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大人気カテゴリーに向けて注目のSUV各車が出した回答 三菱エクリプスクロスをトヨタC-HR、マツダCX-5、ホンダ・ヴェゼルと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/08/04
  • ニューモデル速報
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外観のイメージに反する室内空間の広さが印象的

 そんなCX-5にも劣らぬ商品力を標榜するエクリプスクロスのサイズ感や商品企画は、前記の通り、コンパクトSUVの最新トレンドそのものだ。ただ、その一方でパッケージレイアウトや実用性、走りにおいては、意外なほど基本に忠実で、いい意味で伝統的な味わいなのがエクリプスクロスである。

 驚かされるのは、エクリプスクロスの室内空間の広さだ。改めて観察すると、エクリプスクロスのスポーツクーペ的な雰囲気を醸成しているのは、主に強く傾斜させた前後ウインドウとサイドウインドウグラフィックであり、それを強調する前後ボディエンドの造形である。2670㎜というホイールベースはアウトランダーそのままで、1695㎜という全高もSUVとしては低くない……どころか、今では結構背高な部類に入るのだ。

 三菱の開発陣も「後席の乗降性ははっきりと割り切った」と語っている通り、エクリプスクロスの後席はウインドウ面積も小さくて閉所感が強いのは事実。しかし、いったんシートに収まってしまえば、空間そのものは意外に広く、ボディがひとまわり大きいCX-5とも大差はない。乗降時に脚が汚れにくいようにと、サイドシルをドアでフルカバーする設計も良心的である。

 荷室も絶対的な大きさはCX-5はもちろんヴェゼルにも譲るが、200㎜近い後席スライドを駆使すれば、少なくとも荷室前後長は今回で最長クラスまで広げられる。さらに細かいことだが、リヤゲートの取っ手が扱いやすいグラブバー式なのも良心的なディテールだ。

 改めて考えてみれば、エクリプスクロスに限らず、今回の4台はすべて「細かな実用性よりまずはデザイン」で仕上げられたスタイリッシュ系SUVということもできる。CX-5は横置きFFベースとは思えないロングノーズシルエットを大きな売りとしているし、ヴェゼルも猫背スタイルのスモールキャビンが基本となるボディ造形である。

 C-HRについてはもはや説明すら不要だろう(笑)。SUVながら立体駐車場を視野に入れたパッケージで、今回ではボディサイズが2番目に小さいくせに、ウインドウは最も寝かせられている。さらにいちいち抑揚や凹凸がつけられた造形は、少なくとも空間効率的には無駄が多い。

 事実、後席もトランクもC-HRが飛び抜けて狭く、傾斜したダッシュボードや、やけに立派なセンターコンソールもあって、前席もスポーツカーのようにタイトだ。それにしても、ごく普通のファミリーカーとして買う人にまで「室内やトランクは事前にご確認ください」と忠告しなければならないSUVが、こんなに普通に売られることになるとは、数年前までは想像もつかなかった。

 ヴェゼルのキャビンはC-HRとは正反対に驚異的に広い。外寸は今回の4台で最小ながら後席空間と荷室は最大級。しかも、細かい寸法はともかく、リアルな使い勝手において圧倒的なのはひと目で分かる。さすがはホンダのセンタータンク車で、後席や荷室付近の低床っぷりは、何度見ても感心するばかりだ。

 こうしてパッケージレイアウト的には両極に位置するC-HRやヴェゼルと比較すると、CX-5はちょうどよく広く、エクリプスクロスはスポーツクーペルックには似つかわしくないほど広い。

 CX-5のパッケージは空間効率の高いタイプとはいえないが、ひとクラス上の立派なボディサイズが効いていて、絶対的にはヴェゼルに次いで広い。対するエクリプスクロスは正しくコンパクトSUVのサイズだが、ディメンションやパッケージレイアウトまで、そのスポーツクーペルックからは想像しづらいほどに生真面目なのだ。

 エクリプスクロスは、インテリアもいい意味でオーソドックス。さすがに各部の素材使いではCX-5がアタマひとつ抜けた高級感があるが、少なくともヴェゼルやC-HRには優るとも劣らない。各部の造形やレイアウトもアウトランダーより明確に新しくてスポーティだが、エクリプスクロスの内外装に通底しているのも「生真面目」である。

 エクリプスクロスのインテリアにはC-HRやヴェゼルのようにムダ(?)な曲線や抑揚はほぼ存在しない。同時に、マツダのコマンダーコントロールに続いて三菱もナビ/AV操作系に新世代インターフェース(=タッチパッドコントローラー)に踏み込みつつも、見慣れた位置に伝統的なスイッチもそれなりに残される。また、豊富な収納や実用的な空間設計など、あくまで「使い勝手のいいSUVでありたい」との思いが、エクリプスクロスでは全身からにじみ出ている。

MAZDA CX-5 25S PROACTIVE

初代の登場から5年というタイミングで、昨年2月にフルモデルチェンジ。まさに正常進化と言うべき全方位の性能/質感向上を果たし、マツダ新世代商品群の基軸として世界的ヒットを続けている。※撮影車両は2018年2月発表の商品改良前のモデル。

直列4気筒DOHC/2488㏄
最高出力:184㎰/6000rpm
最大トルク:25.0㎏m/4000rpm
JC08モード燃費:14.6㎞/ℓ
車両本体価格:291万6000円

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