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アウディA4で実験! 1.4TFSIと2.0TFSIで実燃費はどう違うのか? 200㎞を走ってステージ別に計測!

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ライトサイジングの2.0TFSIと、ダウンサイジングの1.4TFSI。現行A4デビュー当初からラインナップされた前者に対し、このほど新たに追加されたエントリーモデルの後者。ただしエンジンそのものの設計は前者のほうが新しい。そんな両モデルを高速と一般道を織りまぜた同じコースで走らせ、それぞれどのような燃費性能を発揮するのかをテストした。

TEXT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

※本稿は2016年11月発売の「アウディA4/S4のすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

 現行A4の日本導入当初(2015年)は直列4気筒2.0ℓターボのみのエンジンラインナップで、252㎰の2.0TFSIクワトロ(AWD)と、190㎰の2.0TFSI(FF)という2種類のチューンが用意されていた。

 しかしこのほど(2016年)、エントリーグレードとして150㎰を発生する直列4気筒1.4ℓターボを搭載する1.4TFSIが追加され、お求めやすい価格も相まって、なかなか悩ましい選択肢が増えたことになった。

 今回、俎上に上げるのは、同じFFである190㎰仕様の2.0TFSIと新しい1.4TFSIである。面白いことに、カタログ燃費は2.0の18.4㎞/ℓに対し1.4は16.6㎞/ℓと、排気量もパワーも優る2.0のほうが燃費も上回っていること。JC08モード燃費の計測方法に適しているだけなのか、本当に優れているのか、実走テストで計測してみることにした。

 ちなみにエンジンそのものの設計年次は、2.0TFSIのほうが新しい。ダウンサイジングを謳ってデビューした1.4ℓ直噴ターボはすでA1などに搭載されていたのに対し、「EA888型」2.0ℓ直噴ターボはライトサイジングの名のもとに新設計され、ミラーサイクル技術を採用するなど徹底して低燃費を追求している。

燃費計測はモーターファン本誌で使っている定番コース。東京と大月を往復し、高速道と一般道が半々の約200㎞のルートである。

 計測はモーターファン本誌でいつも使っている東京から大月を往復する定番コースで行なった。すでに2.0は16年の6月にモーターファンVol.2の取材のために行なっている。条件をなるべく近づけるため、まったく同じ行程、同じエアコン設定温度としたが、前回は6月上旬、今回の1.4のテストは11月上旬で、外気温が違えばエアコンに掛かる負担も変わってくる。

 そして何よりテスト車両の事情で、2.0はセダン、1.4はアバントとなってしまったのが大きい。前者は1540㎏、後者は1490㎏だが、後者がセダンであれば1450㎏だったはずで、1.4が40㎏のハンデを負ったことになる。

 だから厳格な勝負ではなく、あくまで全体の傾向を知るための材料と捉えていただければ幸いだ。

 まずは編集部のある東京都新宿区からほど近い永福ICから首都高速4号線に入り、中央道の相模湖ICを目指す。三鷹の料金所から調布ICにかけて緩やかな下りがあるものの、八王子ICまでは平坦で、そこから都県境の小仏トンネルまでは、登坂車線を伴う区間が2ヵ所あるなど、勾配のきつい登り坂が続く。

 最初のチェックポイントである相模湖ICでの記録は、2.0は21.8㎞/ℓ、1.4は21.3㎞/ℓと、いきなり若干ながら2.0が優る結果となった。

 続くステージは、相模湖ICから県道35号線を西に向かい、都留から国道139号線で大月に向かうルートだ。こちらも全体的に登り傾向で、交通量が少なく気持ちのいいドライビングが楽しめる。

 第二チェックポイントの大月駅前での記録は、2.0が15.5㎞/ℓ、1.4が16.9㎞/ℓと、ここでは後者が上回った。

燃費計測は交通の流れを乱さないペースで行ない、とくに燃費走行は意識しなかった。むしろ、タイトなワインディングでの軽い身のこなしを思わず楽しんでしまうシーンも少なからずあったりして……。
タコメーターの内側にあるのがシフトインジケーター。通常時は「D3」などと表示されるが、コースティングに入るとギアを示す数字が消え、「D」の文字のみになる。このとき、タコメーターはアイドリング回転数を指している。
こちらは6月に2.0TFSIで計測したときのもの。外気温は20℃を上回っており、15℃前後だった今回よりもエアコンの負担は大きかったはずだ。

 大月で折り返し、今度は国道20号で上野原を目指す。全体的には下りだが、交通量はほどほどにある。渋滞というほどではなかったが、思い通りのペースで走るのは難しい。

 この区間では2.0が19.3㎞/ℓ、1.4が23.6㎞/ℓと、まさにダウンサイジングの面目躍如となった。往路の高速区間よりも優れていたのには驚きである。穏やかな下りが続き、平坦路になればコースティングが起動する場面も多々あったことが要因かも知れないが、とはいえ2.0も同じコースティング機能を備えるわけで、低い速度レンジにおけるダウンサイジングターボのアドバンテージを思い知らされた。

 一方、最後のステージとなる中央道の上野原ICから首都高速4号線の新宿ICまでは、2.0が24.5㎞/ℓ、1.4が24.3㎞/ℓとほぼ同等の燃費を記録。全体的に下り傾向の高速道路という、燃費に優しいステージであり、2台とも全ステージ中で最も良好な数値をマークした。速度が上がるほど大排気量のハンデは少なくなる傾向があるが、今回の数値はまさにそれが顕著に表れた結果と言えそうだ。この2台は同じギヤ比を持つ7速DCTを搭載するが、ファイナルが異なり、100㎞/h巡航時のエンジン回転数は2.0が約1400rpmで、1.4は約1650rpmほどだった。これも高速ステージでの2.0の好記録に影響しているだろう。

 全行程を走り終えての総合燃費は、2.0が19.7㎞/ℓ、1.4が20.5㎞/ℓと、両者ともにJC08モード燃費を上回る結果となった。

 参考までに、都内でストップ・アンド・ゴーの続く渋滞の中を17㎞ほど計測した結果は、2.0が8.5㎞/ℓ、1.4が10.0㎞/ℓだった。こちらも低速域におけるダウンサインジングターボの優位性が示されている。ちなみに都内での数値を表の総合結果に含まなかったのは、結局のところ都内の走行距離の割合次第で数値が簡単に変わってしまうからである。もしもそれらを含めた「総合燃費」を掲載するのならば、もっと月単位や年単位の長いスパンで計測を続ける必要があるだろう。

 テストを終え、JC08モード燃費に劣る1.4TFSIが、必ずしも実燃費において劣るわけではなく、むしろ優れていることが明らかになった。ただ同時に、抜群の動力性能を誇る2.0TFSIが1.4TFSIと遜色のない燃費を見せたことも驚きだった。ライトサイジング……適正な排気量という言葉の意味を、身をもって体感したのである。

区間別燃料計測結果

※大人1名(体重75㎏)乗車。エアコン設定温度は21℃。

総合結果(都内を除く)

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