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オーナー目線で勝手にインプレッション 連載第13回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』燃料残量警告灯を考えるⅡ ~バカ実験・旧シエラ、C11ティーダ、Z34フェアレディZの3車比較~

  • 2019/07/02
  • MotorFanアーカイブ編集部 山口 尚志
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■今回のテストで乗った日産フェアレディZ (Z34型)だとどうなる?

 で、いよいよ「歴代フェアレディZ」の取材で借り出した現行フェアレディZ(Z34型)の給油である。

 私は誌面テストでの燃費を計測するとき、さまざまなクルマでテストを行うことから走行条件を公平にするために走行ルートを決めてある。

 その走行ルートおよび距離詳細は本誌をお読みいただきたいが、おおざっぱにいうと都内一般道、首都高、関越自動車道、群馬県内、そして山間路として赤城山である。

 なぜこのコースにしたかというと、おおよそどのクルマでも、満タンから燃料警告灯点灯&タンクが空になるまでの走行距離はだいたい400~450kmであり、満タン状態からひととおりめぐった頃に燃料ランプが点くからちょうどいいのである。

 1満タンあたりの距離が400~450kmなら、燃料タンクが大きいほど燃費が悪く、小さいタンクのクルマなら燃費が良いということになり、いつもこの距離を目安にしている。

 もちろん例外のクルマはあるし、交通状態や乗車人数、そして夏冬のクーラーON/OFFによってもかなり変わってくる。

 そんなことから、Z34も給油の頃には燃料残量警告灯が点くだろうと予測していたのだが、帰路について満タンにしたときと同じスタンドに入った時点で、Z34の燃料計は、全16ドットのうちまだ6ドット点灯している状態だった。


 このときの走行距離は426,9km。

 なんといってもタンク容量が72Lもあるから想像はしていたが、このZ34は私の考えに照らして例外に属するクルマだったようだ。

 それにしても、新旧ジムニー&シエラは40Lタンクで10ドットの燃料計。

 単純に1ドットあたり4L。

 それに引き替え、こちらZ34は72Lタンクで16ドットだから、1ドットあたり4.5Lで、新旧ジムニーとそう大きな差はないにしても、給油に時間がかかるところにタンク容量の大きさを思い知らされる。

 今回のZ34の給油はかなりの残量の状態での給油量で、41.43L。

 たまたまシエラのカラから満タンまでの量に近かったが、これがZ34のカラから満タンまでとなると、約1.7倍の時間がかかることになる。

 ましてやハイオクタン仕様だ。

 満タンのたびにどれだけお金がかかるのやら。


 残量が30L以上での給油だから、カラからの給油をしてみないと公平な比較にはならないが、表を見ると、こちらは1ドットあたりの給油量にずいぶんなばらつきがあることがわかる。

●1ドットあたりのばらつきがこれだけ大きいとは思わなかった。

 特に半分を超えてしばらくは、1ドットあたりの給油量はそれまでの倍以上だ。

 ところでこのZ34も燃料計に関して思いがけないことが起きた。

 前出の旧シエラとこのZ34は、同じスタンドの同じ給油器で、オートストップで給油停止させているのだが、このZ34では41.43Lの時点でのオートストップが働いてもまだ燃料計が全16ドットのうちの15ドットのままだった。

 似たようなことは旧シエラでも起き、ほんの数秒(1~2秒)だけ間があって最後のドットが点灯する。

 ところがZ34ときたら、映像をごらんになっておわかりのように、19秒も経ってから最後の16ドット目が点灯するのだ。

 たまたま満タンにならないうちに給油器がストップしたのかと思い、フル点灯するまで追加給油しようかと考えたほど。

 燃料や水といった液体、または気体のような形のない流体の量は、やはり区切りのない連続的な表示をする指針式のほうがいいように思う。

 区切りのあるデジタルないしドットなどで表示するのは人間の感覚に合わず、無理があるようだ。


 というわけでZ34の燃費は、

  426.9 km ÷ 41.43 L = 10.30312744 ・・・ ≒ 10.3 km/L

 このZ34は7速ATなのだが、カタログ燃費はJC08モードで9.1km/L。

 どういうわけか、カタログ燃費をリッター1km以上も上まわってしまった。

 このクルマは336psで、他の交通を妨げない範囲でそれなりの加速はしたし、決してていねいなアクセルワークを心がけたつもりはないのだが、カタログ燃費達成率113.2%とあいなった。

 なんども計算しなおしたのでまちがいなさそうである。

 さて、これら3台は、カテゴリーも排気量も車両重量もまるで3車3様なので、ここで3車の燃費に影響するスペック項目と今回の燃費をいちらんにしてみた。


●わが旧シエラの成績がいちばん情けない。いちばん軽くていちばん燃費が悪いのである。

 大排気量や大出力は燃費の良し悪しに直結しないことをよく示している。

 逆にわが旧シエラはいったい何なんだという疑問も湧いてくる。

 車両重量がいちばん軽いくせに、いちばん燃費がかさんでいるのである。

 1300ccで1トンちょいの旧シエラと、3700ccで1.5トン超のZ34の燃費がほとんど同じどころか、むしろZ34がちょい好成績というのはどういうことだろうか。

 かたやパートタイム4WD、かたやFR。

 旧シエラはほとんど2WD走行ながら、内部抵抗は通常の2WDよりは大きいだろう。

 それにしても、である。

 開発される年代が違う、エンジンや車両全体の効率が違うといえばそれまでだが、それにしても燃費の違いは大きいね。

 そして3車とも比較するには分野違いではあるが、やはり技術は進歩しているのだ。

 
 ×     ×     ×     ×     ×     ×     ×


 というわけで、新刊告知と燃料残量をむりやりこじつけたお話でした。

 発売日前に新刊告知の記事を仕上げる必要上、リコールの話はまた先送りになっちゃった・・・

 ではまた次回!

 (第14回につづく)

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