆっくりとUターンし、今度はTTレースと同様の順走である。
そして再スタート。いやすごい。順走はすごい。もう、オンボード映像で見たのとまったく同じなんですよ、当たり前だけれど。対向車を気にすることなく、アウトインアウトでグースネックを駆け上がるなんて、もうバイク好きだったら感涙必至。復路は涙で前がほとんど見えませんでしたとさ(もちろん8割がたウソ。2割くらいホント)。
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