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結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?

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伝統のラダーフレームとリジッドアクスルを踏襲し……とは何度も耳にしてきたフレーズだが、ではいったい、それだと何がいいのだろうか? 「さすがジムニー。ラダーフレームとリジッドアクスルの本格派!」などとみんなが言えば言うほど、今さら何がスゴイのか聞きづらくなってしまう。ここでは、そんなアナタのために、極めて簡単にジムニーの本格派たるゆえんを解説しよう。今回はリジッドアクスルだ。

3リンクリジッドアクスルを熟成させつつ継承

 2018年にデビューした現行ジムニーのサスペンションは、前後ともに3リンクリジッドアクスルを先代から継承している。独立懸架が主流の現代において、リジッドアクスルは本格派クロカン四駆の象徴のように言われているが、そのメリットとしては下記の3点が挙げられる。

1.タイヤと一緒にデフケースが上下するため、最低地上高が変化しない。
2.片輪が縮むと、スプリングを支点としたテコの原理が働き、伸びた側のタイヤを押しつける力が高まる。
3.アクスルが頑丈になるため、仮にヒットしてもダメージが抑えられる。

現行ジムニーの3リンクリジッドサスペンション。タフなオフローダーならではのサスペンション形式だ。

 最低地上高が変化しない利点はわかりやすい。サスペンションが深くストロークするようなシーンは、つまり路面の激しい凹凸を乗り越えている場面であることが多いわけで、そこでロードクリアランスが変わってしまったらドライビングに支障をきたすし、ロードクリアランスそのものが小さくなってしまったら走破性に影響する。

 また、サスペンションが伸びきった側にもしっかり荷重が掛かることも走破性の向上に寄与する。

 頑丈なつくりがクロカン四駆にもたらす恩恵は言うまでもないだろう。

リジッドアクスルは、常に一定のロードクリアランスを確保できるという大きな利点を持っている。

 一方で、リジッドアクスル式には設計の自由度が極めて低いというデメリットがある。前後アーム、ラテラルロッド、ドラッグロッドの取り付け箇所によって旋回特性がほぼ決まってしまう。

 だから現行ジムニーのジオメトリーも、先代とほとんど変わっていない。ジムニーが求める旋回特性を得るには、このそれぞれの位置関係が自ずと決まってしまうのだ。

 それでもリジッドアクスルを採用しているところに、ジムニーのジムニーたるゆえんがある。

 簡単ではあるが、上記を頭に入れておけばリジッドアクスルに関する基礎知識としては十分だろう。

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