LC500/LS500/スープラ/GT-R/フェアレディZ/NSX/シビック・タイプR/BRZ/WRX/ロードスター 2019年春版 1馬力いくらか?で考えてみる国産最強&最もコストパフォーマンスが高いエンジンは? GT-R? NSX? LC? スープラ? それともWRXかシビック・タイプRか
- 2019/03/30
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MotorFan編集部
かつては280ps自主規制というものが存在していた日本。どんなハイパフォーマンスカーでも、国内仕様は280psで統一されていた。では、現在の国産エンジンで最もハイパワーなエンジンはなんだろう? それはもちろん、日産GT-Rが搭載する3.8ℓV6ツインターボなのだが、エンジンの出力だけで考えては面白くない。ここでは馬力を巡るさまざまな指標を取り出して考えてみたい。
280馬力自主規制の撤廃を日本自動車工業会が国土交通省に申し入れたのは2004年6月だった。それ以後、300psを超える国産エンジンはいくつも登場している。
一方、軽自動車の660ccエンジンは、依然として64psを上限とする自動車メーカー間の協定がいまだに存在する。
では、最初に国産エンジン高出力ランキングから紹介しよう。
エンジンの出力を上げるには、①排気量を上げる ②過給する というふたつの手法がある。したがって、ターボ過給された大排気量のエンジンが上位にくるのは当然だ。
1位 日産GT-R ニスモ 3.8ℓV6ターボ:600ps
1位は予想通り、日産GT-Rが搭載するVR38DETT3.8ℓV6ツインターボエンジンだ。それもGT-Rニスモが搭載するハイパワー版である。
エンジン形式:3.8ℓV6DOHCターボ
エンジン型式:VR38DETT
排気量:3799cc
ボア×ストローク:95.5mm×88.4mm
圧縮比:9.0
最高出力:600ps(441kW)/6800rpm
最大トルク:652Nm/3600-5600rpm
である。
2位 日産GT-R 3.8ℓV6ターボ:570ps
2位は、日産GT-Rのレギュラーモデル。それでも570psだから、やはりモンスターエンジンと言っていいだろう。
3位 ホンダNSX:3.5ℓV6ターボ507ps
3位のホンダNSXは、3.5ℓV6ターボにモーターを組み合わせるハイブリッドスーパースポーツだから、507psがNSXの真の意味での最高出力ではない。JNC型エンジンは、ターボ過給をしながらも最高出力を6500-7500rpmという高回転で発生させるのがホンダらしい。
エンジン形式:3.5ℓV6DOHCターボ
エンジン型式:JNC
排気量:3492cc
ボア×ストローク:91.0mm×89.5mm
圧縮比:10.0
最高出力:507ps(373kW)/6500-7500rpm
最大トルク:550Nm/2000-6000rpm
ここまでが「500ps級」である。
4位 レクサスLC500 5.0ℓV8:477ps
レクサスLC500が搭載する2UR-GSE型5.0ℓV8エンジンは、現在では少数派となっている大排気量自然吸気エンジン。ショートストロークで高回転まで回してパワーを出すエンジンだ。
エンジン形式:5.0ℓV8DOHC
エンジン型式:2UR-GSE
排気量:4968cc
ボア×ストローク:94.0mm×89.5mm
圧縮比:12.3
最高出力:477ps(351kW)/7100rpm
最大トルク:540Nm/4800rpm
給気方式:NA
5位 レクサスLS500 3.5ℓV6ターボ:422ps
5位は同じくレクサスのLS500が搭載する新しい3.5ℓV6ターボエンジンのV35A-FTS型だ。2基のターボで過給して422psを絞り出す。排気量はLC500の2UR-GSEより1.5ℓも小さいが、最大トルクは60Nm増しの600Nmである。
エンジン形式:3.5ℓV6DOHCターボ
エンジン型式:V35A-FTS
排気量:3444cc
ボア×ストローク:85.5mm×100.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:422ps(310kW)/6000rpm
最大トルク:600Nm/1600-4800rpm
給気方式:ターボ
6位からは「300ps級」である。
6位 トヨタ・スープラRZ 3.0ℓ直6ターボ:340ps
まだ国内発表されていないが、トヨタ・スープラRZが搭載する3.0ℓ直6ターボエンジンが第6位。しかし、これはBMW製エンジンだから、「国産エンジン」とは言えないかもしれない。オーストリアのマグナシュタイヤーで生産されるから「国産車」でもないし……。
エンジン形式:3.0ℓ直6DOHCターボ
エンジン型式:B58B30B
排気量:2998cc
ボア×ストローク:82.0mm×94.6mm
圧縮比:11.0
最高出力:340ps(250kW)/5000-6000rpm
最大トルク:500Nm/1600-4500rpm
給気方式:ターボ
第7位 日産フェアレディZ 3.7ℓV6:336ps
日産フェアレディZが搭載するV6エンジンは、長い系譜と豊富なバリエーションを誇るVQエンジンの高回転バージョン。3.7ℓはいまや大排気量と言っていいし、自然吸気で高回転まで気持ちよく回せる貴重なユニットである。
エンジン形式:3.7ℓV6DOHC
エンジン型式:VQ37VHR
排気量:3696cc
ボア×ストローク:95.5mm×86.0mm
圧縮比:11.0
最高出力:336ps(247kW)/7000rpm
最大トルク:365Nm/5200rpm
給気方式:NA
第8位 ホンダ・シビックタイプR 2.0ℓ直4ターボ:320ps
2.0ℓの排気量から320psを発揮するホンダ・シビックタイプRのK20C。タイプRを名乗るに相応しいハイスペックな直4ターボエンジンだ。
エンジン形式:2.0ℓ直4DOHCターボ
エンジン型式:K20C
排気量:1995cc
ボア×ストローク:86.0mm×85.9mm
圧縮比:9.8
最高出力:320ps(235kW)/6500rpm
最大トルク:400Nm/2500-4500rpm
給気方式:ターボ
第9位 スバルWRX STI 2.0ℓ水平対向4気筒DOHCターボ:308ps
超長寿ユニットであるEJ型水平対向4気筒のもっとも高出力版を積むのがWRX STI。圧縮比8.0もボア×ストローク:92.0mm×75.0mmというショートストロークも、今後はなかなか登場しないであろう極めて20世紀的な、しかし名機と言っても反論は出ないユニットだ。
エンジン形式:2.0ℓ水平対向4気筒DOHCターボ
エンジン型式:EJ20
排気量:1994cc
ボア×ストローク:92.0mm×75.0mm
圧縮比:8.0
最高出力:308ps(277kW)/6400rpm
最大トルク:422Nm/4400rpm
給気方式:ターボ
と言ったあたりが「エンジンの最高出力から見たランキング」である。
でも、これだけでは面白くない。次ページでは、コストパフォーマンスから見た最強エンジンランキングを紹介しよう。
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