さらなる速さを求めるなら4WD化とセットでエンジン性能向上は必須 ホンダ・シビックタイプR 新型[FK8] 旧型 比較試乗…新開発プラットフォームの恩恵で悪夢のような乗り心地から解放。旋回速度はスーパースポーツの域に!
- 2018/08/27
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遠藤正賢
本田技研工業(ホンダ)が昨年9月末に発売した10代目シビックは、「低重心・低慣性・軽量・高剛性」をキーワードに新規開発された、Cセグメント車用プラットフォームを採用。最初に試乗したハッチバックCVT車の圧倒的な重心の低さとフラットな乗り味は、超高性能モデル「タイプR」の大幅進化を十二分に期待させるものだったが、実際に試乗したタイプRの走りは、その期待さえ遥かに上回るものだった。
【新型ホンダ・シビック比較試乗インプレ ハッチバックCVTvsセダン16インチ】両車ともスポーツカーなみの低重心感と高級車顔負けのフラットライドに驚愕!
ホンダが作る「タイプR」は、原初のモデルであるNA1型NSXタイプRの頃より、「走りの楽しさを徹底追求し、さらに運動性能を際立たせた、レーシングカーのチューニング理論を随所に応用したピュアスポーツモデルとして開発」されてきた。
だが、先々代FD2型シビックタイプR以降は「運動性能」の優先度がより高くなり、代を重ねるごとに絶対的な速さは確実に増す一方、元々割り切られていた快適性や実用性はより一層悪化。FD2ではリヤのスタビリティを確保しながらアンダーステアを抑え、操舵レスポンスと旋回性能を高めた結果、路面の凹凸をすべてリヤの跳ね・突き上げに代えて乗員の頸椎や腰椎へ伝える走りとなった。そしてFN2型シビックタイプRユーロや先代FK2型シビックタイプRも、程度の差こそあれ同様の傾向を見せていた。
ところが、新型FK8型シビックタイプRは、そんな悪夢のような乗り心地から解放されるとともに、歴代シビックRを確実に上回る旋回・加速性能を手に入れている。しかも、FK2から採用されているアダプティブ・ダンパー・システムなどが最もハードになる「+R」モードで公道を走行しても、である。
新旧シビックRのメカニズムを実際に比較してみると、個々の要素の多くはキャリーオーバーされながらも着実に進化していることが分かる。まずタイヤは、銘柄こそコンチネンタル・スポーツコンタクト6と変わらないものの、235/35ZR19 91Yから245/30ZR20 90Yへ、幅・内径ともアップした。
アダプティブ・ダンパー・システムは、ピストン内部の電磁コイルによって減衰力をコントローするタイプから、減衰力を調整するソレノイドバルブを別体化したものに一新されるとともに、ドライビングモードが「BASE」「+R」の2段階から「コンフォート」「スポーツ」「+R」の3段階に。モードごとの可変幅が拡大され、余分なサスペンションストロークを抑えて収束を早めるよう制御も改良された。
ステアリングはラックアシスト式のデュアルピニオンEPSが踏襲されているが、ステアリングコラムを50%、タイロッドエンドをストレート化のうえ10%大径化することで剛性をアップ。高速走行時の安定感とダイレクト感、リニアリティを高めている。
さらに新型タイプRでは、新型ハッチバックよりもスローな専用ギヤ比のVGR(可変ステアリングギアレシオ)を採用。先代から継続採用された、4輪のブレーキを独立制御してライントレース性を高める「アジャイルハンドリングアシスト」も、より高G領域まで制御を行うとともに、ヘリカルLSDをより適切に作用させるべく、コーナー立ち上がりの際に内輪のスリップ量を抑えるよう改良された。
ブレーキは、フロントがブレンボ製のモノブロック4ポットアルミキャリパーと直径350mm×厚さ32mmのドリルド&ピラーフィンディスクと変わらないものの、リヤソリッドディスクの直径が296mmから305mmに拡大(厚さ11mmは変わらず)。さらにマスターパワーを新設計して、中~高負荷時のペダル踏力に対するサーボ特性をよりリニアなものに改めている。
サスペンションもフロントは、ナックルが転舵を、ストラットが路面からの上下入力を担うよう分離することでセンターオフセット量(転舵軸とホイール中心までの距離)を短縮、トルクステアを低減させる「デュアルアクシス・ストラット・サスペンション」が、先代に続き採用された。
ただし、センターオフセット量が7%縮小されたほか、アルミ製ナックルアームの採用により軽量化。さらにL字型ロアアームが用いられ、入力分担の効率化と高剛性化、フリクション低減が図られている。
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