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トヨタ・グランエースのメカニズムを徹底解説!要人を満足させるためのメカニズム

  • 2020/04/11
  • ニューモデル速報
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モノコックながら骨格断面を大きくとり剛性を確保

モノコック構造でありながら、直線的な構造で強固な骨格を床下に配置。サイドメンバーは側面視で真っ直ぐ通っている。クロスメンバーも緻密に配置されており、強度や剛性だけでなく、NV性能にも効果がありそうだ。

剛性を高めて操縦安定性を獲得する

通常は少し隙間の開いているフロントサスタワーとダッシュパネルだが、グランエースは両者を直接、溶接(赤丸がスポット打点)。ダッシュパネルをサスタワーの支持部材として使用し、効率良く剛性を確保している。

タイヤからの大入力を効率良く受け止める

フロントのサスペンションメンバーは「日」の字構造。ロワーアーム取付部は横方向のストレート部材でガッチリと支持する。図には描かれていないが、両メンバー間を橋渡しする板状のブレースも、ボルト締結される。

ブレース追加で効率的に強化

ラジエーターまわりには、筋交い状のVブレースと、サイドメンバー前端を左右に結ぶブレースを設定。この部分を補強すると、操舵初期に発生するボディの捩り変形が抑えられ、微少舵角時の操舵応答性が向上する。

ラテラルロッドの入力点も強化

リヤサスの横方向入力を支えるラテラルコントロールロッドは、スタビリティを左右する重要な部品。ボディ側ブラケットは大きな三角形構造となっており、高い支持剛性を確保する。

ダンパー取り付け部のねじれ変形を抑制

リヤダンパーはロールの抑制も狙い、ロワーアームの外側にマウント。ボディ側取り付け点はサイドメンバーの外側になるため、ピンを貫通させて支持剛性を確保する。曲げ応力が高くなる根元部分は、とりわけ太くなっている。

ダッシュまわりを念入りに遮音

エンジンルームからの透過音対策は入念に実施。遮音材は穴面積が非常に小さいのに加え、ダッシュパネル上面にまで回り込ませている。アスファルトシートを挟んだ制振鋼板は、ディーゼルエンジン特有の低周波音に効果を発揮する。

環状骨格構造で剛性を向上

B/C/Dピラー部には全周閉断面骨格を配置。フロアからアッパーボディに立ち上がる部分も単純な「突き当て構造」とはせず、コーナー部に筋交い構造ができるよう形状を設計。荷重伝達の流れを効率良く伝え、剛性を確保する。

要所にのみハイテン材を採用

乗用車系と較べると、ハイテン材の使用比率は少なく見えるが、これは剛性向上のために板厚を確保した結果、ハイテンを使わなくても衝突安全基準がパスできたから。構造的に強いので、過剰なハイテン化は必要ないのだ。

大開口部は接着剤を追加して強化

ドア開口部周辺には、広範囲に構造用接着剤を採用。マッチ箱変形を抑制し、操縦安定性と乗り心地を向上させる。ガラスの接着剤にも高剛性ウレタンタイプを使用し、ガラス本体もボディの剛性部材として機能させている。

ルーフ骨格も溶接で接合

かつては嵌め込み構造やボルト締結で組まれていたルーフ骨格の結合部は、サイドパネルに「お迎え」ブラケットを付けておくことで、溶接による組み立てを成立させている。

バックドアの開口も高剛性

全幅が広いため、バックドア骨格をストレートにしても十分な開口幅が取れ、コーナーRを拡大する余裕もあるため、剛性面では有利な形状となった。右の図を見ると、高応力部(赤色)が広範囲に分散しているのがわかる。

アッパーボディの遮音材を使い分け

赤色が熱発泡性の遮音材。ボディ溶接時に骨格内部に貼り付けておき、塗装工程の熱で発泡させて隙間を塞ぎ、骨格内部を伝わってくる音を遮断。青は成型したウレタンフォームで、パネルの隙間から侵入してくる騒音を遮断する。

下面を広範囲にカバーして空力性能を向上

熱を発生するエキゾーストパイプ周辺以外は、ほぼ全面に空力カバーを配置。整流フィンが6ヵ所に立てられており(黄色の矢印)、操縦安定性の向上も狙っているのがわかる。

スペアタイヤカバーにも空力性能を付加

吊り下げ式スペアタイヤの下にも、空力カバーを設定。中央寄りには翼断面形状のフィンが立てられており、リヤアクスルで乱された空気を整流、操縦安定性を向上させる。スペアタイヤはテンパーではなくフルサイズだ。

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