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大人気カテゴリーに向けて注目のSUV各車が出した回答 三菱エクリプスクロスをトヨタC-HR、マツダCX-5、ホンダ・ヴェゼルと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/08/04
  • ニューモデル速報
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「四駆の三菱」の伝統が健在のハンドリング特性

 こうした「一見チャラそうなのに、実は優等生」というエクリプスクロスの本質は、デザインやパッケージレイアウトだけでなく、走りにも色濃く表れている。

 三菱の新開発1.5ℓターボは前記のように絶対的な性能値は2.5ℓ自然吸気とほぼ同等ながら、車重はCX-5より大人ひとり分も軽い。

 だから、エクリプスクロスの実際の動力性能も今回で1、2を争うパンチがあるのだが、テストコースの構内路を市街地に見立てて走らせたり、あるいは高速周回路を気持ちよくクルーズさせている限り、最初に頭をよぎる言葉は、穏当、重厚、快適、静粛……といったものだった。ロール方向の動きだけがしっかりチェックされているのは現代的な味つけだが、全体にはいい意味で古典的なSUVの味わいが残っている。

 対して、わざわざ「RS」グレードを名乗る今回のヴェゼルや、開発当時は「トヨタ随一の走り自慢」を目指したC-HRは、いかにも姿勢変化の少ないシャープで快活なスポーティさを標榜する。これはこれでいかにも現代風のSUVだが、エクリプスクロスの地上高を最大限に活かしたストローク感のある乗り心地を味わうと「SUVなのに、こんなに敏感に走る必要あるのか?」といった素朴な疑問が改めて脳裏をよぎったりもした。エクリプスクロスの本質は、やはり生真面目なのだ。

 その上で「これぞエクリプスクロス……という走りを味わってほしい」と、三菱はたっぷりと水を撒いたスキッドパッドに、タイトなジムカーナコースを用意した。それはもちろん、自慢の4WDシステム「S-AWC」が真価を発揮できそうなシーンを再現したコースである。

 三菱のS-AWCも、前輪駆動をベースにあらゆるパラメーターから走行状況を感知して、センターデフの断続機構を制御して後輪へトルク配分する……という点では、マツダやトヨタの最新4WDと基本的には同じである。ただ、その前後トルク配分をより積極的に行なって、さらに左右のブレーキ制御も加味し「ヨー=曲がり」をグイグイとアシストするのが三菱S-AWCの真骨頂である。

 エクリプスクロスの開発陣がいわんとしていることは、特設ジムカーナを1回走っただけで理解できた。なるほどステアリングだけで曲がろうとすると、身のこなしは意外なほどマイルドなのだが、そこに積極的なスロットル操作を追加すると、エクリプスクロスのコーナリングはいきなり生命が吹き込まれたかのように生き生きとしてくるのだ。

 生真面目で優しい基本フィジカルに、強力なダウンサイジングターボエンジン、そこにグイグイと介入してくるS-AWCの融合……が、エクリプスクロスの走りである。

 緻密で素早いトルク配分という意味では、CX-5にも採用されているマツダの「i-ACTIV AWD」も定評があり、ブレーキ制御をしないかわりに操舵に応じてエンジントルクを微小に増減させる「G-ベクタリングコントロール」も加わる。ただ、基本的には余剰トルクを分散するのが主目的の安定志向4WDであり、だから目指すべき走りの理想像はFF車と同一線上にある。

 トヨタの4WDも、狙いはマツダと同じく安定志向だが、C-HRで4WDを選ぶと、自動的にエンジンが1.2ℓターボになってしまうのが少し残念。いや、エンジンが一択でもいいのだが、動力性能が物足りない感があるのは事実である。

 試乗車の関係もあって今回で唯一のFF車となったヴェゼル「RS」だが、ウエットのジムカーナで、エクリプスクロスの次に嬉々として曲がってくれたのは、実はヴェゼルだった。ホンダにおける「RS」は他社なら「GTI」とか「スポーツ」といった名称を与えられるべき本格スポーツモデルだ。実際、ヴェゼル「RS」もサスペンションのみならずボディまで専用に強化されており、いかにもホットハッチ的な鋭い旋回性能を披露する。ただ、そのぶん乗り心地もエクリプスクロスより素直に引き締まっている。

 開発インタビューでも、エクリプスクロス開発担当者たちは「SUVの三菱」という表現を何度も使った。

 このクルマの大胆なクーペルックや、S-AWCによる「ランエボもかくや」の旋回性能は、なるほど百花繚乱の最新コンパクトSUV市場で埋没しないセールスポイントになりえるだろう。

 しかし、同時に、室内空間や積載性能、視界、使い勝手、日常性、人間工学、最低地上高や○○アングルに代表される悪路走破性、そしてSUVにあるべき乗り心地や操縦性……といった根幹部分では、エクリプスクロスはクラスでも随一に伝統的でオーソドックス、そして生真面目なクルマである。そんなエクリプスクロスを見て、ああ、三菱車ってこんな感じだったなあ……と、数年ぶりに思ったのもまた事実である。

HONDA VEZEL HYBRID RS・Honda SENSING

「新世代のスペシャルティカー」としてグローバルで通用するモデルを目指し、2013年に誕生。扱いやすいボディサイズながら、ラゲッジルームや後席スペースの広さも特筆すべき点だ。※撮影車両は2018年2月発表のマイナーチェンジ前のモデル。

直列4気筒DOHC+モーター/1496㏄
最高出力:132㎰/6600rpm[モーター:29.5㎰]
最大トルク:15.9㎏m/4600rpm
[モーター:16.3㎏m] 
JC08モード燃費:25.6㎞/ℓ
車両本体価格:277万円

モーターファン別冊・ニューモデル速報 Vol.567 三菱エクリプスクロスのすべて

意のままに操れるS-AWC、1.5リットル直噴ダウンサイジングターボ搭載。

久々に登場した三菱のブランニューモデルはスタイリッシュなクーペSUVフォルムを持つコンパクトクロスオーバー。

新開発のダウンサイジング1.5L直噴ターボは2.4L自然吸気エンジン並みのパワーを発揮。また美しいエクステリアの内側には「SUVの三菱」の名に相応しい高次元の4WDシステム「S-AWC」や、後席の高い居住性、使いやすい荷室などを備えています。

加えて最新のインフォテインメントシステムも搭載。いま最も熱いカテゴリーであるSUVの注目モデルの魅力を全方位から紹介した1冊です。

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