Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニュース・トピック
  3. コラム・連載記事

連載コラム「酷道を奔り、険道を往く」Vol.10 関東屈指のロングダートを制覇せよ! 秋鹿大影林道&万沢林道(酷道 険道 未舗装路:群馬県)スズキ・ジムニー&ジムニーシエラ

このエントリーをはてなブックマークに追加

旅のクライマックスは万沢ストレート!

 四万温泉の中心地から国道353号線に出てすぐ、我々の宿からは2、3分で万沢林道の入口に辿り着く。

 万沢林道は秋鹿大影林道よりも道幅が広く、例の鉄人カソリ林道リストによれば難易度は3点満点中「二つ星」だ。

 ……のはずが、のっけから狭いじゃないか。ジムニーはともかく、ジムニーシエラではけっこうギリギリ。路面もかなりガレていて神経を使う。賀曽利さん、お願いしますよ。

万沢林道の起点は、四万温泉のすぐ近く。秋鹿大影林道とセットで楽しむ愛好家が多い。

 まぁしかし、狭かったのは最初の5kmくらいか。あとはほどほどに走りやすく、ときおり舗装区間も散見できる。「東が険しく、西へ行くほどに走りやすくなる」の法則は万沢林道でも健在で、なるほど確かに二つ星は妥当だ。賀曽利さん、失礼いたしました。

広いと聞いていた万沢林道だが、のっけから猛烈に狭いじゃないか!

 この舗装区間に関して、オフロード愛好家の間では否定的な意見が多いようだ。

 ただし多くの舗装区間は、未舗装路がいったん崩落して、そこを補修するタイミングに合わせて舗装されたと思われる部分が多い。崩落した箇所が再び崩落しないように補強する───つまり舗装するのは常識的な発想だろう。

 それにこうした林道はドライブやツーリングのルートであるだけでなく、ライフラインという重要な役目を担っている。道路網の整備は感情論だけでは語れない。

 だがその一方で、過度な舗装化やそれに伴う森林の伐採などが自然のバランスを狂わせ、むしろ崩落や水害などを引き起こしているという見方もある。

 個人的には、せめてこうした人里離れた山間部くらい、自然のままの姿を残してほしいと思うが、なんら責任を負わず、専門知識も持たない筆者が勝手なことを言ったところで説得力はない。

ときおり存在する舗装区間。「この先ずっと舗装されているのか」と心配していると、なにもなかったように未舗装に戻ったりする。

 前述の通り、東側の数kmさえクリアしてしまえば、万沢林道は至極走りやすい。その東側の道幅の問題から、全行程を走り切るのならば全幅は1800mm以下のクルマにしておきたいが、二輪であれば本格的オフローダーはもちろん、大型アドベンチャーやスクランブラーでも手軽に楽しめそうだ。

万沢林道としばらく並行して流れる白砂川。四万湖と同様にエメラルドグリーンがかっている。

 万沢林道には洗い越しが数カ所あるのも魅力のひとつだろう。

 洗い越しとは道路と川が平面で交差している箇所のことで、たいていは水が道路に滲み出ているといった程度のものだが、ちょっとした川渡り気分を味わえるのが面白い。

果敢に川を渡っているように見えなくもないが、これは洗い越しだ。浅い水の流れが道路を横切っているだけなので、本格クロカン四駆でなくても渡ることは可能だ。

 そして万沢林道の起点から約20kmというところで、いよいよ今回のダートドライブのクライマックスを迎える。

 本州最長の1kmもの距離を誇る未舗装直線路、通称「万沢ストレート」が眼前に広がるのだ。

 ただでさえ真っ直ぐ1kmも続く道はなかなか珍しいのだが、ここに至るまで狭くて薄暗くてクネクネした道を延々として走ってきたわけで、そんな風景に慣れた目には、はるか遠くまで見渡せる万沢ストレートには距離感が狂わされる。

 よくわからないが、なぜか眩しい感じもする。急に視界が広がったからなのか?

 秋鹿大影林道と万沢林道は東側からスタートした方がいい。そのもうひとつの理由がここにある。

 狭く険しい林道を這々の体で走り切り、やがてこの万沢ストレートに辿り着いたときの達成感は、体験した者にしかわからないだろう。

未舗装の直線路としては本州随一の長さを誇る万沢ストレート。

 万沢ストレートを抜ければ、万沢林道のゴールもすぐそこだ。ほどなくして国道405号線に出て、今回の林道ドライブもフィナーレとなった。

 酷道や険道は数あれど、やはり未舗装林道の手応えは格別だ。

 もちろん林道ドライブにはリスクも伴う。ある程度の運転スキルは当然だが、大切なのは慎重さだ。そして、いい意味での臆病さも必要だ。そこさえ守れば、こんなに楽しいアドベンチャーもない。

「オフロードに手を出すとハマるよ」とは多くの諸先輩から聞かされていた。帰宅後、筆者はジムニー&ジムニーシエラのウェブサイトばかりを見ている。セローやVストロームなら買えるかも、なんて考えたりもしている。さてさて、どうしたものやら……。

2本を合わせて34kmのロングダート!

群馬県の北部にある秋鹿大影林道と万沢林道は、関東有数のロングダートとして名を馳せる。未舗装区間は前者が13km、後者が21kmで、ふたつを合わせれば34kmになる。中間地点にある四万湖の「四万ブルー」も一見の価値ありだ。本文中にもあるとおり、東側からのスタートがオススメ。取材陣は関越自動車道の月夜野インターチェンジからアプローチした。

スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた【一般道〜高速道〜林道:計500km!】

スリップは当たり前で、走行抵抗も大きそうな未舗装路。タイヤが空転すれば、その分エンジンのパワーをロスしているわけだし、汚泥路や岩場では同じ距離を走るにも舗装路より大きなパワーを要する。ということは、燃費もそれなりに悪化するのではないか? それではと、ジムニー&ジムニーシエラで実験してみました。

結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?

伝統のラダーフレームとリジッドアクスルを踏襲し……とは何度も耳にしてきたフレーズだが、ではいったい、それだと何がいいのだろうか? 「さすがジムニー」とみんなが褒め称えるほどに、今さら何がスゴイのか聞きづらくなってしまう。そんなアナタのために、極めて簡単にジムニーの本格派たるゆえんを解説しよう。

Jimny XC

ジムニーXC
全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm
ホイールベース:2250mm
トレッド(前/後):1265/1275mm
車両重量:1040kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
排気量:658cc
圧縮比:9.1
最高出力:47kw〈64ps〉/6000rpm
最大トルク:96Nm/3500rpm
燃料タンク容量:40L
トランスミッション:4速AT
駆動方式:フロントエンジン・オールホイールドライブ
乗車定員:4名
サスペンション形式(前/後):3リンクリジッドアクスル式/トーションバー式
タイヤサイズ:175/80R16
WLTCモード燃費:13.2km/L
車両価格:184万1400円

Jimny SIERRA JC

ジムニーシエラJC
全長×全幅×全高:3550×1645×1730mm
ホイールベース:2250mm
トレッド(前/後):1395/1405mm
車両重量:1090kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
排気量:1460cc
圧縮比:10.0
最高出力:75kw〈102ps〉/6000rpm
最大トルク:130Nm/4000rpm
燃料タンク容量:40L
トランスミッション:4速AT
駆動方式:フロントエンジン・オールホイールドライブ
乗車定員:4名
サスペンション形式(前/後):3リンクリジッドアクスル式/トーションバー式
タイヤサイズ:195/80R15
WLTCモード燃費:13.6km/L
車両価格:201万9600円

おすすめのバックナンバー

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ