Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. カタログ
  3. 日産|NISSAN
  4. ノート

トヨタ・ヤリスと日産ノート、マツダ2、スズキ・スイフトを徹底比較!〈ライバル車比較インプレッション〉コンパクトカー試乗記

  • 2020/02/05
  • ニューモデル速報
このエントリーをはてなブックマークに追加

低重心によるハンドリングと進化したAGSで秀逸な走り

 欧州仕込みというならば、スズキ・スイフトも負けてはいない。スイフトといえば「スポーツ」の出来映えが絶賛の的だが、今回試乗した「ハイブリッドSL」も実力派だ。

 スズキは現状1.2ℓの「K12」ユニットにマイルドハイブリッドとストロングハイブリッドの2種類を用意するが、試乗車は後者のストロングハイブリッド。価格はこちらが198万5500円と16.5万円ほど高くはなるが、その出来映えには、地に足が着いた良さがある。

 直列4気筒ユニットの出力は91㎰/12.0㎏mで、モーター出力は13.6㎰/3.1㎏m。システム出力ではないが額面通りにこれを足しても、その出力は大したものではない。しかしバッテリーとモーターを搭載しても960㎏にしかならない車重が、そのボディを軽々と発進させる。また小排気量の自然吸気エンジンながらもモーターアシストがその回転を低く抑えることができ、街なかでは2000rpm付近を常用しながら極めて静かに走る。そして80㎞/h以下の状況では積極的にエンジンをコーストさせるため、その静粛性はさらに高まる。ちなみに燃費はJC08モードだが32㎞/ℓだ。

 ソリオから始まったAGSの進化も素晴らしい。変速時に駆動モーターがエンジンの回転落ちをアシストするため、シングルクラッチでも加速Gの抜けがほとんど感じられないのだ。デュアルクラッチに対してコストと重量を圧倒的に抑えることができるこのソリューションは、フォルクスワーゲンUP!にも見習わせたいほどである。そしてアクセルを踏み込むような状況でも、クラッチ式だけにトルコンATやCVTのような滑り感がない。

 スイフト本来のハンドリングの良さと、床下にバッテリーを搭載する低重心さがミックスされた走りは、快適かつ安定している。正直ここまでデキが良いと、ダンパーのオイル容量をもう少し増やして、路面の段差などに対する突き上げを減らしたい。また電動パワーステアリングの効き過ぎ感を抑えたくなる。

 スズキの良さは徹底したコスト管理と、少しでも車両価格を安くするための努力なのは確かだ。しかしユーザーがハイブリッドを選ぶという行為自体、燃費だけでなくプレミアム性を求めてのことだけに、そうした質感の高さにも少しだけ余裕を割いて欲しい。オプションでも良いからダンパーを設定したらよいと思う。またスイフト・ハイブリッドを気に入ったオーナーであれば、タイヤの銘柄にもこだわってみると、さらに快適なカーライフが送れるはずだ。

SUZUKI SWIFT HYBRID SL

今や希少な“ホットハッチ”として人気のスイフトスポーツと一括設計された兄弟車だけに、しっかりとしたボディが優れた操安性をもたらす。パワートレーンは1.2ℓ直4と1.0ℓ直3タ ーボ、1.2ℓ直4には2種類のハイブリッドもあり、お値段以上の走りを披露する。

直列4気筒DOHC/1242㏄
最高出力:91㎰/6000rpm
最大トルク:12.0㎏m/4400rpm
モーター最高出力:13.6㎰/3185-8000rpm
モーター最大トルク:3.1㎏m/1000-3185
車両本体価格:198万5500円
JC08モード燃費:32.0㎞/ℓ

国内トップセールスを誇る充電要らずの電動コンパクト

 1.2ℓ直列3気筒エンジン(79㎰/10.5㎏m)を完全な発電機として使う日産ノートe-POWERは、シリーズハイブリッドという形式を採っている。その魅力はエンジンが発電時にブーン! と唸りながらも、加速フィールがEVと同じこと。モーターによるタイムラグのない発進・加速特性と、トランスミッションによる変速のないシームレスな巡航ができることにある。また回生ブレーキを使った「ワンペダルドライブ」の新鮮さも手伝い、一躍ノートはコンパクトカーのスターダムにのし上がった。

 しかしもともとノートは純然たるBセグメントの実用小型車。ホンダ・フィットにも共通するシャトルフォルムを採用するだけあって、広い室内空間を誇るのがまず特筆すべきポイントである。特に後部座席の頭上空間は今回の中でも一番広く快適だった。

 対して走りの方はと言うと、タウンユースでは前述したモーターの加速が心地良く、乗り心地が優しい。ノートe-POWERはこのノーマルとNISMOが109㎰/25.9㎏mのモーター出力となっており、上級グレードとなるNISMO Sだとこれが136㎰/32.6㎏mにまで高められている。標準モデルのパワー&トルク感は当然NISMO Sには遠く及ばないのだが、日常の走りをこなすには標準仕様で十分。むしろその適度に抑えられた出力特性が自然な走りを生んでいるし、ECOモードではワンペダルドライブがきちんと楽しめて、スポーツモードに入れればガツン! とモーターが瞬発力のあるダッシュをかましてくれる。

 それより気になるのは高速巡航時の直進安定性に欠けることで、街なかでの良好なハンドリングがちょっと心許ないものになってしまっていた。これは街なかの乗り心地を優先したサスペンションの剛性不足が原因だろう。やはりモーターとバッテリーを搭載した重量増は大きく、高速安定性を生活の中に求めるならNISMOを選ぶべきだろう。またその硬さや外観の派手さを嫌うなら、よりシックなオーテックという選択になるだろうか。

 そしてライバルとの比較では、意外や一番トータルバランスに優れるのがノートe-POWERだと感じた。広い室内、タウンユース限定になるが素直なハンドリングと乗り心地の良さ。そして充電要らずに、モーター駆動の新鮮さを味わえる。

 肝心なヤリスとは対極的なキャラクターで、どちらかと言えばライバルは、まだ見ぬ新型フィットだろう。ヤリスに近いのはマツダ2とスイフト・ハイブリッドだと思う。

 それでも敢えて悩むとすれば、それはどちらの乗り味も好きだという場合。広くて新鮮な乗り味のノートe-POWERか、コンパクトカーの本質を極めんとするヤリスか? だから2020年は、コンパクトカーたちの闘いが熱くなるのである。

NISSAN NOTE e-POWER AUTECH SPORT SPEC(2WD)

広い室内空間と隙のない仕上がりで、新車販売台数NO.1の座に君臨する。幅広いグレード展開も魅力。今回ライバルとして連れ出したのはモーターの力のみで走るe-POWERだ。写真のAUTECH以外にもスポーティな外装と走りが与えられたNISMOも人気が高い。

直列3気筒DOHC/1198㏄
エンジン最高出力:79㎰/5400rpm
エンジン最大トルク:10.5㎏m/3600-5200rpm 
モーター最高出力:109㎰/3008-10000rpm
モーター最大トルク:25.9㎏m/0-3008rpm
車両本体価格:249万9200円
JC08モード燃費:(e-POWER参考値34.0-37.2㎞/ℓ)

トヨタ・ヤリスと日産ノート、マツダ2、スズキ・スイフトを徹底比較!〈インパネ/シート/ラゲッジスペース/スペックetc……〉

Cセグメントと並ぶ激戦区とされるBセグメントへトヨタが送り込んだ渾身の一台「新型ヤリス」。そのユーティリティやスペック...

あわせて読みたい

モーターファン別冊・ニューモデル速報 Vol.591 トヨタ ヤリスのすべて

躍動の新世代コンパクト
試乗インプレッション「Bセグの革新、再び」
ライバル車比較「コンパクトカーの本質が問われる時」
使い勝手徹チェック「新基準のコンパクトには注目の新アイテムも」

おすすめのバックナンバー

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ

Motor-Fanオリジナル自動車カタログ

自動車カタログTOPへ

Motor-Fan厳選中古車物件情報

中古車TOPへ