スバル・インプレッサMAZDA3やトヨタ・カローラスポーツなどの強豪相手にインプレッサのの魅力は健在か? 400km走って考えた。燃費は?走りは?
- 2020/06/10
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MotorFan編集部 鈴木慎一

スバル・インレッサ2.0i-S EysSightに試乗した。自然吸気の2.0ℓ水平対向エンジンを積むAWDモデルである。つまり、ごくごく普通(とはいえインプレッサの最上級グレード)のスバルだ。過給も電動化もしていない素のCセグハッチバック。その実力を400km走って再確認した。
登場から4年。インプレッサは健在か?
現行インプレッサは、デビュー時に試乗・取材をさせていただいている。そのときに、内装の質感がグンと良くなったのと、SGPの素性の良さに感心した覚えがある。
とはいえ、それから3年半、インプレッサが戦うCセグハッチバック市場には、トヨタ・カローラスポーツ、マツダMAZDA3など手強いライバルが登場してきた。今回は、スバル・インプレッサの現時点での競争力を測ってみたい。
インプレッサは、19年10月(発売は11月)に大幅な商品改良を受けている。最大のトピックはアイサイト・ツーリングアシストを全車に標準装備したことだ。

スバル・インプレッサ2.0-S EyeSight 絶妙・なめらか。アイサイトの完成度を試す。「疲れにくいし、使えるシステムだ」
スバルのコア・テクノロジーと言えば、もちろん「水平対向エンジン」と「AWD」である。しかし、近年は、「アイサイト(EyeSig...
アイサイトについては、上の記事に詳しい。
久しぶりにインプレッサと対面すると、シンプルでクリーンな造形に好感が持てた。個人的には、次期レヴォーグなどのデザイン(ちょっと強そうでゴチャゴチャした感じ。あくまでも個人的な感想です)よりも、このインプレッサのさりげないデザインが好きだ。水平対向エンジンをフロントに搭載することでフロントオーバーハングがどうしても長くなってしまう、ちょっと変わったプロポーションも嫌いじゃない。
ボディサイズ全長×全幅×全高:4475mm×1775mm×1480mm ホイールベース:2550mm。全長はMAZDA3と同じ。ホイールベースは55mm短く全幅も20mm狭い、「ちょっと細長い」プロポーションである。

乗り込んで見てまず感じたのは、インテリアの質感だ。これは最新のMAZDA3がカテゴリー平均を大きく上げてしまったので、登場年次が古いインプレッサはちょっと不利。登場時に「スバルもここまで質感が上げてきてアベレージを超えたな」と思ったが、今見るともうひと息、上質であってほしいと思った。

とはいえ、インプレッサの主要マーケットはアメリカだ(インプレッサに限らずすべてのスバル車にとってアメリカが最大のマーケット)。
ちょっと販売台数を調べてみた。
北米スバル
2017年:8万6043台
2018年:7万6400台
2019年:6万6415台
日本
2016年:4万2423台
2017年:7万3171台
2018年:5万4194台
2019年:4万3780台
さて、そのメインマーケットであるアメリカで、インプレッサがどんなクルマかといえば、手頃なサイズと価格で、それ以上の走行性能とデザインを持った「ブレッドアンドバターカー」と捉えられている。ブレッドアンドバターカーとは、いい意味で「普通」ということだろう。ここでは水平対向エンジンだのシンメトリカルAWDだのという技術の話ではなく、ちゃんと走る丈夫な相棒的な意味合いのほうが強い。
ちなみに、北米ではインプレッサよりクロストレック(XV)の方がずっと売れている。
クロストレック(XV)
2017年:11万138台
2018年:14万4384台
2019年:13万1152台
こう考えると、スバルにとっての重要度はXV>インプレッサということなる。余談だが、現行のXVはインプレッサベースのクロスオーバーだが、次期インプレッサはXVベースのハッチバックになるということだろう。
そういう目で見れば、現行インプレッサの内装も悪くない。175cm(標準体型)のドライバーがポジションをとり、そのまま後席に座ると膝元にはこぶし2個分の余裕がある。充分広い。スポーツバック的な出自もあるからラゲッジルームも広い。今回の試乗では味わえなかったが、AWDの安心感もある。価格も最上級グレードで270万6000円だ。コストパフォーマンスは高いのだ(だからアメリカでも売れている)。
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