CX-8は文句なしに2.5Lガソリンターボ車がベスト/CX-5はディーゼル車にしかない6速MTの存在が悩ましい 【改良型マツダCX-5/CX-8比較試乗】SKYACTIV-G 2.5T&GVC+は全速度・回転域が官能的! CX-5のSKYACTIV-D 2.2&6速MTはスポーツカーから乗り換えても楽しめる!
- 2018/10/26
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遠藤正賢
マツダの屋台骨を支えるCセグメントのクロスオーバーSUV、CX-5とCX-8が10月、早くも商品改良を受けた。両車に共通して投入されたSKYACTIV-G 2.5Tと進化版「G-ベクタリングコントロールプラス」、そしてCX-5に追加されたSKYACTIV-D 2.2&6速MT、CX-8に追加されたSKYACTIV-G 2.5の実力は? いち早くクローズドコース、栃木のGkNドライブラインプル-ビンググラウンドで比較試乗した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢/マツダ
ダイナミック・プレッシャーターボ! CX-5に新たに搭載された2.5L直4ターボ:SKYACTIV-G 2.5T
マツダが車両運動制御技術「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」を開発
新型マツダCX-8、2.5Lターボと2.2Lディーゼルの燃費を考えてみる。どっちが得か?
まず、両車の主な変更点を列挙すると、下記の通りとなる。
【両車共通】
●2.5Lガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」(PY-VPTS型)を追加設定
●「G-ベクタリングコントロールプラス」(GVC+)を全車に採用
●ダンパー構造変更、スタビライザーのセッティング変更を実施
●エアコンおよびコマンダーダイヤルのデザイン変更・操作性向上
●「アドバンスド・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」(アドバンスドSBCS)に夜間歩行者検知機能を追加
●「360°ビューモニター」を全グレードで装着可能に
●「マツダコネクト」がApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応
【CX-5のみ】
●2.2Lディーゼルターボエンジン「SKYACTIV-D 2.2」(SH-VPTS型)搭載車に6速MTを追加
●2.2Lディーゼルターボエンジン「SKYACTIV-D 2.2」6速AT車の一部に減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」をオプション設定(SH-VPTR型)
●CX-8の「Lパッケージ」に匹敵する最上級の装備を持つ特別仕様車「エクスクルーシブモード」を設定
【CX-8のみ】
●2.5LガソリンNAエンジン「SKYACTIV-G 2.5」(PY-VPS型)を追加設定
●3列目周辺の遮音性能を向上
最大のトピックである「SKYACTIV-G 2.5T」は、北米などではすでにフルサイズSUV「CX-9」や「マツダ6」(アテンザ)に設定されているが、日本導入は今回のCX-5/CX-8が初。その技術の肝は「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」にある。
この「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」では、中央2つのシリンダーの排気を合流させつつ両サイドのシリンダーの排気を独立させた、4-3-1排気マニフォールドを採用。排気容積を小さくしつつ、3つのポートからの排気を別々にターボへ導くことで、常に高い排気脈動を維持できるようにした。
また、1620rpm以下では閉じる可変バルブを排気ポートに設けて排ガスの流速を早め、タービンをより早く回転させることで最高1.2barの過給圧を発生。さらに隣接するシリンダーの残留排気を吸い出すことで、低回転域のトルクを高めつつターボラグを低減している。
そのほか、EGRクーラーを採用して中高負荷領域の排ガス温度を下げ、10.5の圧縮比を確保。最高出力は、北米仕様はオクタン価93のガソリンで250ps/5000rpm、オクタン価87のガソリンで227psだが、オクタン価89のレギュラーガソリンに対応する日本仕様は230ps/4250rpmとなっている。最大トルクは北米仕様と同じく420Nm/2000rpmだ。
この「SKYACTIV-G 2.5T」を搭載するCX-5とCX-8の4WD車に試乗したが、アクセルの踏み始めでは「SKYACTIV-D 2.2」と同等の瞬発力を持つため、車重1890kgのCX-8 25T Lパッケージ7人乗りでも、周囲の流れに乗る程度なら2000rpmも回せば充分。
さらに、高速道路のICから本線への合流を想定し、2000rpm以上まで引っ張っても、ディーゼルにはないパワーの伸びが得られるため、エンジン回転が高まっても加速が鈍るどころかどんどん鋭くなっていく。
長い直線で全開加速を試みてもその印象は全く変わらず、特に車重が210kg軽いCX-5 25Tエクスクルーシブモードではバンク進入手前で150km/h超に達してしまい、余りの速さにやや怖さを感じるほどだった。
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