一番売れているスポーツカーは、結局なに? ポルシェ911を軸にスポーツカー市場を分析してみる ポルシェ911、日産GT-R、ホンダNSX、フェラーリ、コルベット、ロードスター…本当に売れているスポーツカーはどれだ?
- 2019/08/24
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MotorFan編集部 鈴木慎一
911 vs フェラーリ&ランボルギーニ
自動車雑誌的に言えば、ポルシェ911ときたら、「フェラーリはどう? ランボルギーニもライバルでしょ?」となるわけだが、果たしてそうだろうか?
フェラーリとランボルギーニに関しては、全モデルトータルの数字だ。それでも両ブランドともに、ポルシェ911のライバルとはなり得ていないことがわかる。フェラーリ全モデルトータルでポルシェ911の3分の1程度、ランボルギーニはそのフェラーリの3分の1程度だ。イタリアン・スーパーカーメーカーとポルシェを比べるな、という声も聞こえてきそうだが、今回のテーマはポルシェ911を軸にスポーツカーの販売台数を分析するということなので、ご容赦願いたい。
GT-Rは? NSXは? レクサスLCは?
では、このマーケットに挑戦しているほかのプレーヤーの動向も見てみよう。まずは、日本メーカーだ。
アキュラNSXは、2017年に2代目が登場。だが、北米ではまったくといっていいほど成功していない。2016年が269台、17年が578台、18年には早くも170台となっている。「初代は売れたでしょ?」と思っている方も多いかもしれないが、初代も1990年に1119台、91年に1940台、92年に1154台を北米で販売したが、その後は漸減、年間3-400台と言ったところだった。
日産GT-Rはどうだろう?
こちらも登場直後の2008年に1730台を売ったが、販売台数は徐々に下がり、ここ数年は500台前後となっている。どちらもポルシェ911のライバルにはなり得ていない。
アウディR8もBMW i8も、まったく相手になっていない。唯一、新顔として成功しているのは、ジャガーFタイプだ。2014年から17年は年間4000台オーバーのセールスを記録している。
いやいや、ZカーとMX-5ミアータがあるでしょ
これまで比較的高額なスポーツカーを見てきたが、アメリカでスポーツカーと言ったら、Zカー(370Z、データでは300ZXー350Zー370Z。日本ではフェアレディZ)でしょ、と思う人もいるだろう。
それは正しい。2002年デビューのZ33系(350Z)は、2003年には36728台のセールスを記録。これは911の4倍、コルベットよりも売れたのだ。2009年からは現行Z(Z34系)に切り替わった。こちらも1万台を超えるセールスとなり、アメリカでのZカー人気の高さを裏付けている。しかし、販売数は低下の一途をたどっている。理由は明白だ。
モデルチェンジしないから。
である。ポルシェ911は、この間、997型→991型→そして992型とモデルチェンジをしている。
コルベットも、C6型→C7型→そして、なんとミッドシップ化したC8型とフルモデルチェンジをしているのだ。日産がZに手を入れてこなかったのは、販売台数にも如実にあらわれている。GT-Rも同じだ。
MX-5Miata(現在はMX-5、マツダ・ロードスターの海外でのモデル名)は、00年代ほどのボリュームはないが、安定して売れている。2017年には1万台オーバー売れている。1万台は立派な数字である。
適切なタイミングでもモデルチェンジをしない、法規や景気動向によってスポーツカーを市場から引き上げることがある……ようなことがあると、やはり真の意味で売れるスポーツカーにはなり得ない。
トヨタ・スープラ、アキュラNSX、マツダRX-7(RX-8)、ミツビシ3000GTなどヒットを記録した日本製スポーツカーもあったが、911やコルベットのようになれなかったのはそういう理由だろう。
日産フェアレディZもGT-Rももっと早くモデルチェンジすべきだったのでは、と思わざるを得ない。
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