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スバル・インプレッサ2.0-S EyeSight 絶妙・なめらか。アイサイトの完成度を試す。「疲れにくいし、使えるシステムだ」

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スバル・インプレッサ2.0i-S EyeSight 車両価格○270万6000円

スバルのコア・テクノロジーと言えば、もちろん「水平対向エンジン」と「AWD」である。しかし、近年は、「アイサイト(EyeSight)」という人も多いのではないだろうか? SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の第一弾として2016年にデビューした現行インプレッサで、アイサイトの実力をモータリングライター、世良耕太が試した。

TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

現行インプレッサのデビューは2016年。2019年10月にビッグマイナーチェンジを受けている。

 スバル・インプレッサSPORTに乗った。試乗車は最上級グレードの2.0-S EyeSightだ。高速道路が主体の移動だったこともあり、EyeSight(アイサイト)に的を絞って乗ってみることにした。

 アイサイトはステレオカメラと画像処理技術を組み合わせた、スバル独自の運転支援技術だ。プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)やAT誤発進抑制制御、車線逸脱警報、ふらつき警報、全車速追従機能付きクルーズコントロール、先行車発進お知らせ機能といった複数の機能を、「アイサイト」の名称で成立させている。

アイサイトver.3はステレオカメラを使う。将来的にはレーダーなど他のセンサーも併用するが現在はステレオカメラだけで成立させている。

VEr.3のアイサイトのステレオカメラはカラー化されている
 初代アイサイトは2008年5月にレガシィ・シリーズの一部改良に合わせて投入された。10年5月には、レガシィ・シリーズの改良に合わせて「アイサイトver.2」に進化した。先行車や障害物などの対象物との速度差が30km/h以下の場合、自動ブレーキによって衝突を理論上回避できるようになったのが、進化のひとつだ。速度差が30km/hを超える場合は、自動ブレーキによって減速することにより、衝突被害の軽減を図る。

 また、全車速追従機能付きクルーズコントロールは、自動ブレーキの最大減速度を1.6倍に高めることで(0.25G→0.4G)、先行車の減速幅が大きくても追従が可能になった。

 14年4月には、レヴォーグの発表に合わせて「アイサイトver.3」を導入した。ステレオカメラを全面刷新したのが特徴で、カメラをカラー化すると同時に視認角・視野角を拡大。3D画像認識エンジンの性能向上などを図ることで、衝突回避、衝突被害軽減、運転負荷軽減などの各種性能を向上させた。

全長×全幅×全高:4475mm×1775mm×1480mm ホイールベース:2550mm
トレッド:F1540/R1545 最低地上高:130mm
車重:1400kg 最小回転半径:5.3m

 Ver.3では「アクティブレーンキープ」を追加した。全車速追従機能付きクルーズコントロールが作動している状況、かつ約65km/h以上で走行車線両側の白線を認識している状態で走行している場合、車線内中央を維持するようステアリングの自動操舵を行なう。また、車線からはみ出しそうになると、従来の車線逸脱警報に加え、ステアリングにトルクを加えることで車線内側方向に操舵する制御を行ない、車線の逸脱を防止する。

 ステレオカメラのカラー画像化によって先行車のブレーキランプの点灯状態を検出することが可能になり、全車速追従機能付きクルーズコントロールの作動中は、追従時に早めの減速を行なうことが可能になった。ver.3は他にもたくさんの機能が進化しているが、今回の試乗では全車速追従機能付きクルーズコントロールとアクティブレーンキープの使用に終始したので割愛する。

トランスミッションはスバル独自のチェーン式CVT(リニアトロニック)。FFモデルも設定があるが、試乗車はAWDモデルだ。

 全車速追従機能付きクルーズコントロール(以下クルコン)やアクティブレーンキープを総称する「ツーリングアシスト」は、取り扱い説明書によると次のような機能になる。

「渋滞走行や高速走行を含めた自動車専用道路での運転負荷軽減を目的とした運転システムです。全車速追従機能付クルーズコントロールと、それに連動して作動する車線中央維持・先行車追従操舵機能により、アクセル・ブレーキ・ハンドルをシステムが制御することで運転をアシストします」

 つまり、一般道での使用は想定していない。操作スイッチはステアリングの右側に配置されている。オンオフは、右上の「クルーズ」スイッチ(クルマのシルエットとメーターの組み合わせ)で行なう。スイッチを押して「オン」にすると、メーター中央のマルチインフォメーションディスプレイに設けられたアイサイト専用の表示部に「クルーズ」表示灯が点灯。その下に「READY」の文字があれば、システムの準備が整っているということだ。

アイサイトのコントロールは、ステアリング右側のスイッチで行なう

 中央にあるトグルスイッチを下(SET/−)または上(RES/+)に押すと、そのスイッチを押したときの車速をセット車速としてクルコンがセットされる。クルコンが機能を開始すると、クルーズ表示は白色から緑色に変わり、車速が表示されるようになる。RES/+スイッチを1回ずつ押すとセット車速は5km/hずつ上がり、RES/+スイッチを押し続けるとセット車速は1km/hずつ上がる。アクセルを踏み込んで速度を上げ、希望の速度になったらSET/−スイッチを押すことでも、速度調整は可能だ。

 セット車速を下げる場合は、SET/−スイッチを使う(速度の刻みかたは車速を上げる場合と同様)。ブレーキを踏んで速度を落とし、SET/−スイッチを踏むことでも減速側の速度調整は可能だ。状況によりけりだが、ボタンを小まめに押して調整するより、アクセルを踏んだり、ブレーキを踏んだりして調整したほうが手っ取り早いかもしれない。

約100km/h走行時の車間距離は、長いほうから約60m、約50m、約40m、約30mの4段階で調整が可能

スバルの場合は車間距離を長くするスイッチと、短くするスイッチが独立している
 車間距離の設定はひとつのボタンで長短を調整する仕様が多いが、スバルの場合は車間距離を長くするスイッチと、短くするスイッチが独立している。約100km/h走行時の車間距離は、長いほうから約60m、約50m、約40m、約30mの4段階で調整が可能(3段階が一般的)。最短の距離設定では「近すぎ」に感じることもあったが、そんなときのための調整機能である。

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