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AUDI A8 60TFSI quattro アウディA8 60TFSI quattro:ジェントル。強烈な加速、でも静か。4.0ℓV8ターボ+48Vマイルドハイブリッドシステムの完成度を試す A8試乗記②

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アウディA8 60TFSI quattro 価格○1510万円 (試乗車はオプション込みで1857万円)

2018年9月5日に国内で発表され、10月15日から販売が始まった新型アウディA8には、3.0ℓ・V6直噴ターボエンジンを搭載した仕様と、4.0ℓ・V8直噴ターボエンジンを搭載した仕様がある。どちらも48Vマイルドハイブリッドドライブシステムとの組み合わせだ。同じ機会に試乗するA7は3.0ℓ版のみの設定なので、A8の試乗にあたっては4.0 ℓ版を選択した。

TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

見られることを意識してデザインしてあるエンジンカバー
それを取り払うと4.0ℓV8ターボが見える。

 いつもの悪いクセ(?)で、さっそくボンネットフードを開けてみる。8つのシリンダーが向かい合って並んでいる様子をデザインした化粧カバーが、エンジンコンパートメントを広く占拠している。A8のオーナーになった人で、どれだけの人がボンネットを開けるか想像もつかないが、見られることを意識した仕立てにはなっている。

 化粧カバーを外すと遮熱板が現れる。手前に見えるのは、現在はボルグワーナーの傘下に入っているKKK製のコンプレッサーだ。つまり、ホットV。Vバンクの内側が排気で外側が吸気である。コンプレッサーに向かう2本の樹脂製パイプは上流で1本に合流し、車両右側にカーブしてエアフィルターにつながっている。

「フタ開きっぱなしなの?」と早合点してしまったが、エアフィルターの開口部はボンネット裏側に取り付けられたダクトとつながる仕組み。新気はフロントバンパー右上部から取り入れる構造だ。エンジンコンパートメントを覗き込むと、左右一対の空冷インタークーラーが確認できた。

エアフィルターの開口部はボンネット裏側に取り付けられたダクトとつながる仕組み
こちらがそのエアダクト。
左右一対の空冷インタークーラー

 一方で、ベルトでクランクシャフト軸とつながっているはずのBAS(ベルト・オルタネーター・スターター。ISGとも呼ぶ)は確認できなかった。減速時は、22km/h以下になるとアイドルストップ&スタート機能が作動してエンジンは停止。BASは最大12kWの発電機としてエネルギー回生を行なう。また、55〜160km/hの範囲で走行中にアクセルペダルをオフにすると、エンジンを停止してコースティングに移行する(惰性で走る)。

 ホットVに鎮座する2基のターボチャージャーを目の当たりにすると、どれだけハイパワーなエンジンなんだと反射的に想像してしまうが、ハイパワーなのは事実で、A8が搭載する4.0ℓ・V8直噴ターボエンジンの最高出力/最大トルクは338kW(460ps)/660Nmである。だが、運転してみると、ホットVのターボチャージャーが視覚的に訴えかけてくるほどの獰猛さは感じない。よく手なずけられた猛獣をエンジンコンパートメントの中に飼っている感じだ。うなり声すら聞こえない。

Vバンクの内側にターボを配置するホットVレイアウトを採る。4.0ℓ・V8直噴ターボエンジンの最高出力/最大トルクは338kW(460ps)/660Nm

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